道迷い遭難を防ぐために地図の携行とGPS機器の活用を 島崎三歩の「山岳通信」 第345号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第345号では中央アルプス木曽駒ヶ岳での道迷い遭難事例を取り上げ、地図とコンパスの携行とGPS機器の積極的な活用を勧めている。

 
6月12日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第345号では、期間中に起きた6件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 6月3日(月)、北アルプスの烏帽子岳で、単独で入山した55歳の女性が烏帽子岳付近を下山中に滑落して負傷した。

  • 6月6日(木)、中央アルプスの木曽駒ヶ岳で、単独で入山した50歳の男性が千畳敷から入山して木曽駒ヶ岳を経由して下山中、霧と残雪により行動不能となった。

  • 6月7日(金)、戸隠連峰の高妻山で、単独で入山した73歳の男性が、何らかの原因で滑落して死亡した。

  • 6月8日(土)、山ノ内町大字平穏の山林内で、山菜採りのために2人パーティで入山した81歳の女性が、山菜採り中に転倒し負傷した。

  • 6月8日(土)、浅間山で、14人パーティで入山した40歳の男性が、登山中にバランスを崩して転倒、負傷した。

  • 6月8日(土)、雁田山で、40人パーティで入山した66歳の男性が、山頂から下山中に足を滑らせて滑落、負傷した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

6月3日(月)の週は、長野県内で6件の山岳遭難が発生しました。6月6日(木)に発生した中央アルプス木曽駒ヶ岳の遭難は、駒飼ノ池付近で霧と残雪のため道に迷い、行動不能となったものです。

木曽駒ヶ岳はロープウェイで標高2600m付近まで行くことができ、「信州山のグレーディング」でも「2B」、「3B」にカテゴリーされ、初心者の方でも挑戦しやすい山として知られていますが、今回のように天候の悪化や残雪など季節や条件によって難易度は変わります。天候をよく確認して、紙の地図とコンパス、登山地図アプリなどのGPS機器を活用して、道迷い遭難を防ぎましょう。

【道迷い遭難を防ぐポイント】

  • (1) 紙の地図を準備する(事前に登るエリアの概念図を調べる、頭に入れておく)
  • (2) GPS機器を使う(実際に登っている時に、自分が今どこにいるのか確認する)
  • (3) 小屋や道標、分岐になっている場所などでは必ず地図とGPSを確認する
  • (4) 地形が変わる場所でも必ず地図とGPSを確認する(尾根が分かれる、斜度の変化が大きいなど)

以上の4点を登山前、登山中に実施して、道迷い遭難防止とルートファインディング能力のレベルアップをしていきましょう。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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