初冬の赤城山。黒檜山から覚満淵へ、青空の霧氷きらめく稜線を歩く
本格的に雪が積もる前の赤城山・黒檜山で霧氷観賞。青空に映える霧氷がきらめく稜線歩きを楽しみました。
冬山入門コースとして人気が高い赤城山。その山頂部では、冬型の気圧配置となって、北西の風が強く-5~6℃にまで冷え込むなどの条件がととのえば、冬晴れの日の朝、青空に映える美しい霧氷が期待できます。
おのこ駐車場から稜線をめざし、霧氷きらめく樹林帯の回廊を散策します。
寒冷前線が通過した後、冬型気圧配置となり、北西の冷たい風が吹く、晴れた日の早朝をねらって黒檜山へ向かいます。
気温は-7℃、微風ながら冷たい風で、非常に寒い。予想通り、黒檜山全体に霧氷がかかり、青空をバックに美しくきらめくさまを見せています。登山道は、登山口から昨夜降った雪がうっすらと積もり、滑りやすくなっています。慎重に進みますが、急傾斜の岩場では、岩の上に積もった雪で、何度かスリップを感じ始めたので、チェーンスパイクを装着します。
稜線に出ると、そこは一面の霧氷をまとった樹林帯が広がり、駒ヶ岳から鳥居峠へ続く美しい回廊となっています。赤城神社の鳥居から展望台へ、様々な樹々に凍てついた霧氷が陽光を浴びてきらめく様を堪能します。
鳥居峠から凍り始めた覚満淵へと下りますが、早くもまぶしい陽の光を浴びて、霧氷は溶け始めていました。
篭山の分岐から覚満淵をめざして下りますが、鹿よけのネットに阻まれ、鳥居峠から覚満淵をめざします。この頃には遊歩道の雪も消え、覚満淵の水面に浮かぶ氷の造形を楽しみながら、ゆっくりとおのこ駐車場に戻りました。
プロフィール
奥谷晶
30代から40代にかけてアルパイン中心の社会人山岳会で本格的登山を学び、山と溪谷社などの山岳ガイドブックの装丁や地図製作にたずさわるとともに、しばらく遠ざかっていた本格的登山を60代から再開。青春時代に残した課題、剱岳源次郎尾根登攀・長治郎谷下降など広い分野で主にソロでの登山活動を続けている。2013年から2019年、週刊ヤマケイの表紙写真などを担当。2019年日本山岳写真協会公募展入選。現在、日本山岳写真協会会員。
今がいい山、棚からひとつかみ
山はいつ訪れてもいいものですが、できるなら「旬」な時期に訪れたいもの。山の魅力を知り尽くした案内人が、今おすすめな山を本棚から探してお見せします。