鹿島槍・爺ヶ岳 | 冷池山荘

柏原新道と赤岩尾根からの鹿島槍、爺ヶ岳登山はアイゼン不要。主稜線高山植物開花。アルペンライン(扇沢への道)夜間通行止め解除。

8月入りを祝う剱岳の久々の夕焼けです。(2017.08.01 冷池山荘 )
8月入りを祝う剱岳の久々の夕焼けです。(2017.08.01 冷池山荘 )
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天気・気温

富山市の天気予報
明日
雨時々曇
16℃
11℃
明後日
雨のち晴
16℃
9℃
日本気象協会提供 2024年5月6日 18:00発表
松本市の天気予報
明日
曇時々晴
17℃
8℃
明後日
曇のち晴
16℃
6℃
日本気象協会提供 2024年5月6日 18:00発表
※ご利用上の注意

山と周辺の状況

●天気
・朝の温度は5℃程度の日もあり、日中の温度は晴れて20℃くらいです。
・天気予報は「長野」ではなく「新潟」のほうが類似しています

・鹿島槍ヶ岳周辺は、6/21の北陸地方梅雨入り宣言以降、しばらくは雨も少ない傾向でしたが、6/30から7/5にかけては連日大雨に見舞われました。
さいわい周辺では登山道や登山口までの車道への被害等はありませんでした。

・7/6から7/10にかけては、鹿島槍ヶ岳周辺もなかなかの好天に恵まれました。
7/11以降は雷雨的な雨の時間帯がある天候になっています。
7/13も未明にまとまった雨がありましたが、朝には上がり 日中は青空も広がるまあまあのお天気になりました。ただ午後遅くには空も暗くなり、夕方には再び軽い夕立に見舞われました。

・基本的には梅雨前線は東日本に停滞中。
このあと3連休をはさみ、今しばらく雷雨等を含め注意が必要
気象情報をしっかりとご覧下さい。

●高山植物
・主稜線
ハクサンイチゲ ハクサンイチゲ チングルマ チングルマ コマクサ コマクサ ミヤマキンポウゲ ミヤマキンポウゲ シナノキンバイ シナノキンバイソウ ミヤマキンバイ ミヤマキンバイ ミヤマダイコンソウ ミヤマダイコンソウ 、タカネ スミレ スミレ ミツバオウレン ミツバオウレン シラネアオイ シラネアオイ キヌガサソウ キヌガサソウ サンカヨウ サンカヨウ 等の夏をいろどるお花たちが少しずつ咲き出しています。

・夏に大きなお花畑になるような場所
まだ残雪がありますが、周りの雪の早く消えた場所から、徐々に 夏の花が咲きだしています。一番の見頃は7月末ごろから8月中旬でしょう。お花畑の見頃には、まだまったく慌てる必要はありません。今年は雪消えが遅かったのでお花畑の咲き出しは平年より一週間以上は遅れるものと思われます。

・柏原新道
足元の林床にはツマトリソウ、 ミツバオウレン ミツバオウレン ゴゼンタチバナ ゴゼンタチバナ 、ヒメイチゲ、 ショウジョウバカマ ショウジョウバカマ 、コ イワカガミ イワカガミ 等が咲いています。

●アルペンライン扇沢線の夜間通行止め解除
6月26日(月)から7月20日(木)の予定で深夜に作業が実施されていた柏原新道の大町寄り1キロ地点でのスノーシェッド(洞門)の天井設置工事が7/13朝無事に完了することができたそうです。これにて当初の予定より早まって今晩から夜間通行もOK!になります。
海の日3連休を前にスノーシェッド工事の主要工程が順調に完了して、たいへんありがたいです。工事の皆さんに置かれましては、夜間の作業、大雨のなかでの作業たいへんありがとうございました。工事はこの後も付帯作業が引き続き実施され秋までには立派なスノーシェッドが完成し、雪崩からアルペンラインを守ります。

登山道の状況

●登山ルート等の状況
・鹿島槍ヶ岳と爺ヶ岳登頂
登山道に支障はありません。
種池山荘前や冷池テント場北方に残雪もありますが、アイゼン等は基本的にもうなくても大丈夫です。

・柏原新道
例年遅くまで残るアザミ沢とガラバに雪渓が残っていますが、小屋のスタッフがカットしていますので問題ありません。
ガラバ付近では落石にも注意してサッと通過してください。
7月上旬の雨で柏原新道の雪消えは平年並みになっています。

・赤岩尾根
最上部のトラバースに少し残雪がありますが、ここ数日中には夏道も現れそうです。

冷池テント場の先には延長300m近くに渡って雪庇の名残の残雪が残っています。
雪庇の残がい上を歩 いたり、雪が消えて現れた夏道に下りて歩いたりします。
雪庇から夏道へ下りるときや、逆に雪庇上へ上がるとき、凍っているところがあるので、ストック等を用いてバランスを崩さぬようにして通行してください。
小屋で雪庇への上り下りは随時カットしていますが、各自がしっかりと注意して通行してください。

・種池山荘~新越山荘間
所々に残雪が残っていますので、谷側に寄らずに山側を注意して歩いて下さい。
こちらも雪庇の残がい上への上り下りに注意は当然です。

・針の木大雪渓
雪はまだたっぷりあります。
7/12現在針ノ木小屋直下の夏道もあまり姿を見せていないようです。(もう少しすれば針ノ木雪渓最上部の夏道も、雪融けが進んで、現れてくることでしょう)
大沢小屋から夏道を15分ほど登ったあたりから針ノ木小屋まで約1.5キロ間ずっと雪の上を歩きますので、不安な方は 軽アイゼン、 ピッケル等お持ちになってください。
針ノ木小屋で軽アイゼンを借りて大沢小屋で返却することもできます。
下り時には、慣れない方は軽アイゼン等を使って下りたほうが安心です。
とくに針ノ木大雪渓の最上部が勾配が急ですので要注意です。

・針ノ木小屋から針ノ木岳頂上の間
雪渓が残っており、雪渓上をトラバース気味に斜上します。
針ノ木小屋スタッフがカットしてくれていますので、注意して通行すれば問題はないと思いますが、雪が消えるとカットした部分がダレて斜めになってしまいますので注意 が必要です。
心配な方には軽アイゼン、ピッケル等持参をおすすめいたします。
こちらも頂上から針ノ木小屋への下り時に転滑落に注意です。

※針ノ木岳方面への入山
いましばらくは軽アイゼン、ピッケル等をお持ちになるのをおすすめいたします。

・鹿島槍ヶ岳から五竜岳の間
お客さま情報では、主稜線については特に支障ないようです。
ただ遠見尾根は最上部の白岳からの直下の登山道上に残雪があるようですので、下り時にはとくに注意が必要です。
また八方尾根も上部に残雪多く、夏道登山道でなく残雪上の冬道コースを通る箇所があり、下り時を中心にアイゼンピッケル等を持参したほうがいいようです。
残雪のある場所では充分に気をつけて、状況に応じてアイゼン等の着用をなさってください。

・八峰キレット方面
鹿島槍南峰を越えると、爺ヶ岳から鹿島槍ヶ岳南峰までの間のような比較的なだらかかつ穏やかな稜線歩きとは違い、岩場が多くなり高度感も格段の違いです。
アップダウンも多いので健脚者、経験者向けです。
鹿島槍ヶ岳南峰から吊り尾根への下りとキレットの最核心部からキレット小屋の間の2箇所はガケの上を歩く最危険場所ですので、より慎重な通行をお願いいたします。

◎梅雨時
雨による登山道被害報告等ははありませんが、この時期はまだまだ浮石や落石等へ十分に注意をはらってください。
また大雨が降っても登山道の全線の状況をすぐに把握することは不可能です。
大雨の後で、道は大丈夫かとすぐに聞かれても、わかる術はありません。
登山道に被害等があったときには引き返して小屋や警察署等にご連絡くださるようお願い申し上げます。

◎車道
大町から扇沢駅までの大町アルペンラインや大谷原および西俣出合登山口までの道路もまったく問題ありません

◎大町から扇沢駅までの大町アルペンラインは大雨等の際には、事前に通行規制が行われ車両の通行ができなくなる場合があります。1時間に30ミリの豪雨が降った場合や、雨が止むことなく降り続き130ミリに達した場合が該当します。  ※こういった事前規制は 猿倉、中房、上高地等 北アルプス各所の登山口への車道でもあります。

登山装備

3000m級の夏山登山装備が基本です。
残雪がありルートによってはアイゼンやピッケルが必要です。

注意点

●マイカーの方へ
路上駐車や路肩駐車は絶対におやめ下さい

・扇沢方面駐車場案内表
http://www.kasimayari.jp/new_page_14.htm

▲アドバイスや注意
◎種池山荘テント場
まだ半分以上が雪に覆われています。
雪の上に設営する場合もありますので、ご注意ください。

◎路上駐車はしないで!
絶対に路上駐車や、はみ出し駐車をしないでください。
週末を中心に柏原新道登山口の扇沢出合付近は駐車車両で混みあいます。
黒部ダムへの大型バスの通行に多大なる支障、迷惑です。
大渋滞の原因や、過去には交通事故の原因にもなっています。
駐車は白線内に、譲り合い、決められた場所にルールに従って駐車して下さい。

◎各自で装備とルートは把握しましょう。
いかなる山行でもツアーであっても、各自で装備はしっかりと用意しましょう。
またコースや計画の概要は各自がしっかりと理解しておきましょう。
自分がどこを通ってどこへ下山するのか、 一体どのくらいの時間がかかるのかもわかってない「連れられ登山」の方が見受けられます。
インターネット等だけでなく、専門家が監修したガイドブックや山岳地図等でしっかりと情報収集をしてください。
◎インターネット等の個人情報を鵜呑みにしないで
個人の山行記録には、早歩きや、早走り、日帰りを自慢したり誇張したものが多々あります。 またそういったものに悪い意味で触発されて、強引なコース設定の方が目立つ昨今です。あくまで個人の記録ですので、山行時間や行程はガイドブックや山岳地図等の平均的な無理のないものを参考にしてください。
朝な夕なに山の変化を楽しむ、ゆっくり登山で足元の見落としそうな、小さな花に感動を覚える、そんな登山を楽しみましょう!
◎子どもには時間の配慮を。
近年、種池山荘から午後4時過ぎに小さな子供を連れて下山する日帰りグループが見受けられます。
子供は疲れきっていて、途中からは ぐずりだすでしょうし、どんどん暗くなります。
下へ行くほど大きな木立になるので真っ暗になり、大変危険です。
子供のことを考えた常識ある行動、登山日程をとってください。
※一般の成人の方でも、最近特に感じるのは無茶苦茶な日程、コースの日帰りの人が多いことです。
◎体調管理に注意
過去、小屋で体調を崩した方の話からも、寝不足や水分不足は登山の最大の敵といっても過言でありません。最大限気をつけ、時間に余裕を持った計画による山行をお願いします。 またゆとりあるゆっくり登山で足腰の疲労回復をすることが、下山時の転倒防止につながります。

◎小屋着14時が安全策
夏は雷と夕立に注意。2時ごろまでに小屋へ到着するのが最大の安全策でしょう。
そのためにも早朝出発に心がけましょう。

お知らせ

冷池山荘ホームページ http://www.kasimayari.jp/
新越山荘、種池山荘も同じURLです。

小屋開けの頃や小屋閉め間際は必ず 当ホームページにて確認、もしくは電話にて必ずご予約ご確認ください。
※営業期間は各山荘毎年若干変わりますのでご確認ください。

●2017年営業予定
新越山荘 7/1~9/23
種池山荘 売店営業は6/17~。宿泊営業は6/21~。
冷池山荘 GWの営業 4/29(土)~5/7(日)、通常営業 6/17(土)~10/14(日)
通常のご予約については電話0261-22-1263(かしわばら宅)へお願いします。
・個室の御予約は、承っておりません。

●混雑状況(7/ 13現在)
◎今週末の海の日3連休
7/15(土)の冷池山荘が140人ほどの予約。やや込み合うかと思います。
他の日については冷池山荘・種池山荘・新越山荘のいずれも定員の半分以下のご予約状況です。まだ梅雨明け宣言にいたっておりませんし、通常の海の日パターンより一週間早いイメージでの今年の海の日連休ですので、どの小屋も 大きな混雑はなさそうです。

◎夏山シーズン前半
最大ピークは7月最終週末の7/29(土)になるものと思われます。
他にも7/22(土)と8/5(土)の週末が込み合うものと思われます。
どちらにしましても梅雨明け宣言や週間天気予報によって変動しそうです。
なお平日になれば大変すいておりますので、入り込みの分散化等に、ご協力いただければ幸いです。

◎学校登山が来る日
長野県内恒例の中学校登山の予定日では種池山荘の7/26(水)が混みあいます
この日のご宿泊は冷池山荘や新越山荘をご利用いただければ幸いです。
7月中の学校登山が雨天の際には8月後半へ順延になります。なにとぞよろしくお願い申し上げます。
2017年「種池山荘」の学校登山日程表
7/18(火) 30人
7/19(水) 100人
7/20(木) 110人
7/25(火) 100人
7/26(水) 150人 ←学生混雑日
7/27(木) 40人
※冷池山荘では中学校登山の実施はありません。
 
●個室予約は承りません。
申しわけありませんが冷池山荘、種池山荘、新越山荘ともに個室の予約は承っておりません。
宿泊状況によってはお受けできる時もありますので当日に現地にて受付時にご確認ください。

●ご予約をお願いいたします。
お客様に少しでもゆっくりと休んでいただくためにも、また私どもにとっても部屋割り等でたいへん助かります。
定員を超えると お断りすることもありますが 、なにとぞご理解いただき、ご協力をお願い申上げる次第であります。
ただ定員と申しましても基本は相部屋で、下界の宿泊施設の定員とはと違ってかなりきつめでありますのでご承知置きください。
少しでもゆっくりと寝られて翌日の山行に備えられますよう、入り込みができるだけ平準化しますようご協力とご予約の程よろしくお願いいたします。 

●キャンセル
また予約はキャンセルされても、キャンセル料等は一切頂戴いたしません。
雨の日や体調の悪いときには、 当日キャンセルでも構わないので、絶対無理はなさらないで下さい。

昨年の今頃の様子は?

2023年GW営業はありません(冷池山荘、種池山荘、新越山荘)。夏山営業7/1~(5/15から予約受付)2023.04.27

冷池山荘と種池山荘は営業7/1~、新越山荘は7/15~。7月泊の予約受付は5/15~(テント6/1~)2023.05.10

冷池山荘周辺の過去の様子

  • 爺ヶ岳も鹿島槍ヶ岳も主稜線の雪庇の張り出しも気持ち小さい感じがします。
  • 鹿島槍ヶ岳。手前の里山の雪ももうじき無くなってしまいそうです
  • 鹿島槍ヶ岳の頂上稜線では30cm近い積雪でしょうか。吹き溜まりは場所によっては1mあっても不思議でありません。
  • 鹿島槍ヶ岳も全容を現してくれました。頂上付近に雪が残っているのが見えます
  • 日当たりの少ない針ノ木岳や蓮華岳の北側斜面には雪が残っているのがわかります
  • 昨日そして今日の雨で小屋前の雪もほぼ消え去りました。種池山荘前
  • 前日の雪も上がって好天下、爺ヶ岳を皆さん目指します。爺ヶ岳南峰まででしたら主稜線も危険なところはほぼありません。
  • 15時 冷池横の黄葉の木々が白く染まりました
  • 種池山荘前も白の世界へ
  • 前線通過の雨に洗われて、いちだんと紅葉は輝きを増しました。
  • いい感じでにぎわった、種池山荘前庭。
  • 今年も「初氷娘」の登場する季節到来! 初氷で鹿島槍ヶ岳に乾杯(種池山荘)

冷池山荘

電話番号:
0261-22-1263
連絡先住所:
長野県大町市平5328

地図で見る
http://www.kasimayari.jp/

施設の詳細を見る

関連する山

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

鹿島槍ヶ岳 標高 2,889m

 この山は、後立山連峰の中央部に位置し、名実ともに後立山の盟主という存在である。  端麗と表現される南北2つの峰と、それを結ぶ吊尾根がつくるこの山の姿は、どこから眺めても美しい。この山に魅せられた岳人たちは、同時にこの山が内懐に秘める荒々しさのとりこにもなったのである。それは山麓からではうかがい知れない、北壁や荒沢奥壁などのバリエーション・ルートである。これらのルートの開拓は大正末期から昭和の初期に、学校山岳部を中心に華々しく行われ、それは日本におけるアルピニズムの歴史に、貴重な一頁を記しているのである。  鹿島槍ヶ岳への登路は、縦走路のほかには、東面・信州側から短くて急峻な赤岩尾根1本のみである(鹿島から所要9時間)。この尾根の途中の高千穂平は、鹿島槍ヶ岳のよき展望台ともなっているが、そこから眺める大冷(おおつべた)沢の源頭には、残雪期に獅子やツルの雪形が現れる。そこから昔は、山名をシシ岳とかツル岳、あるいは双耳峰からの連想で背比べ岳などとも呼ばれていた。現在の鹿島槍ヶ岳の山名は鹿島集落の背後にある槍ヶ岳といった意味である。山体は信州側は急崖、西面・越中側はなだらかな非対称山稜の典型である。  西面には、支稜の牛首尾根を挟んで東谷と棒小屋(ぼうごや)沢が、西面の水を集めて黒部川に注いでいる。この棒小屋沢と、剱岳東面を流下する剱沢とが、黒部峡谷に対して対向から合流する、有名な黒部の十字峡を形成している。  東面を落ちる白岳、大冷の各沢は、源頭部にバリエーション・ルートを提供している。その1つ、カクネ里はU字谷をなし、平家の落武者が隠れ住んだという(隠(かく)れ里(さと))伝説をもつ、ロマンを秘めた圏谷である。もちろんここに人が隠れ住むというのは不可能だが……。  南峰から主稜を南へ下ると、肩といった存在の布引岳(残雪が布を敷いたように見えるのでこの名がある)で、付近には船窪地形が散見される。その南の小平地には冷(つべた)池があり、冷池山荘が建っている。また吊尾根の雪田付近から北峰を巻いて北へ下ると、両側の谷からの浸食によって、主稜線に深いⅤ字形の切れ込みの入った八峰(はちみね)のキレットに出る。その北側にキレット小屋がある。  登山口の鹿島集落は昔から戸数11戸しかなく、集落の人々は平家の落武者の子孫といわれている。ここで民宿を営んでいる狩野氏宅には、近代登山以降の鹿島槍ヶ岳の登高記念帳が保存され、それがそのまま鹿島槍ヶ岳の登山史ともなっている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

爺ヶ岳 標高 2,670m

 後立山連峰の南部にあり、3つのピークからなる。北から一直線に南下してきた後立山の主稜線は、この爺ヶ岳で西方へ大きく湾曲し、越中側にすり鉢を半分に切ったような、ハイマツの見事な大斜面をつくっている。一方、東面には大きな白沢天狗尾根を張り出している。この天狗尾根や扇沢にはかつて登山道があったが、現在は廃道となり、種池山荘の柏原正泰氏が拓いた柏原新道がある。新道は扇沢出合から爺ヶ岳南稜をたどって種池に登るもの(扇沢出合から所要3時間30分)で、2つの廃道の欠点を取り除いた、後立山連峰の主稜線へ登るものとしては、最も容易なコースである。  爺ヶ岳の山名は、南峰と中央峰との間、白沢の上部に、残雪期に種子蒔き爺さんの雪形が現れることから付けられたもので、爺さんが蒔く種を漬ける種池だ、というおまけまでついている。種池は主稜上の池塘で、そばには種池山荘があり、幕営地にもなっている。この西方にも棒小屋沢乗越の池がある。種池から南峰にかけて、またその南斜面も広大なお花畑である。  積雪期の爺ヶ岳東面は、ヒマラヤひだが発達して壮観で、いくつかのバリエーション・ルートが拓かれている。

富山県 長野県 / 飛騨山脈北部

岩小屋沢岳 標高 2,630m

飛騨山脈北部、富山県と長野県の県境にそびえる山。西側には種池小屋、東側には新越乗越山荘がある。

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