信越トレイル
JAPAN TRAIL 本線
信越トレイル
信越トレイルは、長野県と新潟県の県境に連なる関田山脈(せきださんみゃく)から苗場山麓を縫うように続く、全長約110kmのロングトレイルです。本トレイルは、すべてのコースがJAPAN TRAIL本線上にあります。
長野県と新潟県の県境に連なる信越トレイルは、かつて信濃と越後を結んだ16の峠道が走る関田山脈と「秘境」と称された苗場山麓の集落を巡り、「歩く」こと自体を楽しむ道として、多くのハイカーに親しまれています。
この地域は日本有数の豪雪地帯に位置し、場所によっては積雪が8mを超え、半年以上も雪に閉ざされることがあります。こうした厳しい気候が、ブナを中心とした豊かな森を育み、同時に沿線地域の独特な文化を醸成してきました。例えば、苗場山麓の中津川(なかつがわ)上流域に点在する「秋山郷」(あきやまごう)は、その雪深さから冬季は外部との往来が断たれ、独自の文化が発展した「秘境」として知られています。
かつては親鸞聖人や上杉謙信、越後(高田)瞽女(ごぜ)なども往来し、人々の暮らしや文化が行き交ったこの道を歩くことで、自然と人の歴史が織りなす豊かな時間に身を置くことができます。四季折々に姿を変える森、静かに佇む集落、地域に息づく伝統文化や人とのふれあい――それらすべてが、信越トレイルの魅力を形づくっています。歩けば歩くほど、土地の深みに触れられる。この道は、まさに“長く歩くほどに深くなる旅”への誘いなのです。
こんな人におすすめ
初心者からベテランまで、歩く人それぞれの体力や興味に合わせて10のセクションハイクを楽しむことができます。体力度は、5段階に分かれて表記していますので詳細は、下記のサイトを参照ください。
アドバイス
プランニング
信越トレイルは全10セクションに分かれており、1日1セクション(約10~17km、所要時間6~8時間)を歩くのが一般的な目安。周辺の宿泊施設を利用すると、より快適に歩くことができます。また、サブルートと組み合わせて自分で周回ルートを作ったり、各セクションの見どころを往復する5~6km程度のハイキングも可能です。
セクションハイクは各峠などからトレイルにアクセスできます。テント泊でのスルーハイクの場合は、指定テントサイトを利用し、1日あたり約15〜20kmを歩いて8泊9日で踏破するのが一般的です。
宿泊
トレイル沿線の各エリアには、宿泊施設があります。これらの宿では、トレイルヘッドまでに送迎サポートを受けられる場合があります(要問合せ)。
テント泊の場合は、トレイル沿線にある信越トレイル指定テントサイトを利用(要予約)します。テント泊道具一式を背負って歩くことで、より深く自然と向き合うトレイル体験ができるでしょう。
季節
残雪の状況にもよりますが、トレイルを歩ける時期は例年以下のとおりです。
- セクション1・2
- 5月下旬〜11月初旬
- セクション3・4
- 6月上旬〜11月初旬
- セクション5〜9
- 6月下旬〜11月初旬
- セクション10(苗場山)
- 7月上旬〜10月下旬(雪解けは例年7月上旬ごろ。早ければ9月下旬には再び降雪があり、10月20日前後に山小屋が閉鎖されます)
いずれのセクションも、シーズンの始まりと終わりには残雪や降雪の可能性があるため、最新情報の確認をおすすめします。
アクセス
11月第2週頃から、主要な峠道は冬期通行止めとなり、トレイルヘッドまで車でアクセスすることができなくなります。さらに、降雪が重なると緊急車両も進入できなくなるため、安全管理の観点から冬期通行止め開始以降のハイキングはおすすめできません。
また、斑尾エリア・戸狩温泉エリア・セクション8〜9では、冬期に一部の標識が撤去されるため、道迷いのリスクが高まります。
アクセス道路の最新情報は、以下のリンクをご確認ください。
その他
秋のハイキングについて
信越トレイルのベストシーズンは、9月後半〜10月前半です。ただし、秋は日没が早く、森の中では午後4時を過ぎると急に暗くなります。ヘッドライトを必ず携行し、早めの出発・早めの到着を心がけてください。そのほか、信越トレイルを安全・快適に歩くための基本情報は、必ず下記をご確認ください。
初めてはガイドやツアーがおすすめ
信越トレイルが初めての方には、ガイドの同行やガイド付きツアーへの参加をおすすめします。
信越トレイルクラブに登録している多くのガイドは地元出身で、日頃からこの地の自然とふれあいながら暮らしています。彼らと一緒に歩けば、珍しい植物、動物の痕跡、歴史の足跡など、一人では気づきにくい発見や感動に満ちた体験が待っています。
ガイドのご依頼・ご相談は、信越トレイルクラブ事務局までお気軽に!
ヤマタイム
登山地図&登山計画マネージャ「ヤマタイム」で計画を立てられます。


