美しいカタクリが見頃を迎えている山はここ! 3月下旬〜4月上旬におすすめの花の山3選

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暖かな陽光が春の訪れを感じさせる今日このごろ。山では、カタクリの花が咲き始めている。関東地方のカタクリの花期は例年3月下旬~4月上旬。見頃は1週間ほどで、年により前後するので、開花情報を確認して計画を立てたい。今回はカタクリなど春の山野草が咲く花の山を3山紹介する。

文=石丸哲也

里山に広がる関東有数のカタクリ群生地 三毳山(みかもやま)/カタクリ、アズマイチゲ、ニリンソウなど

栃木県/229m
とちぎ花センター前~万葉(まんよう)自然公園かたくりの里〜三毳山~三毳神社奥社~栃木花センター前/日帰り3時間5分
カタクリの花の見ごろ:3月下旬~4月上旬

万葉自然公園かたくりの里に広がるカタクリの花
万葉自然公園かたくりの里に広がるカタクリの花

三毳山は、標高200m程度の里山ながら、さまざまな春の花を楽しむことができる。全体が自然公園として保全されて雑木林が美しく、山野草も豊富。特にカタクリは約150万本が群生し、関東有数の規模を誇るという。登山口へはバス利用も可能だが、JR両毛(りょうもう)線岩舟(いわふね)駅から歩いても1時間ほどだ。

とちぎ花センター前バス停は、みかも山公園東口で、山側にカタクリの群生地もある。里道を北上し、三毳山の山裾に沿って進む。県道67号に出合ったら、三毳山の北麓を回りこむように歩くと万葉自然公園入口で三毳山を詠んだ万葉歌碑がある。山に分け入ると三毳山最大のカタクリ群生地・万葉自然公園かたくりの里に入る。カタクリが一面に咲く斜面を登り、尾根に出れば、ひと登りで三毳山山頂だ。西側に赤城(あかぎ)山などを眺められる。

雑木林の尾根道を南下し、三毳の関跡のから登り返して中(なか)岳、三毳神社奥社のピークをミニ縦走する。まっすぐ下って、出合う車道を東へ、ゆるやかに下れば、とちぎ花センターへ戻る。

カタクリとアズマイチゲのコラボ
カタクリとアズマイチゲのコラボ
中岳を越えると東側の展望が開ける
中岳を越えると東側の展望が開ける

MAP&DATA

三毳山周辺の地図
ヤマタイムで周辺の地図を見る

山行アドバイス

とちぎ花センター前へはJR栃木駅か岩舟駅から栃木市ふれあいバス岩舟線(ぶどう団地入口経由)を利用。マイカーは東北道藤岡ICから約3km。登山道や指導標は整備され、急な登り下りもないので小さな子ども連れやビギナーでも楽しめる。カタクリの花期は例年3月下旬~4月初め。同じころにアズマイチゲ、少し遅れてニリンソウやヤマザクラ、4月中旬~下旬には新緑が美しく、ヤマツツジなどの花も見られる。

山麓情報

とちぎ花センターは季節の花の企画展、体験教室やイベントが開かれ、大温室には1200種類という植物が栽培され、売店もある。入園無料(温室は410円)。南麓の道の駅みかもには地場産野菜の直売所、レストランなどがある。西麓の佐野アウトレットにはアウトドアグッズの店も多数、出店している。

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この記事に登場する山

栃木県 /

三毳山 標高 229m

栃木県南端、東北自動車道の佐野SA近くにある三毳山は、近年はみかも山公園として整備され、ファミリーにも親しまれる山だ。関東平野に浮かぶようにそびえる山容は美しい。 三毳神社からかたくりの里までを縦走するのが一般的で、約1時間40分のハイキングが楽しめる。山頂からの眺望も良く、関東平野が一望できる。

埼玉県 /

仙元山 標高 299m

東京・池袋が起点の東武東上線に乗り、「武蔵の小京都」と呼ばれる小川町に向かうと、左前方に門番のごとく現れる山が仙元山だ。北面は公園として整備され、近隣のマイカー客で賑わう。 山頂付近は静かな木立に包まれていいて、展望は木立の間から小川町市街と榛名山方面を眺めるのみとなっている。展望は中腹にある見晴らしの丘公園の展望台からが良い。 3月下旬のカタクリ、4月のサクラやシダレザクラ、5月上旬のヤマツツジと花の山としても楽しめる。

東京都 神奈川県 /

草戸山 標高 364m

ハイカーで賑わう高尾山の南側に位置する山で、登山口は高尾山と同じだが、こちらは静かな山旅が楽しめる。 山頂からは丹沢の山並みや、眼下の城山湖が美しい。

プロフィール

石丸哲也

東京に生まれ育つ。オールラウンドな登山を経て、山岳ライター、登山・ツアーの講師などとして活動している。
山頂に立つことだけを目的とするのでなく、山を旅する感覚で、登るプロセスや自然にふれることを大切にして山を楽しむことを心がけている。
国内では北海道の利尻山から屋久島の宮之浦岳まで全国の山を登り、海外ではペルーアンデス、ヨーロッパアルプス、北米のヨセミテ、メキシコ、カムチャツカなどの山に足あとを残す。

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