パーティで入山した場合、下山するまで一緒に行動することの徹底を 島崎三歩の「山岳通信」 第328号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2024年1月24日に配信された第328号では、パーティで行動していた登山者が、はぐれて遭難した事故について言及。複数で入山した場合、下山するまで一緒に行動することの徹底を呼びかけている。

 

1月24日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第328号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 1月15日、北アルプスの八方尾根で、4人パーティで入山した49歳の男性が、バックカントリーを滑走中、悪天候により行動不能となる山岳遭難が発生。男性は無事に救出された。

  • 1月15日、北アルプスの八方尾根で、4人パーティで入山した52歳の男性が、バックカントリーを滑走中になんらかの原因により遭難し、行方不明となる事象が発生。男性は1月20日に南股入付近の沢で発見されたものの死亡が確認された。

  • 1月16日、八ヶ岳連峰の赤岳で、2人パーティで入山した49歳の男性が、赤岳山頂から下山中に同行者とはぐれて行動していたところ、なんらかの原因により行方不明となる山岳遭難が発生。男性は1月19日に発見されたものの死亡が確認された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

1月3週は、2件の死亡遭難を含む3件の山岳遭難が発生しました。死亡遭難は、悪天候によりホワイトアウトして下山方向を誤ってしまったり、行動に大幅に時間がかかり日没を迎えて夜間行動となってしまったり、仲間とはぐれてしまったりしたことなど、さまざまな条件が重なって遭難してしまったものです。
今回の遭難のように、登山やバックカントリーにおいては常にリスクが付き物です。行動中にどのようなリスクやアクシデントが起こり得るのか、事前にイメージしておくことが大切です。

また、パーティ登山では、単独登山と比べてアクシデントやトラブルに遭遇した場合に、仲間の助けを借りることができるため対処がしやすく、判断に悩んだ場合に他人の意見などを聞けるなど多くのメリットがあります。しかし、互いに別行動となってしまえば単独登山と同様のリスクが伴います。複数人で入山した場合は、仲間とペースを合わせたり、視界不良などではぐれたりしないように、下山するまで一緒に行動しましょう。

本年に入り、すでに4件の死亡遭難が発生しています。登山は、リスクを伴うアクティビティです。下山するまで気を抜かず、安全登山でお願いします。

スキー場及びバックカントリーエリアにおける日本人向け安全啓発動画

長野県では、スキー場及びバックカントリーエリアにおける安全啓発動画を日本人向けにも公開しています。

長野県内のスキー場利用の注意点、バックカントリースキーの魅力とリスクや安全に楽しむ方法について、ぜひ事前にご覧ください。

スキー場編

バックカントリー編

⇒長野県山岳総合センター啓発動画一覧
(長野県山岳総合センター Youtubeチャンネル)

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

編集部おすすめ記事