甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

この時期、五合目まででもトレースは一日で消失。小屋~山頂往復はたっぷり一日かかります。最低気温-23.9℃(今季最低気温を更新)。

降雪しています。気温が高く湿った雪のため、外で作業をしているとウェアが濡れてしまうほどです。(2018.02.01 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
降雪しています。気温が高く湿った雪のため、外で作業をしているとウェアが濡れてしまうほどです。(2018.02.01 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

天気・気温

01/25(木) 晴 最低気温-23.9℃(今季最低気温を更新)

山と周辺の状況

いよいよ厳冬期。皆さまのお越しをお待ちしております!

●これまでの状況
1/25 最強寒波とのことですが、小屋では今シーズン最低気温を更新。-23.9℃を記録しました。

昨晩から西風が北西風に変わり、小屋前でもどんどん雪が吹き溜まりました。あっという間に雪で地形が復元されます。
こんな日は朝から雪かきです。
この作業を怠れば、どんどん雪がたまってどうしようもなくなります。この時期は毎日のようにコツコツとこの作業を続けています。
黒戸尾根上でこの時期唯一ラッセルから開放される区間の維持に努めています!

登山道の状況

黒戸尾根の状況 1/24
全体的に厳冬期らしい雰囲気となってきています。状況は刻々と変化しますので、あくまでも参考程度にご覧ください。
本日上がってきました管理人の花谷による状況です。

【登山口〜笹の平〜刃渡り〜刀利天狗】
先日の南岸低気圧による雪は登山口からあります。この先しばらくは低温の予報となっており、とけることはなさそうです。

南岸低気圧の前の気圧の谷では、刃渡りから下部がほぼ雨でした。それが完全なアイスバーンとなり、更にその上にサラサラの雪が積もっている状況です。

積雪量は刃渡りまでは多いところで10センチ程度。
スノーシューで強引に歩きましたが、結論的には登山口から刀利天狗まではアイゼンが無難かと思います。
チェーンスパイクでは心もとない状況ですし、スノーシューの歯では無駄な力を使いすぎます。ところどころ吹き溜まりでもぐるところはありますが、長くはないです。

刀利天狗直下の鎖場があるので、刃渡りから先もそのままアイゼンでお越しください。なお、はしごの一部が埋まり始めていました。この付近は過去に下山中に滑落事故が発生しています。

【刀利天狗〜五合目】
黒戸山のトラバースで一気に雪が増えます。
スノーシューで平均してスネぐらいです。最低でもわかんは必要です。
私(花谷)としては、スノーシューをおすすめします。
昨日5人パーティが下山をしておりますが、トレースは一切ありませんでした。
前日に登山者がいても一晩でリセットされるということですが、厳冬期では普通の状況です。
なお、マーキングはしっかりとしており、基本的に夏道通りのルートです。

【五合目〜七丈小屋】
ここからは鎖やハシゴが連続します。アイゼンとピッケルを必ず装着してください。
ところどころ埋まって使えないハシゴがありますが、補助ロープがありますのでしっかりと掴んできてください。
アイゼンでは場所によっては腰ぐらいまでもぐる場所もありますが、長くは続きません。ここは時間をかけて慎重に来てください。
小屋直下の核心部は、ハシゴ・鎖ともに使えますが、やはり絶対にミスのないよう確実に通過してください。

【小屋〜頂上】
南岸低気圧以降の登頂者はいません。

小屋から八合目にかけては猛烈なラッセルになるかと思います。また雪の状況によっては雪崩にも十分な注意が必要です。

九合目までの最大の危険箇所であるルンゼ状の部分もすでに鎖が埋まり、冬ルートとなっております。特に下降時は絶対にミスがないよう通過してください。

この時期は小屋から山頂往復にたっぷり一日かかります。
できれば2泊3日の余裕のある行程で計画してください。
充実の登山を!

小屋管理人の花谷も月末まで小屋におりますので、お待ちしております。

登山装備

厳冬期の登山装備が必要です。

お知らせ

●​甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
予約と問い合わせ 090-3226-2967 ※電波不良時や作業中などの場合は、電話に出られないことがあります。
・宿泊は予約制です。
山の状況が許す限り、いつでもご利用いただけるよう準備をして、皆さまのお越しをお待ちしております。

●冬季営業について
https://www.kaikoma.info/winter
・七丈小屋は通年営業しております。宿泊は予約制です
水道がストップしている冬期営業期間中(11月中旬〜6月上旬予定)のお食事につきましては、お夕食(冬メニュー)のみのご提供となります。
現在冬メニューとして、七丈オリジナルカレーをご提供させていただいております。
北杜市自慢の白州米(新米です!!)のおかわりもたっぷりご用意してお待ちしております!

朝食につきましては自炊をしていただくか、カップ麺やアルファ米なども販売しておりますのでぜひご利用ください。
また、この期間中ご宿泊のお客様には、利用料金の他、暖房費として別途800円を頂戴しております。
皆さまのご理解とご協力、どうぞよろしくお願いいたします。

・飲料水について
冬期営業期間中、ご宿泊のお客様、テント泊のお客様につきましては、お一人様2Lまで無料で提供させていただきます。それ以上は500mlにつき100円にてご提供可能です。(お湯は500mlにつき200円とさせていただきます)
また小屋を通過される登山者の方々にも有料にてご提供可能です。スタッフまでお声がけください。

・山梨県内のこだわりのお酒も多やホットドリンクも多数用意があります。

昨年の今頃の様子は?

明日は雨予報。雨後も万全の装備で。冬山営業5/28迄。5/29~夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.14

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。5/28迄冬山営業。以降は夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.21

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27

昨朝0℃。まだ残雪凍結あり万全の雪山装備(アイゼン、ピッケル)で。状況に応じ着脱など臨機応変に2023.05.10

今朝5℃。一部まだ雪があり心配な方はアイゼンの用意を。小屋付近でサクラ開花。山麓は新緑2023.05.19

まだ氷点下の日あり。残雪箇所あり滑り止めの用意を。イワカガミが咲き始め、クモイコザクラも開花。2023.05.25

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 山頂付近の様子
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • テント場の様子。雪が半分残っている状態。第1+第2テント場あわせて10張りほど地面の上に設営できそう(小型テントであれば)。
  • 小屋から上の残雪はまだまだ豊富
  • 八合目と九合目の間にあるルンゼは、一部氷化した雪の急斜面となっており、滑落の危険あり。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
  • 眼下には雲海。寒暖差によって登山道のコンディションはとても難しいくなる時期。万全の装備で
  • 小屋の前の雪も少しずつ溶けていますが、固く滑りやすくなっています。
  • 小屋付近の様子
  • 夜半から強風。今朝は晴れて厳しい冷え込みとなりました。不安定な天気です
  • 強い西風が吹いていますが晴天が続いてまいす
  • 山頂へ続く道 強い西風で雪質は締まってきました

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

関連する山

山梨県 / 赤石山脈北部

甲斐駒ヶ岳 標高 2,966m

 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

山梨県 長野県 / 赤石山脈北部

駒津峰 標高 2,752m

山梨県 長野県 / 赤石山脈北部

双児山 標高 2,649m

赤石山脈北部周辺の山です。

ユーザーの登山記録から

周辺の山岳最新情報