鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

夏を彩るお花が咲きだしています。全体的に花の開花が遅くお盆すぎまでお花畑が楽しめそうです。

冷池山荘山荘前 アザミやヤマハハコも盛りを過ぎようしています。 (2012.09.01 冷池山荘 )
冷池山荘山荘前 アザミやヤマハハコも盛りを過ぎようしています。 (2012.09.01 冷池山荘 )
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天気・気温

08/02(木) 曇のち晴れ
富山市の天気予報
明日
26℃
11℃
明後日
晴時々曇
27℃
15℃
日本気象協会提供 2024年5月3日 4:00発表
松本市の天気予報
明日
28℃
8℃
明後日
晴のち曇
29℃
11℃
日本気象協会提供 2024年5月3日 4:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

お天気はすっかり夏型天気になり、好天が続いています。夕立は7/29に少しありましたが、それほど大したものではありませんでした。ここ3日間はたいへん安定した感じです。
朝の温度はすずしい日で、10度ぐらいです。、また日中の温度は、いい天気の日には、24度近くまで上がって、岳の上とはいえ、暑いくらいです。暑さ対策は必須です。

主稜線では チングルマ チングルマ コマクサ コマクサ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンポウゲ シナノキンバイ シナノキンバイソウ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ ミヤマダイコンソウ ミヤマダイコンソウ ハクサンイチゲ ハクサンイチゲ 、イワオウギ、イワギキョウ、タカネ スミレ スミレ 、チシマギキョウ等の夏を彩るお花たちが咲きだしています。
ただ全体的には、例年よりも10日以上遅いペースでお花前線はすすんでいる感じです。8月の上旬を迎えましたが、まだ絶頂期は迎えていません。お盆過ぎまで夏の花畑を楽しめそうです。
夏のお花は基本的には、遅れ気味ですが、場所によっては、 クルマユリ クルマユリ ハクサンフウロ ハクサンフウロ などの盛夏のお花も咲きだしているところもあります。また一方では秋のお花も順調に育っています。すでに、 トウヤクリンドウ トウヤクリンドウ などの咲きだしている箇所もあります。来週からお盆過ぎまでは、初夏のお花、盛夏のお花、そして秋のお花が混在、同時に楽しめる高山植物ワールドが満喫できそうです。
チングルマ チングルマ 畑で人気の種池平の残雪も消え、地面もすっかり乾いてきており、早く雪の消えた周囲からどんどんと咲きだしていますが、中心帯の見頃は もう少し先になりそうです。ようやく登山道の上側は咲きそろってきましたが、登山道のすぐ下側はようやく道沿いが咲きだしたところです。また同じく大人気の種池山荘 直下の コバイケイソウ コバイケイソウ ですが、こちらは数株だけお花をつけただけです。当たり外れのとても大きな コバイケイソウ コバイケイソウ ですが、今夏はどうも「裏年」のようで、もうあまりお花を付けてくれないかもしれません。

登山道の状況

鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障はありません。登山道上に残雪もありません。

柏原新道は 種池山荘直下と例年遅くまで残るガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので気をつけて通行すれば問題ありません。ガラバ付近では落石に注意してサッと通過してください。 また下山時は、特に滑落に注意して、慎重に通過してください。 また下部のケルン付近も両側がガケになっていますので、注意して下さい。

赤岩尾根には、まったく残雪もなく、支障なく歩けます。赤岩尾根は急登ですが、整備はされています。

鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間はお客さま情報では特に支障はないようです。また鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。

針ノ木大雪渓は、最上部の急登部分で、夏道が出現しました。安心して下山できます。なお中間帯は1キロ近くに渡って雪渓歩きになります。早朝などは凍結気味ですし、中間部の「ノド」の辺りは、やや傾斜がきついですので、下山時に心配な方は軽アイゼンを用いて下さい。針ノ木小屋でレンタルもできます。

赤沢岳の頂上直下、南側下り(スバリ側)は崩れやすい岩と、土がミックスした少々悪い場所が、80mぐらいありますので、慎重に下山してください。また間違った踏み跡もあるので、気をつけてください。

梅雨時の雨や地震等による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石への乗り上げや、落石等へ十分に注意をはらってください。 また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

登山装備

3000m級の夏山登山装備が必要です。

注意点

・いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。

・夏本番を迎えています、岳の上とて、暑さ対策、熱中症対策は不可欠です。サングラス、帽子、ドリンク、塩分等の摂取をお忘れなく!また毎年、半袖や短パンでの、長時間歩行のため、手足がほぼヤケド状態の水ぶくれになってしまっている人が必ずいます。気をつけてください。

・夏は雷と夕立に注意。14時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう

・好天が続いていますが、来週は台風の影響がでるかもしれません。NHKテレビの天気予報を見る際、北アルプス北部のお天気の目安としては、「長野」のお天気ではなく「新潟」のお天気のほうが類似していますので、そちらを参考にしてください。 さらに「金沢」も参考にすればよいでしょう。この3ヶ所が晴れマークなら、北アルプス北部も大体晴れるでしょう。

・登山道は、読んで字の如く、山へ登るための道であり、山を下りるための道です。高いところから石が転がるのが、自然の摂理のように、山にも登山道にもどうしても危険性がつきまといます。誰が見てもわかる危険な場所は当然のことながら、なだらかな場所でも決して気を抜くことなく登下降していただきたいものです。また雨や雪や風などによっても、大きな影響を受けるのも、至極当然のことです。100%安全な登山道はありません。あわてずに一歩ずつ慎重に・・・

周辺では、転滑落による負傷事故が相次いでいます。下山時は慎重に一歩ずつゆっくりとお願いします。またパーティ内での、連携連絡ミスによる“遭難騒ぎ”も数件発生しています。ゆとりある行動、事前のしっかりとした打ち合わせ、計画をしっかりと共有してください。また体調不良による病気発生も目立っていますので、無理の無い行動、早めの察知、下山等もお願いします。

お知らせ

・今週末8/4(土)は、冷池山荘と種池山荘のご予約が増えていますが、現在のところ定員には達しておりません。ただお天気も良さそうですので、最終的には定員近い入り込みになるものと思われます。なお前後の8/3と8/5もまあまあの入り込みになりそうです。
新越山荘はご予約少なめです。8/4(土)で、定員の半分オーバーぐらいと思われます。
詳細は以下URLもご参照ください。
http://www.kasimayari.jp/yoyaku%20tumeta%20zyoukyou.htm

・長野県内恒例の学校登山は、8/29にあとひとつ大きな学校が予定されています。

・大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
・大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。7/20~7/21にかけても、通行止めにはなっていません。
※こういった事前規制は 猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

・週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障がでて、たいへん迷惑です。大渋滞の原因や、過去には交通事故の原因にもなっています。また駐車するときもできるだけ詰めて1台でも多くの車が停められるようにしてください。登山口の先には年間100万人以上の来場者がある黒部ダムがあります。通常の行き止まりの登山口行きの林道ではありません。

・本年より黒部ダム入口の 扇 沢 駅 駐車場 (柏原新道登山口ではありません)の舗装した箇所はすべてが、諸般の事情で有料化されました。無料はいちばん下部にある、 未舗装の大町市営駐車場のみになりました。ご理解、ご協力お願いいたします。 なお有料駐車場の最下段部の第3駐車場は36時間利用で1000円ということですので、一泊2日の登山者には利用しやすい料金かと思いますので、柏原柏原新道登山口周辺の駐車スペースが一杯のときには、ぜひともご利用下さいませ。

・大谷原に駐車される方は、防災工事の大型車が通行しますので、大型車両の通行に絶対に支障にならないようお願いします。

・現在、扇沢橋の先の車道では、電線の地中化工事が実施されています。扇沢駅方面から柏原新道登山口までの、歩いての往来の際は、道が狭くなっていますので注意してください。またその場所は林間駐車場の入口にもあたりますので、車が出るときは、現場係員の指示にしたがってください。係員がいないときには必ず工事信号が青色になったことを確認して出てください。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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