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鷲羽岳

( 北アルプス・御嶽山)

パーティ: 1人 (いち に  さん )

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行程・コース

天候

初日:晴れのち曇り(ガス)、2日目:晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 新穂高無料駐車場

この登山記録の行程

初日:
新穂高温泉バス停05:01-05:11登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)05:14-05:29お助け風穴-05:42中崎橋-05:51笠新道登山口05:52-06:03わさび平小屋06:19-06:33小池新道入口-07:05秩父沢出合-07:13チボ岩-07:25イタドリが原07:26-07:44シシウドヶ原07:45-08:11鏡池-08:23鏡平山荘-08:59弓折乗越09:01-09:12花見平-09:21くろゆりベンチ-09:39双六池-09:45双六小屋10:05-10:24双六岳巻道分岐-10:28双六岳中道分岐10:29-11:04双六岳11:06-11:20中道分岐11:21-11:44丸山-12:03三俣蓮華岳-12:12三俣峠-12:37三俣山荘

2日目:
三俣山荘04:37-05:13鷲羽岳05:15-05:50三俣山荘-07:27三俣峠07:28-07:39三俣蓮華岳07:43-08:03丸山-08:20中道分岐08:21-08:41双六岳-09:04双六岳中道分岐09:06-09:07双六岳巻道分岐-09:27双六小屋09:31-09:35双六池-09:59くろゆりベンチ-10:08花見平-10:23弓折乗越-10:27弓折岳10:28-10:39大ノマ乗越-11:02大ノマ岳11:03-11:25秩父平11:26-12:24抜戸岳-12:43抜戸岳分岐12:44-12:48笠新道分岐-13:30杓子平-15:12笠新道登山口15:16-15:28中崎橋-15:44お助け風穴15:45-15:59登山口(双六岳・笠ヶ岳方面)16:02-16:07新穂高温泉駅

コース

総距離
約37.9km
累積標高差
上り約3,676m
下り約3,668m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

北アルプスへ。そう、あの北アルプスへ。ネットを見ても雑誌を見ても、猫も杓子も北アルプス。ならば北アルプスへ行くしかない。

ただ遠い。ええもう、かなり遠い。関東からは割とアクセスが良いのだろうか。関西からはイマイチのような、ネットを見る感じでは、どうなのだろう?

そして高速道路料金の夜間割引の時間帯もまた微妙。4時直前に高速に乗るのは到着が遅すぎる。0時ごろに高速を降りるようにするには到着が深夜すぎる。夕方ぐらいに到着したいのは山々だけど、いかんせん、悩みどころ。結局、満車覚悟で、ちょいと遠目の鍋平駐車場覚悟で、深夜着で行くことに。

20時ごろに出れば、おそらく飛騨清見に0時過ぎになるはず。頼りにしてるぜ、グーグルマップ。

果たして、20:05発で、ちょいちょい休憩を挟みつつ、飛騨清見に0:15着。完璧な時間設定。やるじゃないか、グーグルマップ。

グーグルマップに感謝しつつ、自己満足に浸りつつ、ふと見るとカーナビがパニクっている。おいおい、ナビに道がない。どこに連行されるのだ、この道は。ナビ、フリーズ。OMG! 致し方ございません。車を停めて、グーグルマップ。ネット接続されていないカーナビはもはや過去の遺物。ナビ屋さんの将来は明るくないかもしれない。一方、さすがグーグル先生。新たなルートを探索。ご苦労様です。さて、下道を延々と。サーっと雨が降ったり、ガスが出たり。先行き不安な旅路なり。

登山口に近い無料駐車場の入り口には満車の表示。やはりそうきたか。だが、そんなことで諦めない関西人魂。突っ込んでみなければわからないこともある。突っ込んでみればわかること。YES!空いてるじゃないですか。しかも複数。ただ、一つの空きスペースにおじさま寝袋でご就寝。ぱっと見は死体袋。この混雑状況でそれはアカンやろと、本当に死体袋にしてやろうかと思ったけれど、車が汚れるのでやめておこう。

到着は1:35。暗闇の5時間半のドライブ。辛いね。

3時間ほどの仮眠は暑苦しく、寝苦しく、狂おしく。車にも網戸を付けたい。5時に歩き出す。まずは登山口へ。駐車している車の数の割にはそれほど人の姿はなく。すでに山の中におられる方も多いのでしょう。

新穂高から双六目指してしばらく林道。砂利道だったりコンクリ舗装路だったり。それでも植生が全く違うので飽きることもなく、てくてくと。酷暑はどこへやら。災害規模の暑さもどこ吹く風。北アルプスの冷涼さに感動。六甲山とは違うのだよ。

林道のままわさび平小屋に到着。予定通り朝ごはん。バーナーもクッカーもまだ出番にあらず。コンビニパンでサクッと。いやフニャッと。わさび平は水が無料。飲み放題。コンビニで売ってやろうか。ボトルに入れてきた水道水を北アルプス天然水に入れ替える。

駐車場からわずか1時間のわさび平小屋に宿泊のお客様多数。なんでこんな近場で。ガイドと思しきお兄さんに連れられ、ヨタヨタご婦人準備体操。これは介護かリハビリか、そんなことは口が裂けても決して言えない。

7時ごろ、日も射し始め、気温の上昇に体温の上昇。そんな時の秩父沢。雪渓からの雪解け水が冷気とともに轟きながら流れて行く。一気に上がり過ぎた体の熱を奪ってくれる。ああ、ここから動きたくない。とはいえ、まだまだ登り始め。さ、次行こう。

鏡平の直前で「あと5分」の文字。他の登山者が「こういうのって5分じゃないよねー」と言っているのに共感しつつ、時間を計って確かめてやろうじゃないかと計測スタート。結果、ぴったり5分なり。うん。コースタイムペースなら無理だろう。ということで、山の「あと〜分」はやはりあてにならずが正解。

鏡池は淀んでいた。そう、どこでも止水は死んでいる。決して綺麗なものじゃない。湧水か流入水がなければ水は死ぬのです。特に見なくてもいいんじゃない。

さてこのあたりからガスがもくもくと。槍が顔を出したり隠したり。人見知りのガキンチョみたい。ばーんとご開帳しやがれ。

鏡平山荘には高校の登山部だろうか、おそろいのモンベルバッグの集団。そして先生たちはグレゴリー。そこの格差はなんだ。親御さんの経済事情が斟酌されているのだろうか。

この辺りが発汗の最大値。何もかもビショビショ。流れる。滴る。Tシャツもパンツも絞れる。暑さと涼しさのMIX。気温はそれほど高くないはず。それでもいつもより少し近い太陽が燃え盛っている。

花見平で雪の上を歩く。8月に雪を踏むとは、恐るべし北アルプス。しゃくしゃくの溶けゆく雪。冬にはいったいどれほど積もっていたのだろう。

山と山に挟まれた双六小屋の赤い屋根が見えると、もうすぐだという気持ちとその小ささにまだ結構あるなという相反する気持ちが湧き上がる。それでも徐々に大きくなる赤い屋根。見えてくる大きなテント場。こういう大規模なテン場より、こじんまりした方が好み。むしろ誰もいない避難小屋みたいなところでも。

双六小屋で昼ごはん。もちろん、小屋ご飯なんて贅沢は敵だ。コンビニおにぎりでさらっと。いや、もぐもぐと。喉の渇きに米が詰まる。

到着が遅ければ双六泊まりにしようかと思ったけれど、まだ10時。さ、三俣目指して双六岳を登る。ピークと思ったところは前峰だった。小屋から見ればこれがピークと思うやろ普通。双六岳山頂はガッスガス。なぜに。巻かずにせっかく来たのに。

三俣蓮華岳もガスまみれ。鷲羽岳の方面のみ展望あり。雨にならないことを祈りつつ三俣山荘へ。

三俣山荘のテン場は思った通りに素敵な場所。小川がテン場を横切り、低木が視界を遮る。テントはまだ2~3張り。小屋の受付で¥1,000支払い、日差しを考慮しながら低木のそばに幕営。支払い済みのカードをテントに結びつける。確かに、勝手にテント張ってもわからない。テン場以外は設営禁止ですし。

鷲羽岳に登りたかったけれど、ガスで展望悪そうだからと疲労困憊の足が断固拒否。それならば午後一杯何しよう。水場で水浴び。高山植物のお花見。山小屋でケーキセット¥1,200。双六より高い。この距離の運搬料か。

ぼんやりのんびりうろうろと。

ウクレレ弾きながら歌う人いたり、ウイスキーで宴会する人いたり、山にはいろんな人がいる。それぞれがそれぞれの山を楽しんでいる。

日が落ちるにつれて、槍が分厚い雲から顔を出す。鷲羽が朱に染まる。そして深い青が満ちてくる。

19時。良い子は早寝。最低気温は10度を下回るくらい。ロングのアンダーとTシャツで in the 寝袋。睡眠不足と長距離移動のおかげで即寝。風もなく、凍える寒さでもない。ふと目を覚ましたのは1時。これは日頃の睡眠時間のせいか。一度星を見に外へ出る。下弦の月が明るく星は少ない。数分外にいただけでさすがに寒くなってきた。上に羽織ったジャケットとパンツは着たまま再び in the 寝袋。

3:30頃出発する人が騒がしくなり始め、目が覚める。うつらうつらと4:30起きることにする。そうだ、鷲羽に登ろう。

日の出に間に合うかと少し急いで見たものの、鷲羽の8割ぐらいで槍に日が当たり始める。頂上からの景色は360度、遮る雲もなく、名だたる峰々が朝日を受けている。どれがどれかは知る由もなく。光と闇の攻防はこんなにも名状しがたい絵を描き出す。

鷲羽を登る際に脱いだ防風のジャケットは、頂上ではまた必要に。サブザックの必要性を実感。また山道具が増える。こうやって山道具屋さんの思う壺。

鷲羽を下り、朝食を食べ、テントをたたみ、さて帰ろう。三俣峠から巻道で帰る予定だったけど、せっかく晴れたから三俣蓮華岳へ再び。晴れた日に三俣蓮華から見る全方位展望は何物にも代え難いほど。巻道なんてもったいない。それを知って知らずか、ものの数分で人が集まり始める。あらら、こんな山奥のこんな小さなスペースにこれだけの人が。恐るべし北アルプス。

さて、昨日視界ゼロの双六岳にも。双六からの槍はもちろん、尾根が折り重なるように連なった先に見える笠ヶ岳も引けを取らない。巻道は9割ほど損しているかも。

双六小屋で双六Tシャツを買う。柄と色とサイズを言うと見本品しかないけど¥500値引きとのこと。¥2,300なり。もちろんそれで。むしろそれを。三俣Tはなぜかモンベルとのコラボで¥4,000。高いよ。諦めたよ。行った山小屋のTシャツを買おうと決めたけどあえなく挫折。水場とベンチを利用したからいいか。

双六から笠までコースタイム6時間。そんなにかかるのか。それでも行ってみよう。只今9:30。13時には着けるだろうか。途中で出会った山お姉さんには12時には着くぜとホラを吹きました。男ってそんなもん。そんな慢心を弓折、大ノマ、抜戸が打ち砕く。もうボロボロに。ヘロヘロのけちょんけちょんに。

抜戸の分岐で12:45。はるかかなたに見える笠を横目に下りを決意。ここで水と食料が全て尽きる。林道との分岐に水場があるけれど、笠新道のコースタイムは何時間だったか。これは巷で流行りの熱中症か脱水か。ドキドキしながら下る。
下る。
下る。
下る。
下る。
これ、どこまでーっと途中何度も心の中で叫びながら下る。

そして何度座り込んだことか。座ってふとそばに生えている木を見るとなんということでしょう。そこにはブルーベリーが。こんな偶然ってある?マジで?食べれんの?という自問に自答する間も無く、摘んでみた。

すっぱい。種多い。でも、大丈夫。水分だけ抽出してあとは山へ返す。量にしてほんの数滴。それでもなぜか気分がましに。酸味が良かったのかも。ビタミンCか?信心深ければ神の思し召しやらなんやら祈りを唱えるとこかもしれないが、ただ偶然に感謝。ちなみにグーグル先生によるとクロウスゴという種らしい。自生しているのか。

左俣谷の水音が大きくなるにつれ、いつまでたっても大きくならないような気もしながら、全身から脱水しつつ急ぎ降りる。急げば汗が出ることもわかっているけれど、それ以上に早く水場へ。こんなにも水が欲しくなったのは小学生の部活で旧式のトレーニングをさせられた時以来。スポーツに、いや人間に水は必要不可欠なものなのです。

絞りきった雑巾のような状態でたどり着いた笠新道登山口。なんということでしょう。団体様が行列をなしているではありませんか。新穂高からわずかに歩いただけで水場いらんやろと怒鳴る元気もなく、すぐそばのわさびで一泊するのに水場いらんやろと文句を言う気力もなく、大人しく並びました。

水1リットル一気飲みできるものです。飲んだ瞬間に全身からさらに汗。出る分も足りなかったのか。おかわりに行こうと思った瞬間、なんということでしょう。さらなる団体様ご到着。しかも多人数。しめて40名ほど。全員終わるの待てばいいんでしょう。待ちますよ。

ブルーベリーの偶然に水場の偶然。こんなこともあるもんだ。

センターへの近道というガセネタ看板に騙され、ようやく登山口へ。今回の温泉はどこにしよう。センターのおじさんに話を聞く。川沿いの露天風呂があるらしい。素敵じゃないですか。そこにしようと着いたものの、温泉手前の橋の上から全てが丸見え。何もかも。水着の白人一家がナチュラルアクティヴィティをエンジョイ中。そういう感じね。

踵を返し、少し手前のひがくの湯へ。がっつり定食に心をがっつり掴まれた。温泉は可もなく不可もなく。定食のがっつりさは本当にがっつり。山盛りご飯はデフォルトでしょうか?山だけに。

さて、誰か運転してくれ。無事に帰れる自信はかけらもない。

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • 楽しく読みました。
    山行の写真もアップしてください。
    見てみたい。

  • コメントありがとうございます。

    ただ記録のために書き散らしたものなので、こんなに長い拙文を読まれる方がいるなんて思いもしませんでした。お恥ずかしい限りです。

    リクエスト頂いたので写真をアップしました。ご覧いただけると幸いです。

  • 写真最高にきれいです。
    素敵な写真ありがとうございます。
    今年は表銀座を予定しているので来年は、裏銀座に行きたくなりました。

登った山

鷲羽岳

鷲羽岳

2,924m

三俣蓮華岳

三俣蓮華岳

2,841m

双六岳

双六岳

2,860m

弓折岳

弓折岳

2,592m

抜戸岳

抜戸岳

2,813m

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