秋山のリスクに備えよう
紅葉が美しい秋の山だが、夏山以上に気を付けたいリスクや、夏山シーズンとは異なる注意点もある。ここでは、そんな秋山の注意点を4つ紹介する。
1.秋山の天候・気象遭難
特にアルプスなどの標高が高い山域で気を付けたいのが天候だ。9月末でも高所では雪が降ることがあり、遭難へと繋がるリスクがあるためだ。
実際に、1989年10月8日には立山で10人のパーティが吹雪に遭い、8人が低体温症で亡くなるという重大な事故もある。また、2006年10月には白馬岳で7人パーティが吹雪により遭難し、4人が死亡する事故も起きている。
事前の天候チェックをはじめ、もしもの降雪に備えた装備やエスケープルートの確認等、充分に計画を立てて臨もう。
また、気温も低くなるため、雨だとしても低体温症のリスクが高くなる。夏山同様、レインウェアなどの雨対策に加え、防寒着の用意もしっかりと行なおう。
2.日没時間の早さ
「秋の日は釣瓶落とし」。秋が深まるにつれ、日の短さを感じるものだ。地域や年によって異なるが、東京都の日の入りを例に挙げると、7月には19時だが、10月には17時と2時間短くなる。
2025年東京都の日の入り時間
- 7月15日18:57
- 8月15日18:31
- 9月15日17:49
- 10月15日17:06
- 11月15日16:34
また、登山道では周囲の木々や山の影になるため、実際の日没時間よりもさらに早く暗くなる。
日の入り時間を調べて、その時刻よりも2時間以上早く下山できるように計画を立てよう。体調不良などで予定より歩くのに時間がかかったり、あるいは道を間違えてタイムロスしたり、ということは大いにあり得る。不測の事態に備えて、日没ぴったりの下山計画は避けよう。
そして、日帰りでもヘッドランプは必ず持とう。
3.紅葉時期の混雑
人気の山では、夏の週末やお盆に混雑するものだが、紅葉の最盛期は短いため、登山者が集中して夏以上に混雑することもある。登山口へのバスが満員になってしまうとか、登山口の駐車場に空きがない、などというケースも珍しくない。可能なら土日を避けて、平日に登りたいものだ。
また、近年では、完全予約制にしている山小屋が多い。秋の週末の予約はすぐに埋まってしまうため、早めに行なおう。
4.夏山シーズンから秋冬への路線バスダイヤの変更
路線バスの運行ダイヤは、8月下旬ごろから減少する路線があるため、注意が必要だ。始発時刻が遅くなったり、本数が減ったり、あるいは土日・祝日のみの運行に変わる路線もある。
「スマホで当日調べればOK、と思っていたら山中で電波が入らなかった」ということもあるので、出発前に往路・復路のバス時刻を必ずチェックしておこう。
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