日中の寒暖差が大きい季節、雪質の状態を把握して行動を 島崎三歩の「山岳通信」 第388号

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長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第388号では、県内でも本格的な春が訪れ、日中と朝夕の温度差が大きくなっていることを説明。雪質の変化を把握して行動することを促している。


4月10日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第388号では、期間中に起きた1件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 4月5日(土)、北アルプスの白馬乗鞍岳で、バックカントリー滑走のため2人パーティで入山した50歳と15歳の男性が、天狗原から滑走中に道に迷い、行動不能となった。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

先週、長野県内では、1件の山岳遭難が発生しました。4月に入り、本格的な春山シーズンが訪れました。しかし、麓では春の陽気でも、県内の山々はまだまだ雪に覆われ、標高の高い山域では、天気が急変すれば真冬に逆戻りすることがあります。

春山では、標高の高い山域は日中の寒暖差が大きくなるにつれ、雪解けが進み、雪質が大変不安定な状態となり、雪崩や雪庇崩壊のリスクが高まります。入山する際は、ビーコンやスコップなどの雪崩対策装備の携行はもちろんのこと、事前の天候、積雪状況の確認を行ない、無理のない安全な登山を心掛けてください。 

 

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プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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