鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

“大晴天”が続いています。8/17から続く今回の晴天も、15日目、ほんとうに良く続きます

このところ朝は連日こんな感じです。爺ヶ岳より遠く薬師岳、赤牛岳、槍穂高 (2010.08.31 冷池山荘 )
このところ朝は連日こんな感じです。爺ヶ岳より遠く薬師岳、赤牛岳、槍穂高 (2010.08.31 冷池山荘 )
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天気・気温

08/31(火) 晴れ。最高20℃前後、最低10℃前後。
富山市の天気予報
明日
16℃
11℃
明後日
雨のち晴
16℃
10℃
日本気象協会提供 2024年5月7日 12:00発表
松本市の天気予報
明日
雨のち曇
15℃
8℃
明後日
曇のち晴
17℃
7℃
日本気象協会提供 2024年5月7日 12:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

“大晴天”が続いています。今日は午後断続的に夕立がありましたが、雨量は大した量ではありません。先週末の28日にも雷雨がありましたが、やはり雨量は大したものではありませんでした。
8/17から続く今回の晴天も、15日目、ほんとうに良く続きます。そろそろ水不足も心配になってくるくらいです。
例年なら紅葉のゆくえに気もそぞろになる頃ですが、なかなか9月入りが実感できないありさまです。このお天気はまだまだ続きそうで、どんな紅葉、どんな秋の訪れになるのか、期待と心配がいろいろと交錯します。標高の高い山小屋からは、いつ初氷の便りが届いてもおかしくない頃ですが・・・。
ただし、平日はすっかりお客さまも少なくなり、いよいよ秋山シーズンへと移行。3つの山荘とも男衆は合い間を見ては登山道の草刈や道直しにいそしむころです。新越山荘では少しずつ小屋閉めへ向けての作業も始まります。営業終了日9/25まで、約1ヶ月となりました

お花は、 シナノキンバイ シナノキンバイソウ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ 、アオノ ツガザクラ ツガザクラ チングルマ チングルマ といった夏のお花は姿を消し、雪消えの遅かったような場所でごくまれに見るぐらいになりました。
夏のお花では、 ハクサンフウロ ハクサンフウロ がまだまだとても元気です。ハクサンボウフウや ヤマハハコ ヤマハハコ 、タカネニガナ、名残の ウサギギク ウサギギク 、エゾシオガマなどとお花畑をつくっています。
オヤマリンドウ、 ミヤマリンドウ ミヤマリンドウ 、カンチコウゾリナ、ミヤマコウゾリナ、ミヤマ アキノキリンソウ アキノキリンソウ 、ミヤマコゴメグサ、 ヤマハハコ ヤマハハコ 、ミヤマ トリカブト ヤマトリカブト 、ミヤマママコナ、クロトウヒレン、ヤマ ホタルブクロ ホタルブクロ キオン キオン 、ミヤマ シシウド シシウド 、タテヤマアザミといった秋系の花が まだまだ元気です。
種池山荘周辺では チングルマ チングルマ の綿毛が見頃をむかえ、 コバイケイソウ コバイケイソウ の葉は黄化し始めています。
初秋の代表花でもある、 トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ は盛りを過ぎ花も少し枯れ始めました。一方でコケモモ、アカモノ、 ナナカマド ナナカマド などの実が赤味を帯びてきています。 初秋の紅葉のトップを飾る足元のウラシマツツジの葉もも少しずつ赤味を帯びてきています。

登山道の状況

鹿島槍ヶ岳、爺ヶ岳周辺は主稜線の登山道上の雪も消えて安心して通行できます。五竜岳方面も支障なく縦走できます。ただし、五竜方面はアップダウンも多く健脚者、経験者向けです。

柏原新道上部の“ガラバ”の残雪は消えましたが、落石や滑落には注意してください。サッと通過しましょう。

赤岩尾根の登山口の西俣出合での砂防ダムの補強工事が本格化していました。工事による登山への支障はありませんが、一部分ルートが変わっています。沢を渡って赤岩尾根取付地点へ行く際は、工事用の仮橋を通行するようお願いいたします。なお大型ダンプ等の工事車輌も通行しますので、現場では工事関係者や工事看板の指示どおりに注意して通行してください。
赤岩尾根の最上部の“馬の背”付近と主稜線に出るトラバースは転落・滑落、また落石にもご注意下さい。赤岩尾根はやや急登ですので、下り時は一歩一歩ゆっくりと下りて下さい。

種池山荘~新越山荘~針ノ木岳方面も登山道に支障はありません。

針の木大雪渓は中間帯に残雪がまだ500mぐらいに渡ってあります。心配な方は軽アイゼン、ストックなどをお持ちください。 針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。下り時は転ばぬよう、またクレバスにもご注意ください。詳細は針ノ木小屋や大沢小屋でお尋ね下さい。

これからは台風シーズンにもなりますが、雨が降るとすぐに、登山道は大丈夫かという質問がありますが、大雨が降ってもすぐに登山道の全線の状況を把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

登山装備

例年のこの季節に比べると温度高めで、20℃を超える暑い日が続いています。日差しも強いので、暑さ対策や日焼け対策しっかりとお願いします。また朝は最低気温は10度以下の肌寒い日は、Tシャツ一枚では寒いです。薄手のジャンパーまたは雨合羽で代用して防寒対策してください。

いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、どのくらいの時間がかかるのかもわかってない“連れられ登山”の方が見受けられます。インターネットなどだけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネットなどに発表される個人の山行記録はあくまで個人の記録です。山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。そして自分はそれらの参考タイムの1.5倍の時間でだいたい歩くとか、3割増の1.3倍で歩くとか、ご自分なりの係数というものを持っておいてください。

注意点

赤岩尾根の登山口に行くためのマイカーが入れる最終地点、大谷原周辺では、砂防ダムの補強工事のため大型ダンプが通行します。通行に支障がでるようなマイカー駐車はしないよう、お願いいたします。
大谷原の駐車スペースが満車の場合は、鹿島槍スキー場へ向かう三叉路の東にある大広場に車を停めて入山するようお願いいたします。工事は11月初めまでかかりそうです。敬老の日連休や体育の日連休の際にはご協力お願いいたします。

さてお盆以降、北アルプスや長野県内の山岳では遭難や事故が連日のように発生しております。誠に残念なご報告ですが、当山荘周辺でも先週末は2件の遭難が起き、1名のお客様が不帰の人となりました。
下山時には疲れもたまってきます。足元の悪い場所ではより慎重に下山してくださるようお願いいたします。
また日もすっかり短くなっていますが、行動の遅いグループも目立ちますので、早めの山荘到着、早めの登山口への下山もあわせてお願いいたします。

大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1 時間に30mmの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130mmに達した場合が該当します。※こういった事前規制は北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、『長野』のお天気より『新潟』のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに『金沢』も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

お知らせ

9/4(土)は3つの山荘ともご予約は少な目です。多くても定員の半分ぐらいの入り込みと思われます。ごゆっくりしていただけそうです。次の週末の9/11(土)も今のところご予約は少なめです。
敬老の日の3連休の9/18~9/19(日)は混み合います。とくに18日の種池山荘と19日の冷池山荘はかなり混みあうものと思われます。ご予約をお願いいたします。

※お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、ご予約をお願いします。定員を超えるとお断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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