あのニーモからバックパックが登場! ニーモ/リゾルブ25|高橋庄太郎の山MONO語りVol.111

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山岳・アウトドアライター、高橋庄太郎さんが、最新山道具を使ってレポートする連載。さまざまな角度からアウトドアグッズを確認し、その使用感と特徴を余すことなくレポート! 今回はニーモのバックパック「リゾルブ25」を紹介します。

文・写真=高橋庄太郎

ニーモからバックパックが本格展開

アメリカのブランド「ニーモ」といえば、山道具の中でもテントや寝袋、マットといった“住”の要素を得意としているブランドだ。そのニーモが今期から本格的に展開し始めたのは、なんとバックパック。ブランドとして新機軸のギアに進出したのである。ならば一度は使ってみないわけにはいかない!

そこで今回取り上げるのは、ニーモの「リゾルブ25」だ。「RESOLVE」にはいくつかの意味があるが、このバックパックの名称はおそらく「解決する」という意味で使っているのではないだろうか? 背負い心地、収納性、耐久性など、バックパックに求められるさまざまな問題を解決する、ということである(違うかもしれないが)。

まずは構造をチェック

リゾルブ25の外観は、じつにシンプルだ。荷室への開口部にファスナーが使われていることはイメージできるものの、一見ではポケットすらついていないようにさえ思える。

ニーモ/リゾルブ25

だが、シンプルなのは正面側だけ。よく見れば、多様な機能を持ち合わせたバックパックなのだと理解できるだろう。

とくに背面の構造はユニークだ。

ニーモ/リゾルブ25

背面(と各種ハーネス類)に使われているパッドは一般的なクッション性素材の数倍の吸水性と速乾性をもち、防臭効果も持ち合わせている。

オレンジの部分は柔らかで肌触りがよく、グレーの部分には張りがある。その凹凸で体から少し浮いたような状態でフィットし、通気を促している。

ニーモ/リゾルブ25

また、いかにも現代的な製品らしく、すべてリサイクル可能な素材だ。

少し前の小型バックパックは背面の長さを変えられるタイプは珍しかったが、最近は容量20~30L前後でも背面長の調節が可能なタイプが増えてきた。

ニーモ/リゾルブ25

リゾルブ25も背面長を微調整できる仕組みを持っている。これもまたいかにも現代的な設計なのである。

面ファスナーを使った背面パネルは、10cmの範囲(43~53cm)で調節可能だ。

ニーモ/リゾルブ25

リゾルブ25には女性用モデルも用意され、そちらも10cmの範囲(38~48cm)で背面長の長さが変えられる。

ウエストベルトには小さなパッドがつけられている。

ニーモ/リゾルブ25

大型モデルとは異なり、このパッドで荷物の重さを腰に載せていくわけではないが、歩行中の荷物の揺れを抑えるのには効果的。ストラップが腰に食い込むことも防いでくれる。

チェストストラップ(スターナムストラップ)はT字型のフックで上下に移動できる。

ニーモ/リゾルブ25

手間がかからない便利な仕組みだが、これ自体はとくに変わった仕様ではない。

また、バックル部分はホイッスルになっている。

ニーモ/リゾルブ25

これもまた変わった仕様ではないが、山中でのクマなどの野生動物の害が増えている昨今、クマ除けなどにも使えるホイッスルは非常に役立つ。

おもしろいのは、バックパック下部とショルダーハーネスの連結部分にも、同じT字型のフックが使われていることだ。

ニーモ/リゾルブ25

正直なところ、この部分がこのような仕組みで着脱できることにどういうメリットがあるのか、僕にはわからない。一般的なアジャスターにストラップを通す方式よりも取り外しが少しは楽とはとはいえ、それだけのように思える。しかし、メリットがよくわからないだけで、デメリットがあるわけではないので、安心して使用できることには変わりない。

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プロフィール

高橋 庄太郎(たかはし・しょうたろう)

宮城県仙台市出身。山岳・アウトドアライター。 山、海、川を旅し、山岳・アウトドア専門誌で執筆。特に好きなのは、ソロで行う長距離&長期間の山の縦走、海や川のカヤック・ツーリングなど。こだわりは「できるだけ日帰りではなく、一泊だけでもテントで眠る」。『テント泊登山の基本テクニック』(山と溪谷社)、『トレッキング実践学』(ADDIX)ほか著書多数。
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