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(赤石尾根)天祖山(ノーナギ尾根)長沢背稜(二軒小屋尾根)ワンデイハイク

赤石尾根、天祖山、ノーナギ尾根、小屋背戸ノ頭、長沢背稜、芋ノ木ドッケ、二軒小屋尾根( 関東)

パーティ: 1人 (加藤キーチ(モンターニャ) さん )

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行程・コース

天候

晴れのち曇り、場所によっては風あるも暑かった。

登山口へのアクセス

その他: 行き_
立川駅付近に前泊して06:31東日原バス停
帰り_
鍾乳洞バス停16:06~16:37奥多摩駅

この登山記録の行程

(丸ガッコ内は地理院地図の表記)
.
06:54~東日原バス停スタート
07:33~八丁橋
08:22~赤石尾根取り付き地点~08:30
09:04~(P1406)
09:33~天祖山
09:54~梯子坂ノクビレ~10:24
10:31~(P1662)の手前150mから無名の尾根を下降開始
11:22~長沢谷に降り、ノーナギ尾根の末端まで移動~11:48
11:48~ノーナギ尾根に取り付く
12:21~(P1548)
12:49~小屋背戸ノ頭=長沢背稜(P1818の東300m)~13:02
13:22~芋ノ木ドッケから二軒小屋尾根の下降開始
13:59~(P1594)
14:37~長沢谷にかかる橋をわたる
14:41~日原林道に上がる
15:39~八丁橋
16:00~鍾乳洞バス停フィニッシュ


コース

総距離
約26.2km
累積標高差
上り約3,441m
下り約3,457m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

吉備人出版の登山詳細図奥多摩(西)のいちばん左上、奥多摩最奥にある「ノーナギ尾根」がずっと気になってはいた。ただ、取り付きまではっきりした道筋がないこの尾根は苦労しそうな予感がして、山行計画のフォルダに入れっぱなしだった。久しぶりに思い出したところでもういちどプランを精査し、歩けそうな目処が立ったので出かけた。
.
○ ノーナギ尾根概略
尾根は長沢背稜の小屋背戸ノ頭から長沢谷に落ちている。取り付くには長沢谷を遡行するか・周辺の尾根を下降して向かうしかないが、沢登りはやらないし、ノーナギ尾根の末端は長沢谷が曲がりくねり岩崖記号が連なるあたりだ。周辺や対岸の尾根からアプローチするとしても、まず長沢谷に降りられるのか・次にノーナギに取り付けるのか。地形図や登山詳細図ではよくわからない。
.
webの記録は3件ヒットする。どれも奥多摩や秩父のオフトレイルをやるときにたどりつくことの多い記録者によるものだ。
まずは「花のひかり」のアーカイブ。
https://yamaarchive.web.fc2.com/2004.05.02.htm
古い記録が多く、ログがないのは当然として写真の掲載もない。熟達者向けの記録の残しかたであり、当方のような一般ハイカーには「むかし、ここを歩いた人がいる」程度しかわからない。
ふたつめは「樵路巡遊」。
http://medi-terra.net/yama/keisui/nagasawa.html
長沢谷の遡行記録。沢を詰めて長沢背稜に上がる途中でノーナギ尾根末端を通過している。こちらも簡潔な記録の残しかたの熟達者向き。
最後に、今年1月に歩いた地図・写真付きの記録を見つけた。これはありがたかった。記録者は東京緑峰クラブのタナカさん。
http://ryokuhow.blog.fc2.com/blog-entry-378.html
.
タナカさんの記録は「花のひかり」のkomadoさんの記録を下敷きにしている。孫惣谷(マグソダニ〉から天祖山裏参道をたどり梯子坂ノクビレに上がり、ノーナギを歩き終えたら下降には水松〈アララギ〉山から中尾根を選んでいる。ルートに興味はあったが、今回登りには歩いたことのない赤石尾根を、下降には一年前にきちんと歩けなかった二軒小屋尾根を選んだ。
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○ 赤石尾根
以前、奥多摩のMさんに東日原バス停でお会いしたとき、「上部の自然林は見事だよ」と教えていただいた。天祖山の表参道に上がるなら歩いてみよう、と選ぶ。下部の植林帯が長い印象で、たとえば表参道の尾根を歩きながら少し降ってお昼にするのには、南向きだし最適な場所かと思う(写真12)。
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○ 天祖山の尾根から長沢谷への下降
天祖山の北、P1662=梯子坂ノ頭から西に派生する尾根の、一本下(南)の尾根を降る。かつては梯子坂ノクビレ(P1671とP1662の中間点)からトラバースしてこの尾根にやってくる仕事道があったそうだ。先人のお二人は薄かったり消えたりする踏み跡を探しながら苦労されている。「むしろ天祖山尾根から直接尾根を下りた方が楽で早かっただろう」ということで、アドバイスどおりまっすぐ降る。だがこちらの印象は「もう少し手前からトラバース気味に尾根に移れば楽だったろう」(笑)。さすがに昔の杣人は最適なルートを選んでいたわけだ。
無名の尾根は標高1350mあたりから傾斜が増す。注意したのはタナカさんの記録に、
「1360m圏でワイヤーが散乱しており踏み跡らしきものが左(南)に尾根を外している。……たどるように下りていく。……尾根の末端はやはり崖で下りることができない。……仕方なく懸垂下降で谷に降り立った。」
とあることで、ハイカーはロープを使わない。したがって尾根を外さず末端までまっすぐ降ることに賭けた。あと10mというところで正面は岩の頭、左は急斜面、幸い傾斜のゆるい右(上流)に降りることができた。
強調しておくが、無名尾根の下部はきわめて急な斜面だった(写真28)。
.
○ 長沢谷をノーナギ尾根末端まで移動する
長沢谷に降りたった地点はノーナギ尾根まで下流へ200mちかく移動しなければならず、まだ不安は大きい。山奥の沢の下降なんてハイカーには鬼門、沢の水をすくって飲み、一服しても心拍数は高いまま。ところが意外なことに、かつて林業の仕事場だった周辺は人の移動がしやすいよう整えられた痕跡がある。残った道型を使わせてもらいノーナギ下部に移動することができた。写真35~47に詳しく記した。
.
○ ノーナギ尾根を登る
やっと真打ちの登場だが、尾根の北面からアプローチしようと長沢谷の右岸を上流に戻っている途中で道型に導かれ勝手に尾根に上がってしまった(写真48から51)。取り付きも含めてとくに問題はない。岩場や崖は登らない。komadoさんの記述によれば、あたり一帯は奥多摩でも私有林であり、いちど伐採されたあとの二次林だそうだ。大木を見かけず枝が低い、明るい尾根だった。
.
○ 二軒小屋尾根を下降する
二軒小屋尾根を降るのは二度目だが、この尾根を降るのは危ないな~とあらためて感じたので注意喚起。踏み跡はあるが、幅が広い尾根だから追いにくい場所もある。ピンテもまばらにあるも、案内が上手ではない、というかピンテで案内しにくい尾根だ。ここをちゃんとガイドしようとすれば鳥屋戸尾根みたいにベタ打ちになってしまう。下降で尾根間違いをおこしやすい難しい尾根は、GPSで歩くことを強くおすすめしたい。
.
(了)

続きを読む

フォトギャラリー:74枚

1.
立川駅に前泊し、奥多摩駅始発のバスで東日原バス停へ。気持ちよく晴れているが、天気は下り坂の予報。
「ハイドレーションのホースを忘れた」ことに気づく。何か忘れてる、忘れてるんじゃないかと思いながら奥多摩駅のコインロッカーを閉めたんだよなあ。

2.
小川谷林道方向と日原林道の分岐。先週は右をたどったが、今日は左へ。なが~い林道歩きのはじまり。

3.
八丁橋。
ここまで大型のピックアップトラック数台に抜かれる。八丁橋のロープやその先のゲートををこえた形跡がないので、孫惣谷の鉱山に出勤する車かと。

4.
ツバノ尾根への下降地点を過ぎる。
八丁橋をこえたあと、大館建設工業の軽トラが5台。日原林道の延伸工事現場へ向かうのだろう。こちらは遊び、あちらは仕事。邪魔にならぬよう、早めに道を空けて通り過ぎるのを待った。

5.
大ブナ尾根取り付きを過ぎ、

6.
赤石尾根取り付きに着く。ざっと1時間半。先ほどの大館建設さんがすでに仕事中。すくっては小型ダンプに積み込んでいたから、林道延伸工事に使うのだろうか。

7.
赤石尾根を登る。植林のなかをゆく作業道。枝分かれが多く、明瞭なほう・高いほうを選ぶ。ときどきGPSチェック。

8.
踏み跡がわかりにくいパートは林業ピンクテープ。

9.
P1406付近で傾斜がゆるみ一息つく。周囲は自然林に代わっている。

10.
岩座イワクラ的な場所に当たる。

11.
同じ場所で、上がってきた尾根を振り返る。

12.
表参道登山道まであと少し。このあたりの風景は奥多摩のMさんおすすめだけあり、見事だった。

13.
各種レポートにあるとおり、社務所跡少し手前で表参道に上がる。

14.
天祖山頂には明治の新興神道『天学教』の神社あと。そのまま歩き続ける。
https://aoba.ws/tengaku.html

15.
ナギ谷ノ頭=地図上P1671を通過する。

16.
梯子坂ノクビレに着く。P1671ナギ谷ノ頭とP1662の中間鞍部。つまらない写真を撮ってしまった。

17.
クビレにて休憩。青空と、紅葉のはじまり。山行中ここだけ風が強かったが風の通り道か。コッペパンにドライフルーツの朝ごはん。スタートから無給水だったので、ザックのサイドストラップ6本をゆるめ・1本締めのバックルをはずしてハイドレ「本体のみホースなし」を取り出し・キャップをはずし皮袋の水を飲むカウボーイみたいな格好でガブ飲みする。日原の自販機でペットボトルでも買っとけばよかった。

18.
30分も長々と休憩に費やしたあと、さて動かなきゃ、と再始動しかけて気づいた廃道標と林班界標識。クビレのいちばん北にある。切り落とされているが、かつては尾根を横切る道がついていた山中の十字路だったことがわかる。孫惣谷~長沢谷を結ぶ道が存在した証。

19.
P1662梯子坂ノ頭の120m手前で、GPSを確認しながら左の尾根に進路を振る。もっと手前から、トラバース気味に尾根に乗っかるほうが楽だったかな。

20.
名前のない尾根を下降しながら前方の長沢背稜。

21.
おなじ地点、降りてきた尾根を振り返る。

22.
尾根は斜度があった。やや平穏になり、来る「長沢谷への着地(着水)」の緊張を抱えながら歩いている。尾根の三分の二を歩いたあたり。

23.
コンクリ?柱を見つけるが読みとれず。

24.
ここは南面=左に道型があった。振り返って撮影。標高1420m。

25.
おなじ地点、足元にワイヤー。ここから対岸のノーナギ尾根の下部まで、かつて林業が盛んに営まれた痕跡があらわれる。

26.
こんなふうに。

27.
斜度がどんどん増してゆき、下が見えない。神様仏様、テキトーなところで勘弁してください、の斜面を降る。長沢谷まで100m、ここからが核心。

28.
降った斜面を振り返る。

29.
左に長沢谷の下流を、

30.
右に上流を見る。このあたり傾斜は少し緩みほっとしている。

31.
なお進んで上流方向、傾斜は緩い。

32.
おなじ地点で下流方向は急斜面。ノーナギ尾根の取り付きは下流になるのでこっちに降りたいところだが、あまり考えずに上流方向を選択。

33.
やや荒れ気味だが素敵な長沢谷に降りる。

34.

35.
さて、対岸のノーナギ尾根の末端を眺めるために200m下流に移動しなければならないが、沢の様子はこのとおり。これではハイカーは降れない。

36.
ところが前の写真の左にこの道型がある。おそらく、林業で行き来するために作られたような。

37.
下降地点を離れる前に、降りてきた無名の尾根を振り返る。お世話になりました。

38.
左岸を高巻きながら下流に移動中。道型があるからたどっている。

39.
ここも造られた様子のルンゼを降る。

40.
通過後に振り返る。

41.
写真38を離れて眺める構図。

42.
左岸は行き詰まり、ここを右岸に渡った。

43.
数日雨は降っていないが、しっかりした水量。

44.
右岸を下流へ移動中。たしかここを降ってきた。振り返って。

45.
引き続き降る。振り返って。

46.
まだ右岸を歩けたが「ノーナギ末端を眺めるなら反対に移ったほうが良いだろう」と、ふたたび左岸に戻る。距離があるので倒木を利用しながら岩の頭をつたう。振り返って。渡渉はすべてシューズを濡らさずにすんだ。

47.
ノーナギ尾根末端。もう少し先まで行ったのだが、この構図がいちばんスペクタクルなのでw
ここは登れない、登りたくない。辺見尾根みたいに「登らないと先に進めない」なら話は別だが。

48.
以下、記憶がやや曖昧なので注意してお読みください。
尾根末端を観察後「さて、とっかかりをみつけなきゃ」と写真46より早めに右岸に渡り、上流に戻ろうとしている。で、写真いちばん左端を上がった。

49.
と、川岸から離れてゆるく登ってゆく。上が下流方向。振り返って。

50.
昔の作業道跡だろう。高度を上げてゆく。振り返って。

51.
最後は2ヶ所だったか、九十九折して写真左から尾根に上がってしまった。右が下流方向、振り返って。

52.
ノーナギ尾根歩き始め。

53.
林業の痕跡。

54.
(気の毒になあ。。。)

55.
だいぶ進んだ。このころ暑いしホースはないしでゼーハー言いながらの登り。

56.
低い枝が多く頭をぶつける回数多し。だからヘルメットは藪山で役に(略

57.
見事だなあ。長沢背稜はちかい。

58.
右をぐるっと巻く。

59.
道標に背中を向けらているのがいかにも残念な、小屋背戸ノ頭への到着シーン。

60.
表側。ピンテに「コヤセドノ頭」とマジック記入。16時06分鍾乳洞発のバスと競争になるのはわかっているが、喉がカラカラでこの日2度目の腰かけて休憩、2度目のガブ飲み。給水は梯子坂ノクビレとここだけだった。これだけ辛い思いをすれば、もうハイドレのホースを忘れるなんて馬鹿は(略(疑

61.
まだ終わっていない。芋ノ木はこっち。

62.
美しい縦走路だが上り基調で泣きが入る寸前。芋ノ木ドッケは東京都で二番目の高峰だぞ。

63.
芋ノ木に着き、そのままロープをくぐり二軒小屋尾根の下降に入る。

64.
吉備人出版の登山詳細図に記入のあるオフトレイル、踏み跡がある。

65.

66.
ピンテあり。ただしガスっていたらこの尾根は難しいだろう。尾根の注意点を本文に残した。

67.
二軒小屋尾根を終える。右は廃道の大ダワ林道、左が日原林道。

68.
ふたたび長沢谷、橋で渡る。

69.
林道に上がった。16時06分のバスまで1時間25分、また競争だ。

71.
今朝、赤石尾根取り付きで見かけたショベルとダンプに途中ですれ違う。山側から落ちてきた石を拾ってはダンプに放り入れている。日原林道がいつも平滑で歩きやすいのはこのためか。ありがたいなあ。

72.
赤石尾根取り付きは逃してしまい、大ブナ尾根取り付き。

73.
八丁橋。なんとか間に合いそう。ここまで、途中走ろうとしたが50mも走れない。完全に二軸歩行になってしまった。

74.
あんたいつもおんなじ格好だね。

75.
財布とマスクを取り出している間にバスがやってきたので、乗り込んでからの最後の写真。お疲れさま。

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装備・携行品

【その他】 ラ・スポルティーバのアキラ二足目。タイツにモンベルのショートパンツ。モンベルのメリノウール、ペツルのヘルメット、ブラックダイヤモンドのハーフフィンガーグローブ。ザックはロウアルパインの25リッターにモンベルのギアホルダーを外付け、ココヘリ発信機・ヘッドランプ・スマホ(カメラ+GPS)・バッテリー充電器と予備電池・雨具上下・ロールペーパー。キャメルバックのハイドレーションに水1.5L(下山後残量0.7L)・コッペパンみっつ・トレイルミックス・非常食。スタート時重量6.0kg。
下山後の着替え一式とサンダルとハイドレのホースは奥多摩駅のコインロッカー。

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1,723m

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