下山後は、とっておきのご褒美を。秋川渓谷 瀬音の湯(東京都あきる野市)

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今回は下山後に武蔵五日市駅から帰る前に立ち寄りたい食事処と温泉をご紹介。西野 淑子さんの「下山メシ」、14回目は「秋川渓谷 瀬音の湯」。

瀬音の湯内「森のテラス」(画像提供=秋川渓谷 瀬音の湯)

 

ちょっとした贅沢のなかでも「瀬音の湯」は別格

下山後の温泉は気持ちいい。

湯船に浸かったときの、歩き疲れた身体がふわーっとほどけていく感じがいい。寒い時期なら体がじわじわと暖まっていく感じがいい。ややぬるめの湯にずっと浸かり続けるのもいいし、うんと熱い湯にガツンと浸かるのも実は好きだ。

とはいえ、山の場合は帰りのバスや電車の時間が気になってしまう。家に戻ってからしなくてはならないことも考えると、ことさら日帰りの場合、私にとって下山後の温泉はちょっとした贅沢なのだ。

山行を終え、JR五日市線武蔵五日市駅へ向かうバスに乗り、途中下車して立ち寄る、秋川渓谷 瀬音の湯は「とっておきのご褒美」の位置づけだ。

内湯といっても、この開放感(画像提供=秋川渓谷 瀬音の湯)


男女別に内湯と露天風呂。内湯は明るいガラス張りで外の樹林が見渡せる。露天風呂は樹林に面していて、内湯にいても、なんとなく森林浴をしているような気持ちになるのだ。露天風呂も悪くはないのだが、内湯の広い湯船に浸かり、外の樹林をぼけーっと眺めるのが好きだ。なめらかな肌触りの温泉の感触がよくて、何度も腕をさすってしまう。ジャクジーもジェットバスも寝湯もないが、お湯がよくて眺めがいいから全然かまわない。

 

モダンな和食ダイニングで入浴後もゆったりと

入浴後は食事どころ「和食だいにんぐ川霧」で下山メシ。

店内はモダンな雰囲気で、明るいガラス張り。周りの山々を眺めて食事ができる。おひとりさまでもカウンター席があり、外の景色を楽しみながらゆっくりと時間を過ごせるのが嬉しい限りだ。

和食だいにんぐ川霧の店内はガラスに囲まれ、明るく開放的(画像提供=秋川渓谷 瀬音の湯)


和食膳やそば、うどんがあり、お店のおすすめは「瀬音膳」。季節替わりのメインに、小鉢や温泉玉子がつく。噛むほどに味わいがあるご飯は宮城県産のひとめぼれなのだそう。地元産の食材とか郷土料理的なものがメニューにあるといいのにと思いつつも、ご飯がちゃんと美味しいのはいいな、ご飯と揚げ物の組み合わせはやっぱりいいなと幸せをかみしめる。身体の中からじわっと温まり、ちょうどいい感じにお腹がふくれていく。

季節によってメニューが替わる「瀬音膳」


それほど数の多くないメニューだがどれも美味しそうで、隣の人が食べているものがとても気になってしまうのもいつものこと。とくに気になるのがそば。つやつやとしていかにも美味しそうなそばは、地元の製麺所で作られたそばだとか。こちらもいずれは味わいたい。

先日、久々に山の帰りに瀬音の湯に立ち寄った。

ゆっくりと温泉に浸かって身体を温め、食事どころのカウンター席でビールを飲み、食事を済ませてふと見たら、隣接の森のテラスがなんとも心地よさそうだった。風呂上がりに、ビールを飲みながら、春の風を感じながらぼけーっと過ごせたらなんて素敵だろう。もう少し暖かくなってきたらまた出かけよう。

 

今日のお店「秋川渓谷 瀬音の湯」

東京都あきる野市乙津565
042-595-2614
http://www.seotonoyu.jp/

プロフィール

西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)

初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。

下山メシのよろこび

登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。

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