雪山では「キホン」をしっかりと学び、身につけてからの入山を 島崎三歩の「山岳通信」 第384号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第384号では、中央アルプスの千畳敷でパトロールを行なった救助隊員の言葉を例に、キホンをしっかりと学び、身につけてからの入山を強くお願いしている。


3月12日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第384号では、期間中に起きた6件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 3月7日(金)、八ヶ岳連峰の赤岳で、単独で入山した66歳の男性が赤岳に登頂後、下山中に滑落、死亡した。

  • 3月7日(金)、八ヶ岳連峰の東天狗岳で、単独で入山した66歳の男性が夏沢温泉から入山し、東天狗岳付近で滑落、死亡した。

  • 3月7日(金)、根子岳で、バックカントリー滑走のため単独で入山した69歳の男性が、滑走中に道に迷い行動不能となり、救出された。

  • 3月8日(土)、中央アルプスの千畳敷で、3人パーティで入山した54歳の女性が、千畳敷から登山中にバランスを崩して滑落、負傷した。

  • 3月8日(土)、北アルプスの大遠見山で、バックカントリー滑走のために単独で入山した24歳の男性が、積雪により行動不能になり、救出された。

  • 3月9日(日)、中央アルプスの木曽駒ヶ岳で、単独で入山した54歳の男性が、木曽駒ヶ岳に向けて登山中に行方不明となっている。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

先週、長野県内では、6件の山岳遭難が発生し、うち2件が死亡遭難、1件が行方不明の遭難です。

宝剣岳や木曽駒ヶ岳はロープウェイを使って簡単にアクセスができる山ですが、乗越浄土付近は急斜面になっており、登りもさることながら、下山時には「こんなに急斜面だったのか」と恐怖で下山できない人がいるほどです。

今回の遭難者ではありませんが、千畳敷にパトロールに行った救助隊員によれば

  • チェーンスパイク(軽アイゼン)で登る方
  • アイゼンを正しく履けない方
  • 雪崩三種の神器(ビーコン・プローブ・ショベル)を携行していない方、使えない方

を多く見かけるようです。

雪山に挑戦するみなさんには、「キホン」をしっかりと学び、身につけてからの入山を強くお願いします。なお、自分自身の実力がわからないという方は、山岳会やガイド登山などで客観的に把握することも大変有効です。

 

焼岳、噴火警戒レベル「2」に引き上げ

気象庁は、北アルプス焼岳で、山頂付近を震源とする微小な火山性地震が増加したことから、3月4日(火)9時20分に「噴火警戒レベル2」(火口周辺規制)に引き上げました。

<火山活動の状況> 
焼岳では、3月3日の14時ごろから山頂付近を震源とする微小な火山性地震が増加しています。GNSS連続観測では、山頂付近で緩やかな膨張を示すと考えられる変化が続いており、中長期的に火山活動が高まってきています。想定火口域からおおむね1kmの範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。

<防災上の警戒事項など> 
想定火口域からおおむね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。地元自治体などの指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください。

■御嶽山も 噴火警戒レベル「2」が続いています

御嶽山は、1月16日(木)「火口周辺警報」が発表され、噴火警戒レベルが「2」(火口周辺規制)に引き上げられ、継続中です。

地元町村等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。噴火時には、風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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