2人だけで行くのはNG! 登山未経験の友達や家族を山に誘う時の注意点

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POINT
  • 山好きになってもらえるかどうかは「コース選び」がポイント!
  • 山ヤの常識は、山ヤ以外の人にとって常識ではない
  • 2人での登山は高リスク。最低でも経験者含む3人体制で
本日のお悩み

まったく山登りの経験がない人と山に出かける時に、どんな点に気をつければよいでしょうか?(30代/男性/登山歴3年)

登山が楽しくなってくると、友達や恋人を山に誘ってみたくなるもの。気心の知れた人が登山仲間になってくれれば、心強いですよね。でも、相手の登山経験がゼロだったら...? 未経験の相手を登山に誘い、あわよくば山好きになってほしい! そんな時に注意したいポイントを、山センパイに聞きました。

初心者を連れていく時、間違えてはいけないのが「山選び」!

「相手の年齢、体力などを考慮して無理のない山を選び、計画を詳しく説明して準備をしてもらいましょう」とは、山の会かたつむりの陶山さん。特に確認しておきたいのは、苦手なことがないかどうか。また、いくら景色が良くても、コースに岩場が多かったり、虫が多かったりすると怖さを感じてしまうかも知れません。

それがわかったら、どんなコースか、どれくらい時間がかかるかを細かく説明しておくと、相手にも安心してもらえます。

靴やザックなどの装備は、一緒に選んであげよう!

「ハイカットの靴であれば普段履いている靴でもOK」と思っている人もいるので、装備に関しては一緒に選んであげたり、自分の持ち物を見せてあげたりすると良いでしょう。陶山さんも「自分たちでは分かっていることが登山初心者には分からないことだらけだったり、思い込みでとんでもないことがあったりするものです」と実感。例えば、「山=寒い」というイメージが強かったために、たくさんウェアを着込んできてしまい、暑くてバテてしまった...というケースもあるようです。装備に関しては「これぐらい常識でしょ!」と断じてしまわずに、くどいぐらいにレクチャーしてあげたほうが良さそう。山ヤの常識は、山に行かない人にとっては非常識ということを忘れずに。

「もしも」のことを考えて、2人登山は絶対NG!

そして「2人では絶対行かないこと」という山センパイの森浜さん(大阪勤労者登攀クラブ)のアドバイスも重要です。もし、あなた自身に何かあった場合、初心者のパートナーだけでは的確な対処はできません。下手すると共倒れになってしまうことも・・・。登山の楽しさをアピールしつつも、友人には「山は危険なところ」ということを認識してもらうことが重要です。「初めての人を連れて行く時は、最低でも3人体制で。そのうちの2人は山をある程度知っている、というのが望ましいです」(森浜さん)。

相手が誘いに乗ってくれたのに、山に入った途端に自分のペースで黙々と登り始めたり、登山コースがあまりにも玄人向けだったりすると、次のお誘いには乗ってくれなくなってしまう可能性があります。自分が登山のどんなところにハマったのか、その過程を思い出しながら、うまく山の魅力をプレゼンできると良いですね!

プロフィール

陶山 正(山の会かたつむり)

「春夏秋冬野に山に!」がモットーの60代。登山歴は35年。山とスキーが好きで、夏は低山から高山まで幅広く楽しみ、冬は山スキーと雪崩講習に勤しんでいる。お気に入りの山は、西上州の笠丸山、大菩薩山稜の小金沢連峰~雁ガ腹摺山。得意分野は、地図読み、高山植物、雪崩対策など。

⇒陶山さんが所属する、「山の会かたつむり(東京都勤労者山岳連盟)」の講習会などイベント情報

森浜 学(大阪勤労者登攀クラブ)

岩登りと岩稜縦走が大好きな50代。荷物を軽量化して、長い距離を歩くことが多い。山で意識していることは「攻守のバランス」だそうで、体力・技術面(攻)とともに、気象・地形・ファーストエイド・確保技術など(守備)にも力を入れている。得意分野は、地図読み、山道具、気象ネタ、雪崩対策など。

⇒大阪勤労者山岳連盟のイベント登山教室等はこちらをチェック

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