鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

まだまだ周辺は残雪が多く、アイゼン・ピッケルが必須。新越山荘は7/1オープンに向けて作業中です

種池山荘前庭の雪も消え、柏原新道への下り坂“枕木坂”も現れてきました (2011.06.28 冷池山荘 )
種池山荘前庭の雪も消え、柏原新道への下り坂“枕木坂”も現れてきました (2011.06.28 冷池山荘 )
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天気・気温

06/24(金) 6/22の天気は晴れのち雨
富山市の天気予報
明日
雨のち晴
17℃
9℃
明後日
26℃
8℃
日本気象協会提供 2024年5月8日 6:00発表
松本市の天気予報
明日
雨のち晴
17℃
6℃
明後日
27℃
4℃
日本気象協会提供 2024年5月8日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

雪解けは日に日にスピードを上げてきています。小屋周りや柏原新道も人が歩くのでさらに雪解けが進んでいます。新緑も主稜線の直下まで近づいてきています。

冬の間、吹きっさらしの強風で雪が飛ばされてしまう主稜線西側の登山道は、ほぼ夏道が現れてきています。ただし、主稜線の東側(風下側)を通っている箇所では登山道はまだ雪の下ですので注意が必要です。「山の常識」として覚えておいて下さい。

主稜線で雪解けした場所では、最初に咲く花ウラシマツツジやコメバ ツガザクラ ツガザクラ が早速、花をつけていました。

新越山荘では、庭先に広がる残雪の蓮華岳や針ノ木岳の山並みが美しい季節ですが、小屋はまだまだ2.5m以上の残雪に埋まっていて、半地下の玄関の掘り起こし作業中です。7/1(金)の山荘オープンへ向かってがんばっています。

登山道の状況

まだ、どの登山道にはたくさんの雪が残っていて、アイゼン・ピッケルは必須です。

柏原新道は、とくにアザミ沢~ガラ場~富士見坂周辺は急斜面が続いていて、滑落の危険性があります。下山時にはとくに注意して、慎重に通過してください。
カットしてステップを作ってあるところでも、日差しや雨によって時間が経つと、ステップは斜めになってしまいます。しっかりとした歩行技術が必要です。
登山口周辺では雪による倒木や先日の台風によるものと思われる倒木もまだ片付いていません。他にもところどころで倒木があり、歩きにくい箇所がありますので気をつけて通過してください。

赤岩尾根の最上部の残雪帯のトラバースは、雪切り作業を行いましたが、雪解けに伴い上部斜面の山肌が引きずられて、落石がおきやすい状態です。しばらくは滑落・落石の注意が必要です。

種池山荘~新越山荘は、まだかなりの残雪がありますが、いちばん危険な箇所は雪切りを行っています。岩小屋沢岳の北方稜線の雪庇上を歩くところも、谷側へさえ出なければ大丈夫のようです。

針ノ木岳方面はまだまだすごい残雪量です。アイゼンやピッケル等は7月中旬までは必携です。

先日は五竜岳からキレット、鹿島槍を越えて来られたお客様が来ましたが、五竜岳から鹿島槍ヶ岳間はほぼ登山道は現れているとの情報です。ただし7月初めまではまだまだ不安定な要素が多いですので、慣れた方でないとお奨めはいたしません。

ここ数日も北アルプス北部では滑落事故や、道迷いによる遭難が連日のように発生しています。夏山登山道は隠れていて、しっかりとしたルートの判断が要求されます。まだまだ夏山にはなりきれてない季節ですので、残雪にはくれぐれもご注意ください。

登山装備

防寒とアイゼン・ピッケルは6月中は必携です。きちんとした装備でお願いします。雪解けもどんどん進んでいきそうです。しっかりとした防水対策もお願いします。

注意点

滑落事故が発生したり、重傷者が発見されたりなど、北アルプスでは残雪に伴う事故がたくさん起こっています。
経験、力量に応じたコースをしっかりとした装備、計画でお願いします。

お知らせ

種池山荘と冷池山荘は、今夏の営業を6/17(金)より再開いたしました。新越山荘は、7/1(金)の山荘オープンへ向かってがんばっています。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

営業は冷池山荘と種池山荘7/1~、新越山荘7/15~。柏原新道通行不能(上部に残雪、未整備)2023.06.08

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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