スノーエリアは冬旅の目玉の宝庫。スキーも観光も楽しもう

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スキーで訪れる雪国。せっかくなら、旅そのものも楽しもう。街並みや味覚、祭りなどの行事まで、冬ならではの楽しみはたくさんある。

文=中橋秀和 写真=PIXTA


スキー・スノーボードの旅は、滑る以外にもプラスアルファの旅の楽しみが存在する。たとえば温泉。冬の温泉といえば、しっかりと全身を温めることができ、スキーの疲れを癒やしてくれる。全国で唯一村名に「温泉」がつく長野県の野沢温泉村は、野沢温泉スキー場と外湯で有名な温泉街を擁している。千人風呂で有名な青森県の酸ヶ湯は、八甲田スキー場の麓。岩手県の安比高原や八幡平リゾートからは、露天風呂で定評のある松川温泉に寄ることもできる。日本で最も有名な草津温泉も、草津スキー場の麓だ。札幌から約1時間の定山渓温泉も、近くに複数のスキー場が存在する。至るところに火山のある日本では、多くのスキー場の近くに温泉もあり、スキーと温泉は定番といってもいいだろう。

冬の草津温泉の湯畑
冬の草津温泉の湯畑

また、スキー場の近くにはたくさんの観光スポットも存在する。北海道であれば訪日外国人に大人気の小樽。小樽の海を眺めることのできるスキー場が小樽天狗山スキー場であり、朝里川温泉スキー場だ。ニセコエリアやキロロスキー場、ルスツスキー場なども小樽を予定に加えることができる。冬の小樽運河は、雪と倉庫、さらに歩道のランプとのコントラストが美しく、人気の観光エリアとなっているのもうなずけるところだ。福島県では訪日外国人の人気で常にトップを争う大内宿。街道と地形により奇跡的に古い宿場が残り、冬は茅葺き屋根に積もった雪がさらに趣を増す。大内宿はネコママウンテンや会津高原だいくらスキー場やたかつえスキー場などに行った際に、立ち寄ることも可能だ。岐阜県の白川郷の周辺にもいくつものスキー場がある。

小樽運河の倉庫街
小樽運河の倉庫街
福島県の大内宿
福島県の大内宿

さらに食。先程の大内宿では高遠そばが有名だ。このそばは長野県伊那市の高遠がルーツながら、この地ではネギ1本で食べるという様式が今も残っている。ほかにも野沢温泉の野沢菜、小樽の寿司のように定番ともいえる食べ物があり、定番ではなくともその土地で高く評価されている飲食店もたくさんある。せっかくスキーに出かけたのなら、おいしい食べ物を探して、そのエリアにお気に入りのお店を作るのも楽しい。

大内宿のそば
大内宿のそばは箸ではなくネギで食べる

スキーやスノーボードは雪国ならではのアクティビティー。もちろん第一の目的は滑ることだが、せっかくスキー場に「旅」をするのだから、欲張ってその土地の文化や食に触れてしまおう。たとえば野沢温泉村では、毎年1月15日の夜に道祖神祭り(火祭り)が行なわれる。村の厄年の男達が長い時間をかけて準備するお祭りのフィナーレで、祭りの熱気は冬の寒さも吹き飛ばす。野沢温泉スキー場に行くのなら、ここに日程を合わせるのも「冬旅」をより楽しく熱くしてくれる(チケット制になっているので、詳細は野沢温泉マウンテンリゾート観光局まで)。ぜひ、事前にいろいろな情報を集めてスキーの旅を充実させてほしい。

野沢温泉村の道祖神火祭り
野沢温泉村の道祖神火祭り
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プロフィール

中橋秀和(なかはし・ひでかず)

競技スキー専門誌の編集長を経て山と溪谷社に入社。高校時代はスキー部に所属し、その後大学までは競技スキーを行なう。以後、さまざまなスタイルのスキーを楽しんでおり、山と溪谷社入社以降は山スキーがメインになっている。火打山(新潟県)に初めて登って滑ったのは中学生のとき。元skier編集人。『山スキールート212』(山と溪谷社)共同執筆。

スキー場をもっと楽しもう!

日本には400を超えるスキー場があります。リフトが整備され、ゲレンデの雪面が整備されたスキー場は、安全に雪山を楽しむための条件がそろっています。

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