鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

今朝の気温は5℃。主稜線の草紅葉が日に日に進み、ウラシマツツジの葉も赤みを帯びてきました。

今日も朝方はさわやかな秋空で始まりました。(2013.09.26 冷池山荘 )
今日も朝方はさわやかな秋空で始まりました。(2013.09.26 冷池山荘 )
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天気・気温

09/10(火) 朝の気温5℃。
富山市の天気予報
明日
26℃
11℃
明後日
晴時々曇
27℃
15℃
日本気象協会提供 2024年5月3日 10:00発表
松本市の天気予報
明日
28℃
8℃
明後日
晴のち曇
29℃
11℃
日本気象協会提供 2024年5月3日 10:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

●天気について
・8月下旬から、そして9月に入ってからも、天気はいまひとつ安定感がありませんでしたが、ようやく昨日9日そして本日10日と好天が続いています。2日続きの好天は8/29以来です。
・秋雨前線が日本近辺にありますので、位置や動きに注意してください。
・朝の温度は、昨日も今朝も5℃以下に下がりました。また日中の最高気温は18℃ぐらいで、たいへん涼しいです。もう日中20℃を超える日は、ほぼないと思われます。
・北アルプスは、いつ初霜初氷等があっても、全然おかしくない季節に入りました。鹿島槍ヶ岳周辺では、昨年2012年の初霜は9/26、初氷が9/27、初雪が10/6でした。一昨年はさらに早く初霜、初氷、初氷点下が9/7、初雪と初積雪が9/23です。ただし9月中は雪が降っても10cm近いような積雪はそう滅多にありません。

●花と紅葉
・主稜線では、秋のお花も盛りを過ぎようとしています。種池山荘前の コバイケイソウ コバイケイソウ の枯れ穂の林立が面白いです。
・鹿島槍や爺ヶ岳稜線のウラシマツツジは、かなり赤味を帯びてきています。 ナナカマド ナナカマド の実も赤く色付いてきています。主稜線の木々の色も夏の緑から変わり黄色味がかってきています。草紅葉も日に日に進んでいます。
・主稜線の紅葉は、次週の週末、秋分の日連休ごろから、色付きだすのではないかとみています。最近の傾向からは、爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳の主稜線では、9月末から10月初頭が見頃と思われます。今後の冷え込み次第でしょう。
・柏原新道の中間帯、「包優の紅葉」の見頃は、10月第2週辺りからでしょうか。

登山道の状況

・鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂に関しては、登山道に支障報告はありません。
・柏原新道のガラバ付近では落石に注意してサッと通過してください。集中豪雨時には、土砂崩れに注意です。また下山時は、特に滑落に注意して、慎重に通過してください。下部のケルン付近も両側がガケになっていますので、注意が必要です。
・赤岩尾根も支障なく歩けます。赤岩尾根は急登ですが、整備はされています。
・鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間はお客さま情報では特に支障はないようです。鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
・針ノ木大雪渓は、まだ中間帯の「ノド」付近に残雪があります。針ノ木小屋のルート指示に従って通行してください。
・赤沢岳の頂上直下、南側下り(スバリ側)は崩れやすい岩と、土がミックスした少々悪い場所が、80mぐらいありますので、気をつけて下りてください。また間違った踏み跡もあるので、 ペンキ印を見落とさないようにして下さい。
・雨や地震等による登山道被害報告などはありませんが、浮石への乗り上げや、落石等には十分に注意をはらってください。また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願いします。
・大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません
・大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。※こういった事前規制は猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。
・登山道に100%安全な登山道はありません。あわてずに一歩ずつ慎重に。

登山装備

3000m級の秋山登山装備が必要です。

注意点

●車の駐車について
・週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。黒部ダムへの大型バス往来があり、通行に多大なる支障がでて、たいへん迷惑です。
・昨年より黒部ダム入口の「扇沢駅駐車場」(柏原新道登山口ではありません)の舗装済み箇所は、すべて有料化されました。無料はいちばん下部にある、未舗装の「大町市営駐車場」のみです。
有料駐車場の最下段部の第3駐車場は36時間利用で1000円。一泊二日の登山者には利用しやすい料金かと思います。柏原柏原新道登山口周辺の駐車スペースが一杯のときには、ぜひともご利用下さい。
・大谷原に駐車される方は、防災工事の大型車が通行しますので、大型車両の通行に絶対に支障にならないようお願いします。
・朝夕を中心に、すっかり涼しくなってきました。もう冷え込めば、いつ初霜や、初氷がはっても不思議でない時季になってきましたので、防寒対策等に気をつけてください。
・冷池山荘とキレット小屋の間で、一回1000円にてヘルメット貸し出しています。事故防止の点からも安心安全です。
・当山域では、今夏大きな事故がなくて幸いでした。ただいわゆる「高山病」に由来する、肺水腫や肺炎等で重症になる事例が相次ぎました。各自の自己管理をしっかりとお願いしたいと思います。また遭難とは、とてもいえないような、安易な「遭難騒ぎ」も相次ぎましたので、こちらもしっかりとした計画、体調管理、ゆとりある行動での登山をお願いいたします。
・いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。自分がどこを通ってどこへ下山するのか、一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない「連れられ登山」の方も見受けられます。インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
またインターネットやブログなどの個人山行記録あくまで個人の記録です。山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考に、余裕を持って、楽しみながらの山行にしていただきたいものです。
・ここ数年、種池山荘から午後4時ごろに小さな子供を連れて下山するグループがいます。疲れ切った子供、途中からぐずり、下れば下るほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。これは子供連れパーティに限ったことでありません。一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶なコースの日帰りの人が多いことです。
・過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。
・まだまだ夕立や雷には要注意です。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。そのためにも早朝出発に心がけましょう。

お知らせ

●混雑状況(9/10現在)
・今週末の敬老の日3連休は、冷池山荘が9/15に混みあいそうで、定員を超えるかもしれません。9/14はまだ余裕があります。
種池山荘は9/14が混みあい定員を超えそうです。9/15はまだ余裕があります。
・2泊での鹿島槍ヶ岳ピストンをお考えの方には、9/14(土)が冷池山荘、9/15(日)が種池山荘泊まりでの山行をおすすめいたします。どちらにしましても、お客様の動向もお天気次第、秋雨前線の動き次第のようです。
・敬老の日3連休の新越山荘は、9/14だけが定員の半分超の入込が予想されますが、9/15は大変すいていますので、ぜひお出かけ下さい。
・次週末の秋分の日連休は9/21(土)の種池山荘のご予約が増えてきていますが、まだ充分ゆとりがあります。ただ紅葉も始まりだしますので、天気予報と相談しながら、予約も増えてくるものと思われます。

●今季の最終営業日
新越山荘(宿泊可能日)は、9/24(火)となっております。
冷池山荘と種池山荘は、10/20(日)となっております。
いずれも最終営業日近くは、必ずご予約くださいませ。
・冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。
・ぜひ予約をお願いいたします。少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、また私どもにとっても部屋割りなどでたいへん助かります。
予約はキャンセルされても、キャンセル料等は一切かかりません。雨の日や体調の悪いときには、絶対無理はなさらないで下さい。

●種池山荘にて
9/13まで、ピザ祭りの開幕中。簡易型ピザオーブンを使いアツアツ焼きたてのピザを毎日最大で15枚程度の販売します。時間は10:00~12:30の予定。売り切れの際はご容赦ください

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

ユーザーの登山記録から

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