甲斐駒ヶ岳 | 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

一昨日は吹雪。登山道の状況が刻々と変化する春先~GWは事故の多い時期。特に下りは要注意

北杜市からの朝の甲斐駒(2020.03.25 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
北杜市からの朝の甲斐駒(2020.03.25 甲斐駒ヶ岳 七丈小屋)
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山と周辺の状況

■3/17 晴、気温は-2.7℃(14:00)。
昨日は1日中強い風が吹き荒れ、気温も-14℃と、真冬が戻って来たような1日でしたが、今日は朝から晴れ渡り、風も収まって穏やかな七丈小屋です。
日が昇ると共に気温はグングン上昇し、屋根の雪はみるみる溶けて軒下には長ーい氷柱が出来ました。
山頂方面は、少し雪煙が上がっていましたが、昼前には風も和らいだようで、日に照らされた雪面がキラキラと輝いてきれいでした。

■二年前の今日、黒戸尾根で滑落事故がありました。
これからしばらく事故が多いシーズンです。
黒戸尾根での事故はほぼ下山時に起こっています。
特にこれから先は気温差が激しくなることから、下山時に雪が緩み、足元をとられやすいコンディションとなります。それによって起こる滑落は、黒戸尾根の場合は場所によっては致命的です。
ぜひ2年前の記事や3年前の記事をご一読いただき、いま一度、ご自身と山に向き合った行動判断をお願いいたします。
https://www.kaikoma.info/post/2018/03/18/untitled

https://www.kaikoma.info/post/2017/04/23/%E3%80%90%E6%8B%A1%E6%95%A3%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E3%80%91%E9%87%8D%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8C%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F

■新型コロナウイルスと今後の七丈小屋営業
新型コロナウイルスによる影響が拡大しておりますが、七丈小屋は通常通り営業しております。
また3月に開催予定の弊社黒戸尾根ツアー2本も、予定通り開催いたします。
このような情勢ですので、以下の点にご留意いただけますようお願いいたします。
山小屋は閉鎖空間であり、人と人との距離が近くなりやすいことから、不安を感じる方が多いと思います。スタッフができる限りの換気、消毒を行っておりますが、対応には限界があります。

このような小屋の状況が不安な方は、一連の影響が落ち着くまでは小屋のご利用はお控えいただき、テント泊や日帰りでの登山をお楽しみください。
また体調に不安や異変を感じる場合は、登山計画の延期をお願いいたします。

弊社ツアーに関しましても、同様の理由によるキャンセルにつきましてはキャンセル料はいただきませんので、どうかご無理のないようご判断ください。
※ツアーのお客様には改めてご案内を差し上げます。

小屋をご利用になる場合は、「マスク」「除菌アルコール」「除菌ウエットティッシュ」などをご持参ください。冬期の山小屋には十分な水がなく、うがい手洗いなどの基本的な予防が難しい場所です。ご了承下さい。

登山道の状況

■黒戸尾根
積雪があります。
天候により里に近い方はぬかるみもありますがまだまだ山の上は冬山の状態です。

3/17 単独日帰りの男性2名が、山頂まで行って来たので様子を伺ってみたのですが、小屋から八号目までは膝までのラッセル、八号目より上の雪の状態は悪くは無く、無事に登ってこられたそうです。
先週土曜日の降雪以来、このお二人が最初の登頂者となりました。

小屋直下のトラバースは想像していたよりも雪は吹き溜まっていませんでした。整備として少し道幅を広げる程度で済みましたが、少し雪が柔らかいので、谷寄りを歩くと不意に足元の雪が崩れる可能性があります。
なるべく山側を歩くようにして下さい。
融雪が進んで、鎖や木の枝が露出してきています。ザックやアイゼンを引っ掛けないようにお気をつけ下さい。

この春先からGWに掛けてが、1年の内でも事故の多い時期になります。小屋番としても緊張する時期です。
一日毎にコンディションは目まぐるしく変化します。
ルートの核心部に飛び込んでしまう前に、自分の技量や経験、登っても無事に下りられるかを、一度想像して進むようにして下さい。

■2020年夏 広河原へのアプローチについて
・北沢峠~広河原間のバス運行は休止
昨年の台風19号被害により林道は不通
詳細とマイカーについては以下を参照下さい
https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/mycar_bus_taxi_tozan.html

・仙流荘から北沢峠へのバス
※北沢峠には長野県伊那市のバスを利用して入ることができます。
南アルプス林道バス 2020年の詳細についてはまだ発表がありません(ヤマケイオンライン付加情報)

※甲斐駒ヶ岳には黒戸尾根からぜひお越しください!
小淵沢駅から尾白川渓谷間の二次交通を、往復で作る予定あり

■山梨県における登山計画書の提出が義務化
山梨県では冬の南アルプスを登山する場合は、登山計画書の提出が義務化されました。
登山前に登山計画書の提出と、家族や友人への共有をお願いいたします。

登山装備

3000m級山岳の雪山登山装備が基本
前爪のある12本歯以上のアイゼン、ピッケル等の本格的な冬山装備が必要

注意点

■冬の甲斐駒ヶ岳黒戸尾根ツアー
冬の黒戸尾根ツアーの募集 全日程花谷がメインガイド。
https://first-ascent.co.jp/tours/kuroto-winter/?fbclid=IwAR2J5kgCQFOdC3dLT22e6zmhVJVWXr1ka4yLsMLiSygijFY8AITnAKYuaLc

■前夜泊プラン
冬に七丈小屋をご宿泊のお客様限定の、3月29日ご宿泊分までの特別プランとなります。
https://www.kaikoma.info/agrieable

■北杜市のふるさと納税返礼品に登場
北杜市のふるさと納税返礼品として、「弊社ツアーもしくは甲斐駒ヶ岳七丈小屋でのお支払いにご利用いただけるクーポン券」あります。
https://furu-po.com/goods_detail.php?id=477682

お知らせ

■甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
予約と問い合わせ 090-3226-2967
※電波不良時や作業中などの場合は、電話に出られないことがあります。
・宿泊は予約制です。

■冬の営業
通常営業しています。
冬の甲斐駒ヶ岳黒戸尾根は、誰もが登れる世界ではありません。
しかし、しっかり経験を積み上げた方には、ぜひ挑戦していただきたいと思っております。
厳しい登山であるからこそ、七丈小屋では少しでもほっこりと過ごしていただけますようご用意しております。

■冬季はお水が一部有料。
お水が必要な方はスタッフにお声掛け下さい。
小屋、テント泊の方は、2Lまで無料。
宿泊以外の方、又は宿泊のお客様でも2L以上は0.5L毎に100円で販売。
お湯は0.5L毎に200円で販売致します。
貴重なお水なので、ご理解とご協力を宜しくお願い致します。

昨年の今頃の様子は?

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。5/28迄冬山営業。以降は夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.21

小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27

昨朝0℃。まだ残雪凍結あり万全の雪山装備(アイゼン、ピッケル)で。状況に応じ着脱など臨機応変に2023.05.10

今朝5℃。一部まだ雪があり心配な方はアイゼンの用意を。小屋付近でサクラ開花。山麓は新緑2023.05.19

まだ氷点下の日あり。残雪箇所あり滑り止めの用意を。イワカガミが咲き始め、クモイコザクラも開花。2023.05.25

雨により地盤が緩んでいるので注意。小屋から上の残雪も少なくなりアイゼンなど不要2023.06.02

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子

  • 樹林帯の状況
  • 山頂付近の様子
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • 小屋から山頂へのルート 全体的にコンディションがよく登りやすいですが、ピッケルとアイゼンが必須。万全の装備で
  • テント場の様子。雪が半分残っている状態。第1+第2テント場あわせて10張りほど地面の上に設営できそう(小型テントであれば)。
  • 小屋から上の残雪はまだまだ豊富
  • 八合目と九合目の間にあるルンゼは、一部氷化した雪の急斜面となっており、滑落の危険あり。ピッケル、前爪有りのアイゼンは必須
  • 眼下には雲海。寒暖差によって登山道のコンディションはとても難しいくなる時期。万全の装備で
  • 小屋の前の雪も少しずつ溶けていますが、固く滑りやすくなっています。
  • 小屋付近の様子
  • 夜半から強風。今朝は晴れて厳しい冷え込みとなりました。不安定な天気です
  • 強い西風が吹いていますが晴天が続いてまいす

甲斐駒ヶ岳 七丈小屋

現地連絡先:
090-3226-2967
電話番号:
090-3226-2967
連絡先住所:
山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25

地図で見る
https://www.kaikoma.info

施設の詳細を見る

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 全国に駒ヶ岳を名のる山は20座を超えているという。その中で最も高いのが甲斐駒ヶ岳である。作家の宇野浩二は、『山恋ひ』の中で、「山の団十郎」と絶賛した。ふもとから仰いだその山姿は、正にその名に価する高貴な山容をもって迫ってくる。  太古、武御雷命(たけみかずちのみこと)が生んだ天津速駒(あまつはやこま)という白馬がいた。羽があって空中を飛んでおり、夜になると、甲斐駒ヶ岳の頂上で眠ったとのこと。これが命名の由来といわれている。  また、天平3年(731)には、甲斐国から朝廷に、身が黒色、尾が白い馬が献じられた。その馬に乗って聖徳太子が甲斐駒ヶ岳を往復したとか。ふもとを巡る川は、それにちなんで尾白(おじら)川と呼ぶ、などの伝説も残っている。  それはともかく、かつては駒ヶ岳講の名において、白装束の講中登山の山であった。開山したのは、信州・諏訪の小尾権三郎(弘幡行者)で、文化13年(1816)6月15日、20歳のときであった。しかし、文化11年編『甲斐国志』には、すでに「山頂巌窟ノ中ニ駒形権現ヲ安置セル所アリ」と記しているので、その真偽のほどは分からない。  登拝路のメインルートであった黒戸尾根上に残る、おびただしい信仰のモニュメントの数々を目にすると、そんな歴史上の小さな矛盾は消し飛んでいくような気がする。  かつては、白崩山の異称さえあった、真っ白な花崗岩とハイマツの緑に覆われた山頂からの眺めは、さすがに一等三角点の本点だけのことはある。この三角点のやぐら(覘標(てんびよう))は明治24年7月10日に建てられ、同年7月14日に標石を埋めた。同年9月12日から25日まで観測が行われている。南アルプス三大急登の1つに数えられる黒戸尾根を、重さ90kgもある標石を担ぎ上げた先人の苦労には頭が下がる。  甲斐駒ヶ岳は、伊那の人たちは東駒ヶ岳と呼んでいる。目と鼻の先に見える山に、他国の名を冠するほど人間はお人好しではない。  さて、甲斐駒ヶ岳を巡ってたくさんの花崗岩の岩壁がある。この一帯に集中的に挑みルートを開拓していったのは、主として東京白稜会のメンバーであった。1949年から1970年にかけてのパイオニア・ワークは、一頭地抜きん出ている。この会の代表であった、恩田善雄氏の「甲斐駒ヶ岳―わたしの覚書き」は、甲斐駒周辺の地誌、登攀記録、山名の由来、伝説などを網羅したものである(未刊行)。  登山コースは尾白川渓谷から黒戸尾根経由で山頂まで9時間。南西の北沢峠からは双児山、駒津峰を越えて約4時間の登りで山頂へ。

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駒津峰 標高 2,752m

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