行程・コース
天候
初日、二日目とも快晴
利用した登山口
登山口へのアクセス
バス
その他:
(行き)
新宿バスタ23:05発の中央高速バス栂池高原行き
白馬八方5:58着
ゴンドラ「アダム」券売開始7:00、運行開始7:30 (八方池山荘まで往復2900円)
(帰り)白馬八方14:15発中央高速バス新宿行き 渋滞で1時間半遅れの20:55着
この登山記録の行程
【1日目】
八方池山荘(08:15)・・・第三ケルン(09:04)・・・丸山(10:34)・・・唐松岳頂上山荘(11:30)[休憩 54分]・・・唐松岳(12:46)[休憩 20分]・・・唐松岳頂上山荘(13:24)
【2日目】
唐松岳頂上山荘(07:10)・・・丸山(07:57)・・・第三ケルン(08:47)[休憩 5分]・・・八方池山荘(09:27)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
雪の後立山連峰や剱岳の姿が見たくて、八方尾根を唐松岳まで登ってきました。今シーズンは、3月以降の高温の影響もあり雪が少ないですが、快晴の空のもと雪の峰々の大展望を堪能してきました。
これまで積雪期の北アルプスには3回登りました。最初は、2016年5月に燕岳で、燕山荘のガイド付きツアーに参加。次は、2017年の正月に再び燕岳へ単独登山。厳冬期とは言え、営業小屋があり天候にも恵まれて危険を感じることなく白銀の峰々をまじかに楽しむことができました。2017年5月には単独で蝶ヶ岳に登り、雄大な槍穂高連峰の姿を楽しみました。
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=59168
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=84564
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=91294
今シーズンは、雪山に登る機会がなかったので久しぶりの積雪期登山で、営業小屋利用で残雪期の北アルプスの入門的コースである八方尾根から唐松岳のコースを選びました。ゴンドラやリフトで1800m超まで標高を稼げ、稜線上には唐松岳頂上山荘が4月28日からの営業。経験の浅い私からすれば、ありがたいコースです。
GW中の夜行高速バスの予約をしていたのですが、連休前日早朝にサイトをチェックしたらなんと当日の座席が確保できました。当初予定より1日早く心の準備が整わず、いささか慌てながら出発です。GW初日ということでゴンドラの切符売り場にはさぞやたくさんの人が並んでいると思いきや、誰もおらず拍子抜け。ゴンドラやリフトを乗り継いで登って行くと、中腹はガスでしたが、やがて雲の上部に飛び出し、あたりは快晴。北側に白馬三山、南に五竜、鹿島槍ヶ岳と雪を戴いた名峰が立ち並んで気分が高揚します。
八方池山荘(両日とも設備故障で休業でした)からは、雪がシャーベット状に腐っていることを確認して、まずはツボ足で歩き始めます。体調が万全ではなく、ペースがなかなか上がりませんが、右を見ても左を見ても雪を戴いた名だたる名峰、苦にはなりません。夏道、雪道と交互に出てきますが、危険箇所は特にありません。もともと八方尾根は蛇紋岩(これが独特の高山植物の植生を作り出すのですが)の滑りやすい岩ですから、そこは夏同様に注意。雪面は早朝はややしまっていましたが、両日ともにシャーベット状で腐っている状態。刻々と雪が溶けていますが、この日の状態であれば下ノ樺あたりまではつぼ足で十分。
下ノ樺から上部は傾斜が強い箇所や、ちょっといやらしいトラバースが頂上山荘裏手のピーク手前にあるので、アイゼンがあるといいでしょう。私は12本爪アイゼンを装着しましたが、6本爪やチェーンスパイクで登っている方もいました。ピッケルも持参しましたが、結局ダブルストックで全コースを登りました。またほぼ無風で上着や手袋も外して歩いたのですが、丸山あたりから冷たい強風が吹き付け体温が急に下がります。再度上着や手袋を装着しますが、春山は油断ならないと改めて感じました。
稜線に飛び出ると、目の前に黒部渓谷を挟んで剱岳をはじめとした立山連峰、稜線の左右には五竜・鹿島槍ヶ岳から、唐松岳や不帰の嶮をへて白馬鑓ヶ岳の大展望が一気に広がります。体調が今ひとつなのと、冷たい強風に吹かれたので暖かい山荘でまずはランチとします。なお頂上山荘は、昼食の提供はしていませんので、ランチは持参のこと。12時から宿泊受付が始まりましたが、本日が営業開始初日、私がどうやら今シーズン最初の受付となったようです。
すでに唐松岳から戻ってきた登山者は、アイゼンやピッケルが不要という人もいれば、あった方がいいという人もいましたが、まあ自分の実力と相談してアイゼン片手に空荷で雪のあるところまで登り、装着後に山頂を目指しました。雪が腐っているので、アイゼンなしでも結果的には登れたと思いますが、下りはそれでもあったほうが安心でしょう。
小屋では4畳に6人の割合で寝ました。年々GW期間中の登山者が増えているという声を聞きました。
翌朝も快晴ですが、下層に薄い雲が広がり、残念ながらモルゲンロートは空振り。日帰りも可能なコースを、下るだけなのでゆっくり朝食をとり、山荘前からの絶景を楽しみます。おかげで本人はちょっとした光や雲の様子をが変わったとシャッターを切るのですが、あとで見たら同じような写真がそれこそ山のよう・・・笑。
途中短い夏道も出て来ますが、下りも下ノ樺あたりまではアイゼン、そこから先はツボ足で十分でしょう。
八方に降りたら、いつものように「八方の湯」(800円)で汗を流し、「そば工房 林檎舎(りんごや)」で美味しい信州蕎麦をいただきます。帰りは中央高速で渋滞につかまり、定刻より1時間半ほど遅れて新宿に到着。まずはGW前半、絶好の登山日和を楽しみました。
コース定数24.5
フォトギャラリー:69枚
お社の横に白馬村指定天然記念物のエドヒガンザクラ。無事の登山をお願いする。
ゴンドラの切符販売開始は7時、運転は7時半から。登山届けを出さないと切符を売ってもらえない。長い列を予期していたのに、だれもいなくて拍子抜け
スキーヤーとともにゴンドラに乗り込む
中腹はガスに覆われていたが、それが切れると・・・
ドーンと快晴の鹿島槍ヶ岳に五竜岳。よっしゃー!また快晴を引き当てたぜ〜!!
八方池山荘は水道設備の故障でこの日は休業。ここ実は今まで一度も入ったことがなく、縁遠いのかしら・・・
白馬三山
鹿島槍ヶ岳に五竜岳。これは贅沢な眺めだなあ
不帰III峰からI峰が並ぶ
雪も少なく腐っているのでつぼ足で登る
鹿島槍ヶ岳と五竜岳
下ノ樺。この辺りでアイゼンを装着すると良い。
下ノ樺から白馬鑓ガ岳。八方尾根からだと白馬岳よりも存在感が大きい
下ノ樺より上部は、腐った雪の急登も。それまでほぼ無風で上着も脱いでいたのだが、冷たく強い風が吹き付け始め再び上着、手袋を装着。頬などしもやけになるんじゃないかと思ったほど。春山は防風、防寒の備えを忘れずに
左手は白馬三山
右手には鹿島槍ヶ岳に五竜岳
君は何に心を奪われ、射抜かれてしまったのか
右から不帰I峰、II峰、III峰
丸山ケルンあたりから不帰II峰とI峰のコル
右端に唐松岳
山頂山荘背後の小ピークに向かうトラバース。この写真では大したことなく見えるが、左手の傾斜が大きくちょっといやらしい
不帰III峰とII峰のコルの先には日本海側の雲海
稜線への最後のひと登り。右には唐松岳
稜線に飛び出すと目の前に剱岳がドーン!
唐松岳頂上山荘に到着
五竜岳
今シーズン初の北アルプス、2000m峰。唐松岳山頂(2696m)
五竜岳の右側に穂高岳、槍ヶ岳も顔を出している
槍穂高のアップ
不帰から唐松沢への落ち込み
山頂から白馬三山への縦走路
山頂から剱岳
残雪の絶景を堪能してから、唐松岳から頂上山荘へ戻る
左の唐松岳から不帰I峰
夕映えの剱岳
二日目のご来光
残念ながら火下層に薄く雲がかかっていて、ほとんど焼けなかった
朝日に飛行機雲
朝日を受ける剱岳。左手に控えるのは別山や黒部別山かな
朝焼けの五竜岳
今朝も快晴
名残惜しいけれど、八方尾根を下っていきます
五竜岳。あちこちにクラックが走っていてブロック雪崩なども起きるのだろう
不帰III峰とII峰南峰。同じような写真ばかりだけれど、八方尾根をピストンしているだけだからね
中央の唐松岳から右へ不帰
雷鳥。教えてもらわなければ気付かないところだった
雷鳥が眺めていたのはこんな景色
下ノ樺あたりまで降りてきた。下もアイゼンはこのあたりまででいいだろう
下ノ樺辺りから白馬三山が再びよく見えるようになる
鹿島槍ヶ岳に五竜岳は、本日もよく見える
雪に覆われた八方池から不帰、天狗の大下り。画面中央に見えにくいけど飯盛神社の祠が写っている。いつも思うのだけど、不帰III峰、II峰、I峰ってちょうど白馬鑓、杓子岳、白馬岳の相似形になってません?
八方ケルンまで戻ってきました
白馬村に戻りました
無事下山してまいりました。
白馬村から白馬鑓ヶ岳
白馬八方に下りた時の定番、「そば工房 林檎舎(りんごや)」で辛味大根、そばつゆ、胡桃だれのそば三昧をいただく。ちなみにお店の方に聞いたら、長野では胡桃ダレでいただくのが一番人気があるそうな
白馬鑓ヶ岳と杓子岳




