八ヶ岳山麓スーパートレイル

八ヶ岳山麓スーパートレイル

JAPAN TRAIL 本線

八ヶ岳山麓スーパートレイル

八ヶ岳山麓スーパートレイルは、長野県・山梨県にまたがる八ヶ岳連峰の山麓を巡る約185㎞の道です。縄文遺跡や黒曜石の産地跡、国宝土偶、御柱祭の伐採地、武田信玄の軍用路などが点在。自然と歴史を五感で感じられる、多彩な文化と景観が魅力です。

太古から続く森を歩き、悠久の時を感じる 八ヶ岳山麓スーパートレイル

タイプ(環境) 登山、森、草原、里山
ベストシーズン 6月~10月
スルーハイク日数 14泊15日
総距離 182.5km

公式サイト

このトレイルは、日本のほぼ中央、長野県と山梨県にまたがる八ヶ岳中信高原国定公園の八ヶ岳連峰の山麓に位置し、茅野(ちの)市や北杜(ほくと)市など12市町村に広がっています。標高1029mの三分一湧水(さんぶいちゆうすい)から、2093mの大河原(おおかわら)峠までを巡るルートで、自然と歴史を五感で味わいながら歩ける道です。

トレイル上には、旧石器時代から縄文時代の遺跡が点在しています。和田(わだ)峠の黒曜石の産地に近い八島(やしま)湿原には、八島ヶ池つつじヶ丘遺跡があり、山麓には有名な尖石(とがりいし)遺跡も存在します。ここで採れた黒曜石は、青森の三内丸山(さんないまるやま)遺跡や北海道の幸連(こうれん)5遺跡からも出土しており、縄文人が遠くまで運んだ交易の道の起点でもありました。また、茅野市では、国宝に指定された「縄文のビーナス」や「仮面の女神」といった土偶も出土しています。

ほかにも、諏訪(すわ)大社の御柱(おんばしら)祭に使われたモミの巨木の伐採地や、疎水百選に選ばれた塩沢(しおざわ)堰の清流が流れる散策路もあり、自然と信仰の歴史を感じることができます。さらに、戦国時代に武田信玄が北信濃攻略のために築いた軍用道路「棒道(ぼうみち)」は、今では「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれた人気の自然散策路。そのほかにも、江戸時代の用水路や昭和期の鉄山跡など、多彩な時代の道が重なり合う、歴史と自然の宝庫です。

こんな人におすすめ

このトレイルは、散歩感覚で歩けるコースから登山入門レベルまで、15のエリアで構成されています。冬季を除けば、ロングトレイル初心者でも十分に楽しめる内容です。一部のコースを除き、体力に応じて距離を調整できるため、体力に自信のない方でも安心して歩けます。出発地点を変えれば、登りと下りのルートを入れ替えることも可能です。さらに、沿道には歴史的な遺構も多く、自然と歴史の両方を楽しみたい方におすすめです。

アドバイス

プランニング

このトレイルは標高差が1000mあり、自然環境が非常に厳しい地域に位置しています。突然の豪雨や豪雪、土砂崩れなどが発生することもあるため、安全第一で、ゆとりある計画を立てて行動してください。出発前には、必ず天気予報や道路情報を確認し、服装や装備も万全に整えましょう。

宿泊

トレイル周辺には専用の宿泊施設やテントサイトはありません。周辺の宿泊施設やキャンプ場は、季節限定営業や予約制の場合が多いため、事前に営業状況を確認してください。

季節

四季を通じて楽しめるエリアもありますが、積雪期には雪崩の危険がある本格的な冬山となるため、充分な注意が必要です。また、日陰のない草原や舗装道路の熱気、雷、ハチなどにも注意し、安全第一で行動してください。

アクセス

アクセスには、JR下諏訪駅、上諏訪駅、茅野駅、甲斐小泉(かいこいずみ)駅、清里(きよさと)駅、野辺山(のべやま)駅、松原湖駅などが便利です。各駅からはバスやタクシーを利用してトレイルへ向かうことができ、バス停も点在しているため、区間ごとに楽しむセクションハイキングにも適しています。なお、冬季にマイカーで訪れる場合は、必ず冬用タイヤを装着してください。