バックカントリーは「滑れそうでも滑ってはいけない」ときがある。 島崎三歩の「山岳通信」 第104号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年2月21日に配信された第104号では、期間中に起きた山岳遭難の多くがバックカントリー中の事故であることについて触れ、改めて安全対策について警鐘を鳴らしている。

 

2月21日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第104号では、2月5日~2月12日に起きた5件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 2月5日、八ヶ岳連峰天狗岳で、44歳の男性が西天狗岳から下山中、視界不良により道に迷い行動不能となる山岳遭難が発生。諏訪地区遭対協隊員により発見・救助され、付近の山小屋に収容された。

  • 2月6日、白馬村内スキー場付近の山林で、41歳のスウェーデン人の男性がスキー場からコース外を滑走中に立木に衝突し、左下腿骨折の重傷を負う遭難事故が発生。山岳遭難救助隊員などにより救助された。

  • 2月8日、北アルプス八方尾根で、45歳の男性が八方尾根周辺にバックカントリースノーボードへ出かけたものの、戻らずに行方不明となっている。現在も警察などで捜索している。

  • 2月12日、八ヶ岳連峰硫黄岳で、54歳の女性が登山中、転倒した同行者のアイゼンが刺さる軽傷を負い、のちに強風と降雪のために行動不能となる山岳遭難が発生。茅野署員などにより救助された。

  • 2月12日、長野県黒姫山で、46歳の女性が黒姫山をスキーで滑走中に、バランスを崩し転倒・負傷する山岳遭難が発生した。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

2月2週は5件の遭難が発生し、そのうちバックカントリースキー・スノーボード滑走中の遭難が3件発生しました。
バックカントリースキー・スノーボードは近年、用具の急速な進歩により、愛好者が増えていますが、それに伴い遭難も増加しています。山岳エリアでの豪快な滑走やパウダースノーを求めれば当然それに伴うリスクは高まります。
バックカントリースキー・スノーボードでは天候や雪質などによっては「滑れそうでも滑ってはいけない」状況があります。そのような際に賢明な判断が下せるよう、日頃から客観的な情報と知識の習得に努めましょう。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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