甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

登山口から雪と氷。緊張感のある黒戸尾根ですが2/22現在トレースあり。アイゼンの前爪を利かせて慎重に。予約制通年営業中。

降雪後の小屋前の様子(2018.03.01 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
降雪後の小屋前の様子(2018.03.01 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
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山と周辺の状況

2/22 竹宇駒ヶ岳神社の気温はマイナス6度。もうこのくらいは普通の気温に思える気温です。
昼前から太陽が隠れて寒々しいですが、風もなく穏やかでした。
予報では3月に入るまでは天気の大きな崩れはなさそうです。
何にせよ、緊張感のある黒戸尾根ですが今週は甲斐駒ヶ岳山頂、狙い目かもしれません。
登山道状況をよく把握してください。

2/18 昨中も風のうなりで何度か目が覚め、早朝には小屋前が吹きだまりができていたため、日が昇る前に雪かきのひと仕事。寒さは堪えますが、刻一刻と色を変える東の空を眺めていると、今日一日が始まることに、前向きな気持ちになれます。
雪自体はおそらく未明には止んだため、新たな積雪は10cmほどです。
風は午前中にかけて強く、本日登山された方はなかなか厳しいコンディションだったようです。
しかし、悪いことばかりではなく、風で雪が飛ばされたため、ワカンなどは不要でアイゼンで快適に登れたとのこと。
現在はすっきりとした青空が広がっていますが、風はやや強めです。

この時期は日々コンディションも変化しますので、出来る限りゆとりを持った計画でのお越しをおおすめ致します。
明日も高気圧の影響下にはありそうですが、早くも崩れが出てくるかもしれません。最新の天気予報をご確認の上、登山されますよう、お願いいたします。

2/17 朝うっすら日の出も望めましたが、その後は時折雪が舞い雲の中
今朝7時の気温はマイナス10度で、お昼現在もほぼ変わらずですが、風が出て来ているので体感はもう少し寒くも感じます。
14時過ぎから小屋周辺は吹雪になり、18時現在ですでに10cm以上の積雪。
午後から吹雪となり、夕方には第1小屋と第2小屋の間、40mを移動するのにも、身の危険を感じるほどでした。

本日山頂往復されて小屋に戻られたお客様の情報によると、足元の雪は比較的締まっていて、終始アイゼンで歩行可能だったとのことです。九合目から上部では一部ロープを使用した箇所もあったそうです。
日々状況は変わっていきますが、これからお出掛け予定の方はご参考下さい。

登山道の状況

●2/22 竹宇駒ヶ岳神社~七丈小屋まで
参道を歩き吊り橋を越えてからはすぐに雪と氷の登山道となります。
慣れていればアイゼン無しでも歩けるけれど、思い切って履いてしまえば楽かもしれません。スタートから転けて痛い思いはしたくないものです。
この場所は、約1週間前の下山時よりも雪は幾らか減ったようですが、減れば氷が出てそれはそれで厄介です。

刃渡りはよく踏まれて歩きやす状態ですが、スリップは絶対出来ない箇所なので気を付けたてください。
幾つか梯子を通過すると刀利天狗に到着します。
ここはしっかりしまった雪面にアイゼンがよく利きました。
降雪後や風が強く吹いた後には、もれなくラッセルとなる黒戸山の巻き道はよく踏まれ快適でした。いつもこうなら良いのですが・・・・

五合目からの長い梯子は、樹脂製の偽木のためアイゼンでは些か不安定です。
特に登り終えた辺りは硬い雪面なのでアイゼンの前爪を利かせて行きましょう。
下りは特に緊張します。

このあたりで健脚な日帰り登山者とすれ違った際に小屋上の状況を聞くと
「トレースはバッチリで快適だけれど、核心のルンゼは緊張した」とか。
次の降雪までは、よく踏まれた雪面を歩けそうです。

小屋近くの垂直の梯子には雪は付いていませんが、登りきった箇所の登り下りは特に慎重にお願いします。
先日、何ヶ所かフィックスロープも施しました。冬の鎖は手袋では滑るのでロープの方が安心かもしれません。

●厳冬期に黒戸尾根を目指す皆さまへ
八合目から九合目にかけて、数年に一度は必ず滑落死亡事故が起こる場所があります。
昨年も4月23日に死亡事故が発生しました。
ここでいま一度、この場所について皆さまと共有したいと思います。
以下にまとめましたのでご一読下さい。
https://www.kaikoma.info/single-post/2018/01/12/厳冬期に黒戸尾根を目指す皆さまへ

登山装備

厳冬期雪山登山装備が必要です。

注意点

この時期小屋からの山頂往復にかかる時間についてお問い合わせをいただくことがあります。
実際は天候や積雪条件、また登山される方の力量や経験によって本当に様々です。
厳冬期でも4時間ほどで下りてこられる方もいれば、6時間、またそれ以上かかって戻って来られて、ゆとりを持って連泊される方もいらっしゃいます。
もちろん天候条件等の影響で下山せざるを得ない場合もあるかと思います。
それでも真冬の黒戸尾根を楽しんでいただけるかどうかは、登山されるご本人の正しい判断と準備次第で大きく左右されると感じます。
無理のない計画で、この季節ならではの甲斐駒ヶ岳を存分に楽しんでいただきたいと思います!

小屋ブログ 
「情報発信の難しさ」情報発信と言うよりも、小屋番のつぶやきとなります。。。
https://www.kaikoma.info/single-post/2018/01/28/%E6%83%85%E5%A0%B1%E7%99%BA%E4%BF%A1%E3%81%AE%E9%9B%A3%E3%81%97%E3%81%95

お知らせ

●​甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
予約と問い合わせ 090-3226-2967 ※電波不良時や作業中などの場合は、電話に出られないことがあります。
・宿泊は予約制です。
山の状況が許す限り、いつでもご利用いただけるよう準備をして、皆さまのお越しをお待ちしております。

●冬季営業について
https://www.kaikoma.info/winter
・七丈小屋は通年営業しております。宿泊は予約制です
水道がストップしている冬期営業期間中(11月中旬〜6月上旬予定)のお食事につきましては、お夕食(冬メニュー)のみのご提供となります。
現在冬メニューとして、七丈オリジナルカレーをご提供させていただいております。
北杜市自慢の白州米(新米です!!)のおかわりもたっぷりご用意してお待ちしております!

朝食につきましては自炊をしていただくか、カップ麺やアルファ米なども販売しておりますのでぜひご利用ください。
また、この期間中ご宿泊のお客様には、利用料金の他、暖房費として別途800円を頂戴しております。
皆さまのご理解とご協力、どうぞよろしくお願いいたします。

・飲料水について
冬期営業期間中、ご宿泊のお客様、テント泊のお客様につきましては、お一人様2Lまで無料で提供させていただきます。それ以上は500mlにつき100円にてご提供可能です。(お湯は500mlにつき200円とさせていただきます)
また小屋を通過される登山者の方々にも有料にてご提供可能です。スタッフまでお声がけください。

・山梨県内のこだわりのお酒も多やホットドリンクも多数用意があります。

●小屋の入り口について
小屋直下最後のきつい斜面を登り切ると、三角屋根の七丈小屋に到着します
最初に出てくるこの三角屋根の建物が七丈第1小屋で、
まずは入口が出て来ますが、この入口から入っていただく前に、ご宿泊、テント泊の方はひとまず10m程先にあるこ受付口にてチャイムボタンでお知らせ下さい。スタッフがご案内させて頂きます。

またさらに50m程進んでいただくと、こちらの赤い建物、七丈第2小屋が見えてきます。
その日のご予約状況によって、第1第2どちらかのお部屋にご案内させていただきます
小屋に到着されましたらまず第1小屋受付口にてお声がけいただけますようお願い致します。

テントサイトはさらに200m程登山道を進んでいただいた先の場所になりますが、ご宿泊と同じく第1小屋受付口にて一旦お声掛け下さい。

限られた条件の立地に立つ小屋の為、ご不便をお掛けすることも多々ありますが、今後とも皆様のご理解とご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。

昨年の今頃の様子は?

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。5/28迄冬山営業。以降は夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.21

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27

昨朝0℃。まだ残雪凍結あり万全の雪山装備(アイゼン、ピッケル)で。状況に応じ着脱など臨機応変に2023.05.10

今朝5℃。一部まだ雪があり心配な方はアイゼンの用意を。小屋付近でサクラ開花。山麓は新緑2023.05.19

まだ氷点下の日あり。残雪箇所あり滑り止めの用意を。イワカガミが咲き始め、クモイコザクラも開花。2023.05.25

雨により地盤が緩んでいるので注意。小屋から上の残雪も少なくなりアイゼンなど不要2023.06.02

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 樹林帯の状況
  • 山頂付近の様子
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • テント場の様子。雪が半分残っている状態。第1+第2テント場あわせて10張りほど地面の上に設営できそう(小型テントであれば)。
  • 小屋から上の残雪はまだまだ豊富
  • 八合目と九合目の間にあるルンゼは、一部氷化した雪の急斜面となっており、滑落の危険あり。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
  • 眼下には雲海。寒暖差によって登山道のコンディションはとても難しいくなる時期。万全の装備で
  • 小屋の前の雪も少しずつ溶けていますが、固く滑りやすくなっています。
  • 小屋付近の様子
  • 夜半から強風。今朝は晴れて厳しい冷え込みとなりました。不安定な天気です
  • 強い西風が吹いていますが晴天が続いてまいす

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

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甲斐駒ヶ岳 標高 2,966m

 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

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