見どころたくさん!東京・玉川上水をたどるハイキング④拝島から羽村取水堰へ
かつて江戸市中を潤した玉川上水。400年近くもの時を経た今では緑道が整備され、豊かな自然が保たれている。町並みや移ろう自然風景だけではなく、近現代の遺構や技術の結集も点在しており、いろいろな発見や学びが得られるのもおもしろい。
写真・文=中島タツヤ、トップ写真=羽村取水堰
玉川上水沿いから離れて町歩き
みずくらいど公園からは玉川上水沿いの緑道はなくなり、玉川上水に近づいたり離れたりしながら市街地の車道歩きとなる。五丁橋で左岸に渡り、立体的なY字路を左へ曲がる。
この立体的なY字路は、高低差の違いを体感できるスポットである。先ほどの標高色分け地図を再び確認してみよう。
玉川上水はちょうど五丁橋あたりで段差にぶつかり、みずくらいど公園の東に抜けていく。この段差の乗り越えは、玉川上水全体の中でも核心部分の一つであると思われる。玉川上水駅付近では国分寺崖線(こくぶんじがいせん)の段差を完全によけるライン取りだったが、この部分は、いってみれば段差に突っ込んでいるわけである。この段差乗り越えの場所選定や角度の見極めは、極めて重要だったはずだ。
高台のへりに近づく
五日市線の熊川(くまがわ)駅手前にある山王橋から脇道に入り、新奥多摩街道に出る。熊牛(くまうし)会館前交差点で左折し、ほたる通りから今度は奥多摩街道へ。奥多摩街道は高台のへりを通っているので一部見晴らしがよく、奥多摩の山並みが見えた。久しぶりに山を目にして、なんだかほっとする。
高台の下にはほたる公園があるのだが、高台上部からの高低差が結構大きい。こういった高低差は、平面の地図ではなかなかわからず、実際に歩いてみて初めてわかることが多いからおもしろい。
やがて立派な親柱の牛浜橋(うしはまばし)を横目に牛浜の交差点を過ぎる。この一帯には「熊川」や「牛浜」など動物の名前の地名が続くが、なにか理由があるのだろうか。
その後玉川上水は奥多摩街道に沿う形となり、熊野橋で歩道橋に上がると、奥多摩の山並みの見晴らしがいい。そしてこの熊野橋付近も、地形観察ポイントだ。
上写真左手に見える緑地は中福生(なかふっさ)公園で、写真ではわかりづらいが窪地になっている。真ん中に通る道路が段差のへりの部分なので、玉川上水は高台のへりギリギリを通っているのである。
中福生公園を過ぎ、清巌院橋(せいがんいんばし)からは玉川上水を離れて車道を進む。福生駅への分岐交差点に来ると、再び左側に玉川上水が近づく。
都市近郊の自然探索ハイキング
都市近郊の里山を歩いていると、道や分岐が結構多く、また小さな尾根を隔てて風景がガラッと変わることもあっておもしろい。この道はどこにつながっているのだろう?また、どんな景色が広がっているのだろう?まだ見ぬトレイルや風景を求めて、都市近郊の自然探索へ
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