一昨日は吹雪。登山道の状況が刻々と変化する春先~GWは事故の多い時期。特に下りは要注意
山と周辺の状況
■3/17 晴、気温は-2.7℃(14:00)。
昨日は1日中強い風が吹き荒れ、気温も-14℃と、真冬が戻って来たような1日でしたが、今日は朝から晴れ渡り、風も収まって穏やかな七丈小屋です。
日が昇ると共に気温はグングン上昇し、屋根の雪はみるみる溶けて軒下には長ーい氷柱が出来ました。
山頂方面は、少し雪煙が上がっていましたが、昼前には風も和らいだようで、日に照らされた雪面がキラキラと輝いてきれいでした。
■二年前の今日、黒戸尾根で滑落事故がありました。
これからしばらく事故が多いシーズンです。
黒戸尾根での事故はほぼ下山時に起こっています。
特にこれから先は気温差が激しくなることから、下山時に雪が緩み、足元をとられやすいコンディションとなります。それによって起こる滑落は、黒戸尾根の場合は場所によっては致命的です。
ぜひ2年前の記事や3年前の記事をご一読いただき、いま一度、ご自身と山に向き合った行動判断をお願いいたします。
https://www.kaikoma.info/post/2018/03/18/untitled
https://www.kaikoma.info/post/2017/04/23/%E3%80%90%E6%8B%A1%E6%95%A3%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E3%80%91%E9%87%8D%E5%A4%A7%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%8C%E7%99%BA%E7%94%9F%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F
■新型コロナウイルスと今後の七丈小屋営業
新型コロナウイルスによる影響が拡大しておりますが、七丈小屋は通常通り営業しております。
また3月に開催予定の弊社黒戸尾根ツアー2本も、予定通り開催いたします。
このような情勢ですので、以下の点にご留意いただけますようお願いいたします。
山小屋は閉鎖空間であり、人と人との距離が近くなりやすいことから、不安を感じる方が多いと思います。スタッフができる限りの換気、消毒を行っておりますが、対応には限界があります。
このような小屋の状況が不安な方は、一連の影響が落ち着くまでは小屋のご利用はお控えいただき、テント泊や日帰りでの登山をお楽しみください。
また体調に不安や異変を感じる場合は、登山計画の延期をお願いいたします。
弊社ツアーに関しましても、同様の理由によるキャンセルにつきましてはキャンセル料はいただきませんので、どうかご無理のないようご判断ください。
※ツアーのお客様には改めてご案内を差し上げます。
小屋をご利用になる場合は、「マスク」「除菌アルコール」「除菌ウエットティッシュ」などをご持参ください。冬期の山小屋には十分な水がなく、うがい手洗いなどの基本的な予防が難しい場所です。ご了承下さい。
登山道の状況
■黒戸尾根
積雪があります。
天候により里に近い方はぬかるみもありますがまだまだ山の上は冬山の状態です。
3/17 単独日帰りの男性2名が、山頂まで行って来たので様子を伺ってみたのですが、小屋から八号目までは膝までのラッセル、八号目より上の雪の状態は悪くは無く、無事に登ってこられたそうです。
先週土曜日の降雪以来、このお二人が最初の登頂者となりました。
小屋直下のトラバースは想像していたよりも雪は吹き溜まっていませんでした。整備として少し道幅を広げる程度で済みましたが、少し雪が柔らかいので、谷寄りを歩くと不意に足元の雪が崩れる可能性があります。
なるべく山側を歩くようにして下さい。
融雪が進んで、鎖や木の枝が露出してきています。ザックやアイゼンを引っ掛けないようにお気をつけ下さい。
この春先からGWに掛けてが、1年の内でも事故の多い時期になります。小屋番としても緊張する時期です。
一日毎にコンディションは目まぐるしく変化します。
ルートの核心部に飛び込んでしまう前に、自分の技量や経験、登っても無事に下りられるかを、一度想像して進むようにして下さい。
■2020年夏 広河原へのアプローチについて
・北沢峠~広河原間のバス運行は休止
昨年の台風19号被害により林道は不通
詳細とマイカーについては以下を参照下さい
https://www.city.minami-alps.yamanashi.jp/docs/mycar_bus_taxi_tozan.html
・仙流荘から北沢峠へのバス
※北沢峠には長野県伊那市のバスを利用して入ることができます。
南アルプス林道バス 2020年の詳細についてはまだ発表がありません(ヤマケイオンライン付加情報)
※甲斐駒ヶ岳には黒戸尾根からぜひお越しください!
小淵沢駅から尾白川渓谷間の二次交通を、往復で作る予定あり
■山梨県における登山計画書の提出が義務化
山梨県では冬の南アルプスを登山する場合は、登山計画書の提出が義務化されました。
登山前に登山計画書の提出と、家族や友人への共有をお願いいたします。
登山装備
3000m級山岳の雪山登山装備が基本
前爪のある12本歯以上のアイゼン、ピッケル等の本格的な冬山装備が必要
注意点
■冬の甲斐駒ヶ岳黒戸尾根ツアー
冬の黒戸尾根ツアーの募集 全日程花谷がメインガイド。
https://first-ascent.co.jp/tours/kuroto-winter/?fbclid=IwAR2J5kgCQFOdC3dLT22e6zmhVJVWXr1ka4yLsMLiSygijFY8AITnAKYuaLc
■前夜泊プラン
冬に七丈小屋をご宿泊のお客様限定の、3月29日ご宿泊分までの特別プランとなります。
https://www.kaikoma.info/agrieable
■北杜市のふるさと納税返礼品に登場
北杜市のふるさと納税返礼品として、「弊社ツアーもしくは甲斐駒ヶ岳七丈小屋でのお支払いにご利用いただけるクーポン券」あります。
https://furu-po.com/goods_detail.php?id=477682
お知らせ
■甲斐駒ヶ岳七丈小屋
https://www.kaikoma.info/
予約と問い合わせ 090-3226-2967
※電波不良時や作業中などの場合は、電話に出られないことがあります。
・宿泊は予約制です。
■冬の営業
通常営業しています。
冬の甲斐駒ヶ岳黒戸尾根は、誰もが登れる世界ではありません。
しかし、しっかり経験を積み上げた方には、ぜひ挑戦していただきたいと思っております。
厳しい登山であるからこそ、七丈小屋では少しでもほっこりと過ごしていただけますようご用意しております。
■冬季はお水が一部有料。
お水が必要な方はスタッフにお声掛け下さい。
小屋、テント泊の方は、2Lまで無料。
宿泊以外の方、又は宿泊のお客様でも2L以上は0.5L毎に100円で販売。
お湯は0.5L毎に200円で販売致します。
貴重なお水なので、ご理解とご協力を宜しくお願い致します。
昨年の今頃の様子は?
小屋から上はピッケル&アイゼン必要。5/28迄冬山営業。以降は夏山営業(宿泊要予約、受付中)2023.04.21
小屋から上はピッケル&アイゼン必要。雪質変化あり確実なアイゼンワークで一歩一歩、慎重に2023.04.27
昨朝0℃。まだ残雪凍結あり万全の雪山装備(アイゼン、ピッケル)で。状況に応じ着脱など臨機応変に2023.05.10
今朝5℃。一部まだ雪があり心配な方はアイゼンの用意を。小屋付近でサクラ開花。山麓は新緑2023.05.19
まだ氷点下の日あり。残雪箇所あり滑り止めの用意を。イワカガミが咲き始め、クモイコザクラも開花。2023.05.25
雨により地盤が緩んでいるので注意。小屋から上の残雪も少なくなりアイゼンなど不要2023.06.02
甲斐駒ヶ岳 七丈小屋周辺の過去の様子
甲斐駒ヶ岳 七丈小屋
- 現地連絡先:
- 090-3226-2967
- 電話番号:
- 090-3226-2967
- 連絡先住所:
- 山梨県北杜市須田町若神子新町1205-25