YouTubeに登山動画を投稿するやまくっく・やぎちゃんに注目！　山と溪谷チャンネルとのコラボ動画も公開中

「山と溪谷チャンネル」とのコラボが決まった「やまくっく・やぎちゃん」。動画公開に先立ち、彼女にとっての登山に対する思いや目標を聞いてみた。

※本記事は『山と溪谷』11月号に掲載した記事をWeb掲載用に再編集したものです。

構成＝山と溪谷編集部

コラボ動画

YouTubeに投稿されているのは、自身や友人が撮影した登山記録の動画。飾らずに登山を楽しむ姿がファンに支持されている「やまくっく・やぎちゃん」だが、そもそも登山や動画投稿のきっかけは何だったのだろう。

「登山を始めたのは大学1年生のときでした。どこかで見た山の景色に憧れて、ワンダーフォーゲル部に入部。日帰り登山を重ねて、おしゃれなカフェでのランチやショッピングよりも、山に登って温泉に入っておいしいお肉を食べる、そんな一日のほうが、自分にとって幸せだなと気づいたんです」

就職後は山から離れてしまった時期もあるそうだが、再び山に登るために、思いきって転職を決めた。

「一昨年（2019年）は年間で57日も山にいました。いま思うと会社勤めの女子が、1年のうち約2カ月も山にいるってやばいですね…。充実感に浸りつつも、一方で次はどうしようかなと考えることがありました。ちょうど同じ時期に友人夫婦のためにマタニティフォトのイベントを企画し、心から喜んでもらうことができました。そのとき、誰かにとっての特別を残すということはすてきなことだと実感しました。そこで今度は自分にとって特別な『登山』も動画で残してみよう、と動画の投稿を始めたのがきっかけです」

そんな「やまくっく・やぎちゃん」の登山の楽しみ方や彼女の魅力を、さらにひもといてみた。

Point 1　山好き度が加速したワンゲル時代の富士登山

「20歳のとき、海抜0mから山頂の3776mをめざす『ゼロ富士』に挑戦しました。理系だったので、記念として試験管チューブに50㎖の海水を汲み、山頂でこぼして納めました。雨や靴擦れ、高山病など、とにかくツラい2泊3日で、そのときはもう二度とやらないと思いました。ところが、下山して温泉に入ったら、こんな体験を人生であと何回できるんだろうと感傷に浸ったのを覚えています。以来、もっと長く山にいたいと考えるようになり、さらに山にハマッていきました」

Point 2　長い距離を歩いたり、山の奥深くに行くのが好き

「理想の登山は、できるだけ自然との距離が近く、長く山にいられるテント泊縦走などです。山頂や岩場へのスリルといったこだわりはあまりなく、長く楽しく自然の中にいられることを重視しています。前職を辞める際、有給消化を使って北海道の利尻山や知床の斜里岳などを巡る10日間の一人旅をしました。あのときのなんともいえない充実感とドキドキ感。またこんな旅がしたいと、転職後は山の奥深い場所を歩くテント泊での縦走登山やロングトレイルが好きになりました」

Point 3　「やまくっく」に込めた思い

「はっきりした定義はありませんが、『やまくっく』は私の造語で、山でごはんを食べて、幸せな時間やつながりを作ることを意味します。前職では入社直後に広島へ転勤となり、友達や頼る人もいない日々を送っていました。そんなときに思いきって登山サークルの立ち上げに参加し、大切な友人ができて自分の居場所が見つかった気がしました。再度の転勤で東京に来た際、今度は私が誰かの居場所を作りたいと同名のサークルを立ち上げ、『やまくっく』の活動を続けてきました」

Point 4　めざしたいものと心がけていること

「YouTubeは、私を知ってもらうため、山に興味がある人に役立つことができればと始めた手段で、それ自体を生業にしたいわけではありません。心がけているのは、キャラ作りや動画ジャンルにこだわらず、視聴者さんとできるだけ身近な距離にいること、正直な等身大の自分を見せることです。近い夢は〈山好きのアジト〉を作ること。そこでは『やまくっく』で幸せな時間やつながりのきっかけを作ったり、何かしたいけど一歩踏み出せない人に自分の居場所だと思える空間を作りたいです」

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