甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

小屋から上は、前爪アイゼン推奨。八合下の残雪は踏み抜きに注意。初心者は融雪を待って登山を

怪しい雲が走る霊峰甲斐駒ヶ岳山頂 今日は少し雨が降り、強い風もあり、なんだか怖い感じ。(2019.05.28 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
怪しい雲が走る霊峰甲斐駒ヶ岳山頂 今日は少し雨が降り、強い風もあり、なんだか怖い感じ。(2019.05.28 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
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天気・気温

05/28(火) 曇り

山と周辺の状況

朝の気温は9℃ 空には厚い雲が広がって、連日の強い日差しはお休みの様です。
山頂は風も強くて怪しい雲が走っていました。

・アイゼンのこと
この時期、どうしても気になるのは残雪の状況。
問い合わせでも
「アイゼンはまだ必要か?」「軽アイゼンで大丈夫か?」
と言う質問がほとんどです。

5/28今日現在の状況では、前爪のあるアイゼンがオススメです。多少重いけどやはり安心です。
軽アイゼン(土踏まずに僅に爪が出たもの)は役に立ちません。
チェーンスパイクは爪は小さいが靴底をほぼカバーしてくれているので歩きやすいですが、腐った残雪では御守り程度しか効力がありません。
使う使わないはその時の状況で、前爪のあるアイゼンの携行が安心です。

・初心者は雪解けを待って、経験者も周りを見て
それぞれの力量によって道具の選択となりますが、積雪期、残雪期を歩いた経験の少ない登山者は、もう少し雪融けを待ち登山された方が良いでしょう。

踏み抜いたり滑ったりで歩きづらい残雪を逃げて歩くと道を外れることが多い時期です。
日に日に融ける雪面のトレースは分かりづらく、足下ばかりではなく周りの状況をしっかり見て歩いて下さい。


■甲斐駒ヶ岳登山ガイドツアー
小屋では一人からでもご参加いただける安心のガイドツアーを用意しました。
詳しくはこちら
https://first-ascent.co.jp/tourlist/

登山道の状況

■黒戸尾根 小屋~山頂の状況

小屋までの雪は殆ど消えたようで、気になるのは小屋から上。
今朝、山頂まで道を見に行ってきた。

小屋からテント場までにも多少の残雪があります
残雪はテント場かららアイゼンを履くのは些か躊躇してしまう程度です。

第一テント場は融雪しました。
第二テント場はまだ少し残雪あり。

八合への登り 残雪が出始め、弛んだ雪がベッタリと残っています。
この辺りは雪が吹き溜まっているため頻繁に踏み抜きます。
定まりづらいステップはしっかり蹴り込んで下さい。アイゼンを履け安心できるでしょう。

八合直下で雪は一旦消えます。

八合上からはまた所々雪があります。

尾根を右に巻く箇所はまだ残雪がありイヤらしいトラバースとなっています。
気温も前ほど下がることがないため、ステップも崩れやすい状況です。慎重に通過して下さい。
右に巻くところはもれなく注意して下さい。
アイゼンなど滑り止めが必要です。出来れば爪がしっかりしている方が安心です。

冬季の核心部のルンゼは下部に僅の雪を残すのみとなり、岩が完全に出ました。
岩が続けばまた雪が、の繰り返しですが、残雪部分はかなり少なくなりました。

二本剣あたりは、まだ微妙に残雪があります。下りは特に侮らず注意して下さい。

山頂直下では残雪は少しとなりました。

・この時期の核心
八合から下の残雪部分です。特に下りは注意。
スリップ危険ですが、下りで踏み抜くと足が取られて大変危ないです。時には膝から股まで潜っりました。
 

登山装備

3000m級の山岳の残雪期の登山装備が基本。
アイゼン、ピッケルは必携。防寒防水対策、ヘッドライト必携

注意点

■登山口の最寄り店舗
道の駅はくしゅうの近くにコンビニエンスストア(ローソン)があります。早朝出発の場合は、ここを使うといいでしょう。

お知らせ

■甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
予約と問い合わせ 090-3226-2967
※電波不良時や作業中などの場合は、電話に出られないことがあります。
・宿泊は予約制です。
山の状況が許す限り、いつでもご利用いただけるよう準備をして、皆さまのお越しをお待ちしております。

■冬季営業についてのお知らせです。
詳しくはこちら
https://www.kaikoma.info/winter

・冬季は暖房費お一人様800円
皆様に快適に過ごしていただくよう、しっかりと暖房をしてお迎えしております。
期間は、5月中旬ごろまでを予定しています。

・冬季も二食提供中
水道が停止しているため、洗い物なども出来るだけ減らす工夫をさせていただいたメニューでのご提供です。
ご宿泊のお客様には可能な範囲でマイコップ、マイ箸などのご利用をお願いしております。
ご協力の程、どうぞよろしくお願い致します。

・冬季 水場は利用できません。
宿泊者、テント泊は一人2リットルまで無料
それ以上お水が必要な方、通過の方は有料販売
(小屋でも春まで節水しながら大切に使用していく飲料水になります。出来る限り必要な範囲内でのご利用ください)
受付の際スタッフまでお申し出ください。
テント泊の方は空のソフトボトルなど持参いただくと便利です。
※6月ごろまでは七丈小屋の水場はお使いいただけません

■小屋の入り口について
七丈小屋受付は、三角屋根の七丈第一小屋から約10m先です。
ご宿泊、テント泊の方は受付を済ませてください。
受付口にはチャイムボタンがあります。スタッフが受付のご案内をします。

小屋泊の方は、予約状況によって、第一小屋、第二小屋のどちらかのお部屋となります。
七丈第二小屋は第一小屋から約50m先にあります。

テント泊の方も第1小屋受付口にて一旦お声掛け下さい。
サイトはさらに約200m登山道の先です。

昨年の今頃の様子は?

明日は雨予報。雨後も万全の装備で。冬山営業5/28迄。5/29~夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.14

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。5/28迄冬山営業。以降は夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.21

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27

昨朝0℃。まだ残雪凍結あり万全の雪山装備(アイゼン、ピッケル)で。状況に応じ着脱など臨機応変に2023.05.10

今朝5℃。一部まだ雪があり心配な方はアイゼンの用意を。小屋付近でサクラ開花。山麓は新緑2023.05.19

まだ氷点下の日あり。残雪箇所あり滑り止めの用意を。イワカガミが咲き始め、クモイコザクラも開花。2023.05.25

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 山頂付近の様子
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • テント場の様子。雪が半分残っている状態。第1+第2テント場あわせて10張りほど地面の上に設営できそう(小型テントであれば)。
  • 小屋から上の残雪はまだまだ豊富
  • 八合目と九合目の間にあるルンゼは、一部氷化した雪の急斜面となっており、滑落の危険あり。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
  • 眼下には雲海。寒暖差によって登山道のコンディションはとても難しいくなる時期。万全の装備で
  • 小屋の前の雪も少しずつ溶けていますが、固く滑りやすくなっています。
  • 小屋付近の様子
  • 夜半から強風。今朝は晴れて厳しい冷え込みとなりました。不安定な天気です
  • 強い西風が吹いていますが晴天が続いてまいす
  • 山頂へ続く道 強い西風で雪質は締まってきました

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

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甲斐駒ヶ岳 標高 2,966m

 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

山梨県 長野県 / 赤石山脈北部

駒津峰 標高 2,752m

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双児山 標高 2,649m

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