入念な登山計画や慎重な行動で遭難は未然に防げることが多い。 島崎三歩の「山岳通信」 第124号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年9月10日に配信された第124号では、8件の遭難事例について説明。慎重な登山計画や行動で、防げる山岳遭難事例が多いことに言及している。

 

9月10日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第124号では、8月20日~26日に起きた8件の山岳遭難事例について説明している。以下に抜粋・掲載する。

  • 8月20日、北アルプス大キレットで、68歳の男性が南岳から北穂高岳に向けて縦走中に大キレット長谷川ピーク付近で滑落する山岳遭難が発生。県警ヘリで救助されたものの死亡が確認された。

  • 8月20日、八ヶ岳連峰高見石で、74歳の男性が白駒池から下山中に地蔵仏付近で疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。翌21日に茅野警察署員により発見され、同行下山した。

  • 8月21日、北アルプス奥穂高岳で、男性3名(62歳、22歳、21歳)が畳岩尾根周辺で岩登り中に装備品不足のため行動不能となる山岳遭難が発生。県警山岳遭難救助隊および夏山常駐パトロール隊と同行下山し、付近の山小屋に収容された。

  • 8月21日、八ヶ岳連峰天狗岳で、70歳の女性が奥蓼科登山口から黒百合ヒュッテに向けて登山中に黒百合平付近で岩の上で足を滑らせて転倒、足を負傷する山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 8月22日、北アルプス燕岳で、52歳の女性が中房温泉登山口から燕山荘に向けて登山中、合戦小屋付近で熱中症により行動不能となる山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

  • 8月22日、八ヶ岳連峰蓼科山で、44歳の男性が蓼科山から下山中に熱中症により行動不能となる山岳遭難が発生。消防隊員により救助された。

  • 8月25日、北アルプス唐松岳で、65歳の男性が八方池から下山中に八方山付近で転倒して負傷する山岳遭難が発生。大町署山岳遭難救助隊などにより救助された。

  • 8月25日、北アルプス七倉岳で、63歳の男性が七倉山荘から七倉沢を沢登り中に滑落して右足骨折の重傷を負う山岳遭難が発生。県警ヘリで救助された。

北アルプス・七倉岳の遭難現場(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)8月29日付)

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

8月4週は、8件の山岳遭難が発生しました。熱中症、疲労による遭難は、入念な登山計画や登山中のこまめな水分補給、体調管理によって防ぐことができます。これから登山を計画している人は、自分の体力に見合った登山行程なのかをもう一度見直し、安全な登山を心掛けてください。登山は、下山するまでが登山です。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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