魅了されて35年。菊池哲男さんと白馬岳
高山植物の宝庫で、北アルプスのみならず日本アルプスにおける花の王国と称される白馬岳(しろうまだけ、はくばだけ)。この山の四季折々を35年以上撮り続ける菊池哲男さんの写真展「白馬四季」が2024年4月5日に始まる。そのなかから、作品をいくつか紹介しよう。
文・写真=菊池哲男
多種多様な高山植物の宝庫で、アルプスの女王と称される白馬岳(2932m)。冬には国内屈指の積雪量があり、この多量の降雪が夏には豊富な残雪となって数々の高山植物を育み、お花畑と呼ばれる大きな群落をつくる。山麓では例年GW頃に桜が満開になり、田植えが行なわれるが、3000m級の山々には多くの残雪があって、まだまだ雪も降る。
この山の四季折々を35年以上撮り続けてきた。2005年、最初に山と溪谷社から出版した写真集『白馬 SHIROUMA』は全作品がフィルムによる撮影だった。続いて2011年『白馬岳 自然の息吹き』は6点のみデジタル。そして13年ぶりの『四季白馬』は全作品がデジタルだ。
撮り方も変化してきた。フィルム時代はほとんどの撮影で三脚を使用したが、デジタルになるとISO感度を適時上げることでシャッタースピードが上がり、手持ち撮影でも充分鑑賞に堪えられるようになった。もちろん朝夕夜の撮影では相変わらず三脚を使用しているが、シャッターチャンスは確実に増えたと言える。しかし使用機材や撮影スタイルが変わっても白馬岳のすばらしさは何も変わらない。今年も白馬岳に会いに行こうと思う。
菊池哲男写真展「白馬四季」
高山植物の宝庫で、北アルプスのみならず日本アルプスにおける花の王国と称される白馬岳。この山の四季折々を35年以上撮り続けた最新作の写真展を開催します。白馬岳をテーマにした写真集三部作の完結編となる写真集も小社から上梓予定。
会場:
富士フォトギャラリー銀座
東京都中央区銀座1-2-4
サクセス銀座ファーストビル4F
https://www.prolab-create.jp/gallery/
期間:
2024年4月5日(金)~11日(木)
時間:
10時30分~19時(土日は11時〜17時、最終日は14時まで)
写真集『四季白馬 アルプスの楽園』
10年以上にわたって撮影された白馬岳を中心とする後立山連峰の、決定版写真集。2024年4月16日発売
著 | 菊池哲男 |
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発行 | 山と溪谷社 |
価格 | 3,960円(税込) |
プロフィール
菊池哲男(きくち・てつお)
写真家。写真集の出版のほか、山岳・写真雑誌での執筆や写真教室・撮影ツアーの講師などとして活躍。白馬村に自身の山岳フォトアートギャラリーがある。東京都写真美術館収蔵作家、公益社団法人日本写真家協会(JPS)会員、日本写真協会(PSJ)会員。