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これは山行記録ではなく、シロヤシオの開花時期についての考察です。
地図はダミーです
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今回はシロヤシオの大ファンを自認する出戻り登山者が、いつどこへ彼女に会いに行けばいいのか、あれこれ考えていることを(恥を忍んで)ご紹介します。大胆にもシロヤシオの開花時期を当てようという、恋する登山者のドタバタ喜劇。予想に責任は持てないので、眉にたっぷり唾してご覧ください。
<シロヤシオの開花時期を探る>
私はシロヤシオの清楚な美しさにすっかり参ってしまっているのですが、悩ましいのはいつどこで咲くのか見当をつけることです。もちろん皆さんのレコが参考になるのですが、「○○山で満開でした~!」というレコを見ても、そこに行けるのは1週間後の週末で見ごろを過ぎてしまう恐れがあります。満開情報片手にすぐに有給休暇を取る手もありますが、そう何度も使える手ではありません。ではどうすればいいのだろうと考えてみました。
<当たり年・外れ年>
シロヤシオは年によって花つきが大きく異なります。最近では2016年が当たり年で、2017年は外れ年。この当たりはずれには、5~6年の周期があるという話を聞きますが、「大当たり」かどうかは別にしても、過去数年は2014年当たり、2015年外れ、2016年大当たり、2017年外れと、おおむね隔年で当たりと外れを繰り返しているようです。この隔年周期が妥当だとすると、今年は「あたり」ということになるはずですが・・・。
<平年との気温差に着目>
もう一つは開花時期の問題。開花時期はシロヤシオに限らず、年によってかなり変動しますが、桜のように大まかには天候、なかでも気温との関係が大きいように思われます。試みに、気象庁が発表している東京の平年気温と実際の日中平均気温との差を取って累積値をとると最初のグラフのようになり、今年の3月以降は平年よりも高い気温が続き、「季節の進み」がここ数年と比較しても早い(開花時期が早い)ことが示唆されます。
これは実際の桜や皆さんのレコに上がっている様々な花の開花時期が例年よりもかなり早いことともつじつまが合うでしょう。細かいことを言い出せばきりがないのですが、ここでは東京の平年気温と実際の日中平均気温との差を3月を起点にした累積値を「季節の進み」と考えてみました。この累積値が大きいほど例年よりも「季節の進み」が早いと考えるわけです。
ちなみに、単純な平年との気温差の累積ではなく、平年を上回った日に限って累積値を求めたのは、平年よりも高い気温に応じて早く花芽が生育し、仮にその後平年よりも寒い日が続いても、生育段階は逆戻りせずに(咲きかけの膨らんだつぼみが固いつぼみに戻ったりしない、一種のラチェット効果)、足踏みするだけと考えたためです。もちろん「平年並み」でも季節は進みますからその補正も必要ですが、ここでは割愛します。
<標高と開花時期の関係>
次に、関東地方の主なシロヤシオ群生地の標高と、ヤマケイオンラインやヤマレコで皆さんが満開を報告した日の関係を示したのが、二番目のグラフです。
このグラフから読み取れることはいくつかありますが、第一に同じ群生地でも年によって開花時期が大きく変動し、「季節の進み」で左右されていること。第二に、標高が低いところから開花が始まり、徐々に高い群生地へ移動していくこと。第三に、開花している標高が上がる速度(「峰走り」と呼ぶことにします)は、2016年の場合1週間で300m程度(1日あたり42.5m)で、「季節の進み」が遅かった2017年は175m/週程度(1日あたり25.2m)であることがわかります。
今年(2018年)は、5月1日時点で標高1000~1200mあたりでの満開の報告が入ってきていますが、2016年よりも10~14日ほど早いようです。これまでの報告から推計される今年の「峰走り」は260m/週弱(1日あたり36.5m)ですが、まだ報告事例が少ないのでサンプルバイアスも考慮するべきでしょう。今年は「季節の進み」が2016年よりもさらに早いことを踏まえると、2016年並みの300m/週あるいはそれ以上だとみていいのではないでしょうか?
で、ここまでの考えが正しいとすれば、GW後半5月5日、6日ごろのシロヤシオの開花ゾーンは、標高1300~1500mに達している計算になります。関東地方の群生地でいえば、中禅寺湖畔(1269m)、丹沢の畦ヶ丸(1292m)、那須の中ノ大倉山(1462m)、奥多摩の蕎麦粒山(1473m)あたりで見ごろ、三ツドッケ(1576m)や檜洞丸(1601m)まで峰走るのはさらに2~3日後という計算になるのですが・・・さて実際にはどうなるでしょうか??
(追記 5月2日時点で1300m付近でツボミという報告がありましたので、今週末時点では標高1500m辺りだとまだ少し早いかもしれません)
(2018年5月6日追記:5月5日に石棚山稜から檜洞丸に登り、仮説の検証を行ってきました。結果的に、盛りは標高1200〜1300m程度、1490mで咲き始めのシロヤシオもありましたが、全般的には蕾の状態で、過大推計だったことがわかりました。一方奥多摩では同日に標高1500m付近でもシロヤシオの開花が見られたようです。他にも興味深い点が出てきましたので、来シーズンに向けてもう少し研究してみようと思います。)
https://www.yamakei-online.com/cl_record/detail.php?id=125688
繰り返しになりますが、あくまでも一つの仮説に沿って計算してみた結果なので、実際にどうなるかわからないし責任も持てません。私自身こういう計算をして、どこへ行こうかなあと考えていますが、これだけで決められるかというと自信がありません。どこに登るか最後まで悩むと思いますが、半値八掛け五割引程度に笑って読んでいただければ幸いです。
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こんな素敵な彼女に会うためには・・・
2018年3月以降は、平年よりもかなり気温が高く推移し、「季節の進み」が早い。言い換えれば、開花時期も早い。




