鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

紅葉の色合いが良くなってきて、見頃を迎えつつあります。今週末は冬型の気圧配置で雪が舞いそうです

種池山荘北斜面の“小屋裏もみじ”の色付きは“2分付き”ぐらいでしょうか (2011.09.29 冷池山荘 )
種池山荘北斜面の“小屋裏もみじ”の色付きは“2分付き”ぐらいでしょうか (2011.09.29 冷池山荘 )
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天気・気温

09/29(木) 快晴
富山市の天気予報
明日
雨のち晴
17℃
9℃
明後日
26℃
8℃
日本気象協会提供 2024年5月8日 6:00発表
松本市の天気予報
明日
雨のち晴
17℃
6℃
明後日
27℃
4℃
日本気象協会提供 2024年5月8日 6:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

北アルプスでは9/22~23にかけて、ところどころで初雪が舞いました。最大でも2cm程度ですぐに消えていますが、今後はもういつ雪が降ってもおかしくありませんし、冬型が強まればまとまった積雪になっても不思議でありません。
一方、なかなか前進できなかった今年の紅葉前線ですが、ようやくここ数日の冷え込みで色合いが良くなってきました。明日予想される雨で、さらに色づきを増し、色合いを深めてくれるものと思います。
9/7の強烈な初霜や初雪後の霜で、霜枯れしてしまった葉が目立つ箇所もありますが、種池山荘周辺や柏原新道の上部の ナナカマド ナナカマド やダケカンバは頑張ってくれています。このあと一段、二段の更なる紅葉の深まりに期待も同時に深まります。
来週、そして体育の日の3連休と大いに視覚・脳裏を刺激してくれそうです。
なお紅葉は人気の種池山荘周辺は来週に入ってからがピークでしょう。体育の日の連休の頃は主稜線から少し下がった柏原新道の上部が見頃でしょうか。柏原新道の中間帯から種池山荘の建つ主稜線帯までのどこかで、素敵な紅葉にめぐり逢えるはずです。

気になる今週末の天気は、本州を前線が通過していったあと、気圧配置も冬型へと変わり寒気が流入しそうです。先般の台風15号のあとの初雪が舞ったときと同じように、今回も降雪の可能性がります。ただし、冬型の気圧配置もそれほど長く続かなければ、日曜日あたりには、かなり回復してくれるのでは・・・、そしたら紅葉と新雪の三段紅葉! などと淡い期待をいだいています。その後、来週前半は移動性高気圧にまたおおわれそうです。
なお、今週末から来週にかけても、冷池山荘も種池山荘もたいへんすいています。

登山道の状況

9/29現在どの登山コースも台風15号の支障報告はなく、大町から扇沢駅までの大町アルペンラインも支障なく通行できます。
・柏原新道は例年遅くまで残る「ガラバ」の雪渓は消えています。付近では落石や滑落にも注意してサッと通過してください。
・赤岩尾根では最上部のトラバース部分で上部からの落石に注意です。 全般に急登ですので、登山口まで気を抜かず、一歩一歩確実に、転等に注意して登下山してください。
・鹿島槍ヶ岳および爺ヶ岳の登山道、種池山荘~新越山荘間、針ノ木小屋~針ノ木岳は、すべて問題箇所はありません。
・針の木大雪渓は中間帯に何箇所か雪渓が残っています。中間帯の “ノド”付近の雪渓もなくなり、赤沢岳側を高巻きする“秋道”を通ります。詳細は針ノ木小屋ホームページをご確認ください。
・鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間はお客さま情報では特に支障はないようです。 ただし鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

登山装備

初雪も舞い、氷が張る日も増えてきています。冬型の気圧配置になりそうな際には、アイゼンなどの冬山装備も必要になってくる時季です。また岩場が凍結すると数メートル程度でも通行が困難になることもありますので注意が必要です。
朝夕を中心に寒くなってきました。フリース、ジャンパー等の上着をお持ちになってください。寒いときは手袋も必要な、防寒を考慮しなければならない季節です。

注意点

■重要
大町から扇沢までの通称アルペンライン・柏原新道入口周辺には車輌は駐車しないでください。扇沢駅には市営駐車場があり、海の日3連休でも空きスペースもありました。「はみだし駐車」で大型バスが通行できず大迷惑となっています。できるだけ公共交通を利用してもらうと共に、常識ある駐車をお願いします。

日がすっかり短くなりました。夏以上に早出早着に心がけましょう。

9月下旬になると、北アルプスの早いところでは、営業終了、小屋閉鎖になっていきますので、山行前にしっかりと確認する必要があります。

岩場でもストックを使っている人がいますが、たいへん危険です。また平気で草付きやお花畑にストックを突く人が多々いるようです。ストックの突きそこないでの事故を含め、突くときはしっかりと場所を考えて突けるようになりましょう。

お知らせ

NHKの天気予報を見る際、北アルプス北部の天気は「長野」のお天気より「新潟」の天気のほうが類似しています。さらに「金沢」も参考にすればよいでしょう。この3箇所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

新越山荘の今季営業は9/25(日) で終了いたしました。冷池山荘が10/15(土)の宿泊まで、種池山荘が10/22(土)の宿泊までです。
今週末の9/30(金)、10/1(土)、10/2(日)のいずれの日も、冷池山荘、種池山荘の両山荘ともにご予約はたいへん少ないです。お天気の動向も見ながらぜひご計画ください。お待ち申し上げます。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

営業は冷池山荘と種池山荘7/1~、新越山荘7/15~。柏原新道通行不能(上部に残雪、未整備)2023.06.08

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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