大朝日岳 | 朝日鉱泉ナチュラリストの家

中ツル尾根7合目を過ぎると春先の花が見頃。軽アイゼンとストック必携。朝日鉱泉への車道が全面開通。

残雪の残る大朝日岳山頂。絶景です!(小朝日岳山頂より)(2015.05.29 朝日鉱泉ナチュラリストの家 )
残雪の残る大朝日岳山頂。絶景です!(小朝日岳山頂より)(2015.05.29 朝日鉱泉ナチュラリストの家 )
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日本気象協会提供 2024年5月3日 0:00発表
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※ご利用上の注意

山と周辺の状況

5/29は、晴れて気温25℃夏のような異常な暑さです。
中ツル尾根上ではヤマザクラ(満開)、 イワカガミ イワカガミ ミツバオウレン ミツバオウレン ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ ウスユキソウ ウスユキソウ の幼花、 シラネアオイ シラネアオイ が咲き、残雪の山と共に目を楽しませてくれます。

5月29日、このところの安定している天気を見計らって、朝日鉱泉からの登山道の状況を確認するべく、大朝日岳を目指しました。1年で最もと言って良いほど日も長く、朝4時にはヘッドライトなしで歩けるほどです。4時40分鉱泉を出発して、行きはとりあえず直登の最短ルートである中ツル尾根で大朝日岳山頂を目指しました。急登の始まる出合い(二俣)までの4kmでは、毎年壊れる沢附近(上のゴガ沢、ハトアサの沢)の登山道は少し歩きにくいです。近日中に整備するつもりです。吊り橋が1ヶ所ワイヤーが壊れていますが、近日中に朝日山岳会の皆さんが修繕してくれるということでした。また、通称マス止めの滝と言われる朝日川本流のすぐ横を歩くところは巨大な雪渓が残っていますが、歩くのに支障はありません。

2合目(出合い)からは3週間前にはすぐに雪渓を登って行かなければならないようでしたが、今では全く雪はありません。
4合目の長命水は水場はまだ完全に雪に埋もれていますので利用できません。出合い手前の階段の橋での給水が最後です。まだしばらくかかりそうな雪の量でした。
4合目を過ぎると倒木が目立ちますが、なんとか越えて行けます。5合目付近では、ほんの少し雪渓上歩きますが、アイゼンが必要なほどではありません。キックステップで十分です。距離もせいぜい20m程度です。これもしばらくすれば溶けてしまうでしょう。

7合目を過ぎると一気に春先の花がたくさん咲いていて、春真っただ中といった感じです。ヤマザクラをはじめ、 イワカガミ イワカガミ ミツバオウレン ミツバオウレン ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ 、そして ウスユキソウ ウスユキソウ の幼花も見られました。周りの峰々もまだまだたくさんの雪をまとい、絶景が広がり目を楽しませてくれました。そういえば、グレートトラバースで田中陽希さんが登山道上でたくさん目にしたというツキノワグマの糞も全くなく、今年はクマの道にはなっていないようでした。

4時間ほどで山頂へ到着しましたが、人気は全くなく、大朝日岳と360°の大パノラマの絶景を独り占めさせていただきました。頂上付近は風が強く、少しだけ下ったところで眺めの休憩をとり、頂上から大朝日岳山頂避難小屋へ下りました。まだ5月ということもあり、挨拶をしても静まり返った小屋は無人でした。もちろん利用可能ですのでご安心を。

ここからは小朝日岳、鳥原山と北向き斜面に登山道があるところが多いので残雪があります。銀玉水付近の雪渓は当然たっぷりで、距離およそ400m程度急こう配を下ります。滑って崖に落ちるような場所ではほぼありませんが、やはり軽アイゼンがあった方がよいでしょう。
銀玉水はまだ雪の中で利用不可能です。その後は小朝日岳頂上まで雪を踏む場所はなく、熊越え付近では シラネアオイ シラネアオイ が咲き始めていました。

小朝日岳山頂ではまたも大パノラマを堪能して、鳥原山方向へ。
一見しただけで、かなりの距離を雪渓上歩かなければならないのがわかります。雪の消え方は少し早いような感じですが、この斜面では滑ってしまえば、谷へ落ちてしまう危険があります。軽アイゼン(6~8本くらい)、ピッケルではなくストック(理想はダブル)で大丈夫だと思いますが必須です。アイゼンを装着していれば快適に残雪歩きを楽しめると思います。途中登山道が出ているところもありますが、総距離1~1.5kmほどは雪渓を歩くとみて良いでしょう。

雪渓が終わると鳥原山展望台までのアプローチはゆるやかで、振り替えれば朝日連峰の絶景が望めます。
山頂を過ぎて鳥原山の避難小屋や池塘方面を眺めると、鏡のような池塘と満開の タムシバ タムシバ (ニオイコブシ)が新緑の中で咲き乱れ、楽園のような景色が広がっていました。
ただ、山頂より鳥原避難小屋までの間は、すべて雪に覆われていて、登山道はほぼわかりません。小沢のあるところは登山道にもみえるように残雪が残っていますので、方向だけを見失わず、まずは避難小屋を目指すのが無難だと思いました。
避難小屋までつけば、その付近の登山道(木道)は出ています。避難小屋前の水場はかろうじて出ていますので利用可能です。
避難小屋から朝日鉱泉までの間は、雪を踏むところは全くありませんが、気温が異様に上がっているため、金山沢の水量はかなり多く、かろうじて濡れずに渡れる状態でした。そんなこんなで午後3時ちょうどに朝日鉱泉に帰着しました。

状況としては中ツル尾根ピストンであればアイゼンピッケルは不要で夏山装備で登山可能です。鳥原山、小朝日岳経由での登山には軽アイゼン(6~8程度で十分)、ストック(できればダブル)が必須です。水場もまだまだ雪に覆われているところが多く、限られた水場でたくさんの量の水を補給できるように容器を多めに持参するべきと思います。私は1リットルボトル2つで水場間がちょうど良いくらいでした。山の上はまだまだ春真っただ中という感じで、夏山はまだもう少し先のようでした。

登山道の状況

●5/29の中ツル尾根の様子
中ツル尾根登山道上ではほぼ雪渓を踏みません。アイゼン・ピッケル不要です。中ツル尾根ピストンであれば夏山装備で大丈夫です。鳥原山および小朝日岳付近の登山道上にはかなりの雪渓を歩きます。軽アイゼン(6~8本程度)、ストック(できればダブル)は必須です。朝日連峰一帯の融雪は少し早いようです。朝日連峰上の各避難小屋は無人ですが利用は可能です(以東小屋は破損のため利用不可)。登山には十分な準備、万全の態勢で臨んでください。

●車道開通
今年5月末に2年ぶりに朝日鉱泉への車道が全面開通しました!
残雪の残った大朝日岳の眺めは最高です!ぜひお越しください!!
朝日町から県道289号線経由、および西川町大井沢(国道112号もしくは山形自動車道月山IC)からブナ峠(大規模林)経由どちらも大丈夫です。

登山装備

中ツル尾根登山には、軽アイゼン(6~8本程度)、ストック(できればダブル)は必須です。

注意点

朝日連峰上の各避難小屋は無人ですが利用は可能です(以東小屋は破損のため利用不可)。
登山には十分な準備、万全の態勢で臨んでください。

●2015年の夏季登山バスのスケジュール決定
運行期間:2015/7/18(土)~8/16(日)
・問合せ 朝日鉱泉朝日岳登山クラブ 電話090-7664-5880(朝日鉱泉内)
http://www.asahikosen.com/%E7%99%BB%E5%B1%B1%E3%83%90%E3%82%B9-%E9%81%8B%E8%BB%A2%E4%BB%A3%E8%A1%8C-%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC/
※上記ページには、登山バスの情報のほか、大鳥口の情報、タクシー、代行運転などの情報もあります。

●秋季連休限定登山バス決定!!
運行期間:2015.9.19(土)~9.24(木)
全便、完全予約制ですので、利用日の2日前までにお申込み下さい。
し込み…朝日鉱泉朝日岳登山クラブ  090-7664-5880(朝日鉱泉内)
http://www.asahikosen.com/%E7%99%BB%E5%B1%B1%E3%83%90%E3%82%B9-%E9%81%8B%E8%BB%A2%E4%BB%A3%E8%A1%8C-%E3%82%BF%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%BC/%E7%A7%8B%E5%AD%A3%E9%99%90%E5%AE%9A%E7%99%BB%E5%B1%B1%E3%83%90%E3%82%B9%E9%81%8B%E8%A1%8C%E8%A1%A8/

●朝日連峰は火山ではありません
朝日連峰は花崗岩質の隆起山地であり、その誕生は5000万~6500万年前とされている古い地質です。火山の噴火によってできた山地ではありませんので、朝日連峰のすべてのピークにおいて噴火するということは絶対にありえません。朝日鉱泉をはじめとして朝日連峰に「温泉(噴出温度が高温)」がなく「鉱泉(噴出温度が低温)」のみが存在するのはそのためです。
また、火山ではありませんので、気象庁等のいわゆる「火山情報」等には朝日連峰および朝日連峰内のすべての山の名称すら出ておりませんのでご了承下さい。

お知らせ

その他のお知らせ
●朝日鉱泉ナチュラリストの家ホームページ
http://www.asahikosen.com/
・宿泊予約なしでも宿泊は可能ですが、可能な限り、特に食事を希望される場合にはできるだけご予約をお願いします。
電話での予約
090-7664-5880(現地衛星電話:5月上~10月下…不在時あり)
0237-67-3589(連絡先自宅:通年…不在時あり)
FAXでの予約 0237-67-3589

・日帰り入浴
ハイシーズン(7月中旬~8月、9~10月の連休) 毎日 12:00~20:00
その他の期間 土日 12:00~20:00
入浴料 500円 宿泊予約の無い日には不定休で休業する場合があります。
日でも事前にご連絡、または来訪時40分程度お待ちいただければ入浴することができます。

・朝日鉱泉では日釣りの入漁証(1000円)販売しております。

昨年の今頃の様子は?

2023年は4/29~営業開始(宿泊要予約、予約受付中)。雪は少なく7~10日ほど早い季節感です2023.04.19

2023年は4/29~営業開始(宿泊要予約、予約受付中)。林道は4/末に一部開通予定。山はまだ雪山2023.04.26

ブナの新緑が美しいです。登山道整備中。今年は倒木が多め。ルート上には残雪、雪渓あり十分な装備2023.05.16

登山道整備中。今年は倒木が多め。融雪すすんでいますがルート上には残雪、雪渓あり十分な装備で2023.05.30

朝日鉱泉ナチュラリストの家周辺の過去の様子

  • 快晴の日には一斉に布団干し。中央奥の大朝日岳だけはまだまだ真っ白。近くの山肌は萌黄色に染まりました
  • 朝日鉱泉周辺のブナの木には花がたくさん!ブナの実が豊作になれば、クマも安心?
  • 知っている人はわずか、貴重なミズバショウの群生地。背後のブナの森が芽吹くと素晴らしい眺めに。
  • 小屋営業最終日。朝日鉱泉周辺や標高800m付近は紅葉が見頃でした
  • 標高800mあたりまで冠雪。山頂付近はかなりの積雪がありそうです。
  • 中秋の名月は過ぎましたが…、お月様とのツーショット
  • 雲の感じからは少し秋の気配が漂いますが、気温が…異常な高温が続いています。
  • 「森の巨人100選」の上倉の大クロベの前でおにぎり。老木保護のため少し離れて鑑賞下さい
  • 快晴の空のもと。いつもより残雪は少ないです
  • 鳥原山展望台からの眺め。大朝日岳(左)は雲のなか。残雪は非常に少ないです
  • 鳥原山大朝日嶽神社にて「朝日連峰夏山開き安全祈願祭」が執り行われました
  • 太陽が沈むと久しぶりにきれいな夕焼けになりました

朝日鉱泉ナチュラリストの家

現地連絡先:
090-7664-5880
電話番号:
0237-67-3589
連絡先住所:
山形県西村山郡朝日町宮宿1905-1

地図で見る
http://www2.ocn.ne.jp/~ooasahi/top.htm

施設の詳細を見る

関連する山

山形県 / 朝日山地

朝日岳 標高 1,871m

 山形盆地から西方を遠望すると、純白の衣をまとい、なだらかなスカイラインを描く月山とは対照的に、浸食の進んだ山々の朝日岳の山塊が続いている。朝日岳はそびえ立つ孤高の火山と異なり、大朝日岳、西朝日岳、寒江山、以東岳を主稜とする連峰であり、その主峰が大朝日岳である。仰ぎ見る山容は主峰にふさわしい端正な三角錐を呈しており、かつては剣頭山とも呼ばれていた。  位置的には、朝日町と小国町の境をなしている。山頂は南北に細長く、付近一帯には日本列島の土台をなした縞模様の花崗片麻岩が露出している。これらの地質的な特徴に加えて、日本海を渡って吹きつける強い季節風にまともに立ちはだかるために、わが国有数の多雪地帯となっている。これらの雪は、山麓の民にとって古来より貴重な農業用水である。  かつて、鳥原山一帯に点在する池塘を「天狗ノ田代」と称して、田植えの時期に稲の苗を植え、豊作を祈願したという。山中にあっては雪田、雪渓として朝日の山々を飾り、また、咲き誇るお花畑をはぐくみ、銀玉水などの水場を提供している。  一方、谷に目を移すと、雪によって磨き抜かれた谷壁と、雪解け水によって浸食された深い渓谷が山々を引き立て、アルペン的景観を示している。なかでも大朝日岳は、東に垂直に大地を刻み込んだ黒倉沢、西には袖朝日尾根の白い花崗岩の岩壁と、植物の進入を許さない毛無沢を支流にもつ荒川の間にそびえ立つ。なお、この付近はしばしば天気の境目となるため、仏の後光(ブロッケン現象)の現れる所でも知られる。  大朝日岳の直下の大朝日小屋から金玉水にかけての北側は、主稜線からやや東側に位置しているため、膨大な吹き溜まり的な積雪があり、その雪解け水による浸食によって形成された雪窪地形が見られ、緩やかな凹地になっている。頂から南側の平岩山への下りは、大きな階段状の地形が観察される。いずれも雪線よりも低い所の、氷河の周縁に見られるもので、この付近の厳しい自然条件を示している。  登山道は山頂から延びる4つの尾根すべてに開かれており、よく整備されている。最もポピュラーな大朝日岳登頂コースは、朝日川畔の朝日鉱泉から鳥原山、小朝日岳を経て山頂に至るコースで所要6時間。同鉱泉から朝日川二俣、中ツル尾根コースで所要5時間。同じく同鉱泉から御影森山、平岩山経由で所要6時間。  一方、古寺川畔の古寺鉱泉からは、花抜峰、小朝日岳経由で所要5時間強。荒川畔の徳網からは針生平、平岩山経由で所要約7時間。以東岳からの主稜縦走は約6時間30分を要する。

山形県 / 朝日山地

祝瓶山 標高 1,417m

 大朝日岳から南に延びる尾根の先端に位置する花崗岩の尖峰で、長井市と小国町の境をなしている。遠望すると天に向かってすっと立っており、標高の割にどこから見ても確認できる。古くは岩井上岳ともいわれた。  カクナラ沢、ヌルミ沢、コカクナラ沢をもつ東面は、障子ヶ岳南面、エズラ峰東面と同様、雪崩で磨き抜かれた岩場をなしている。山頂には、宗教色の薄い朝日連峰の中で珍しく小さな石祠と鉄鳥居がある。伝承によると天武天皇のころに修験道が隆盛を極めたというが、詳細はいっさい謎である。  山頂は意外に広く、雪崩に磨き抜かれた白い花崗岩の荒々しい袖朝日尾根の山々をはじめとする朝日連峰と、飯豊連峰の好展望台である。  登山道は、ユキツバキの群生する桑住平から登るヌルミ沢とコカクナラ沢間のやせ尾根の急登コース、赤鼻尾根経由で平岩山から延びてくる尾根コース、小国口の針生平から登る鈴振り尾根コースがあり、いずれもよく整備されている。しかし、登山口までの交通の便に恵まれず、マイカーに頼るほかない。  桑住平から山頂まで2時間30分、針生平から3時間30分。

山形県 新潟県 / 朝日山地

以東岳 標高 1,772m

 朝日連峰の北端に位置し、山形県朝日村(現在は鶴岡市)と新潟県朝日村(現在は村上市)の境をなしている。  大朝日岳の端整な三角錐に対し、累々と花崗岩の岩塊が肩を寄せ合う重量感あふれる山容である。山頂から主峰大朝日岳への山並みは、ほぼ高さのそろった山々が連なっている。これは隆起した山塊が、浸食により隆起準平原化したものと考えられている。北方は、切り立った戸立山、なだらかな茶畑山へと続き、そのかなたに双子のような月山、鳥海山を望むことができる。  山頂の北西800m下方には、熊のなめし皮の形をした大鳥池が、ブナの原生林に囲まれて横たわっている。成因は、堰止説が有力。山形県最大の湖沼で、標高966mにある高山湖だ。イワナやヒメマスのほか、幻の怪魚・タキタロウが釣りブームを反映して話題になっている。  山頂へは、泡滝ダムから大鳥池経由となる。大鳥池までのコースはブナ林の山腹を平均した勾配の登りが続いている。登りが始まる前の七ツ滝沢と源太沢間の尾根に注目すると、階段状になっており、所々に礫を見ることができる。かつて双方の沢が合流していた所で(エッグ床)、朝日連峰の隆起の様子を知ることができる。大鳥池まで3時間、さらに以東岳まで3時間。

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