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南の南(一部TJARルート)

荒川前岳 赤石岳 聖岳( 南アルプス)

パーティ: 1人 (とだボート さん )

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行程・コース

天候

一日目は晴れ時々雲り時々小雨 二日目は雨時々強雨のち曇り

登山口へのアクセス

バス
その他: 行き:まいたび鳥倉
帰り:静鉄ジャストバス

この登山記録の行程

【1日目】
鳥倉林道ゲート(06:20)・・・鳥倉(豊口山)登山口[休憩 5分]・・・豊口山間のコル・・・塩川ルート合流点・・・三伏峠(07:40)[休憩 10分]・・・烏帽子岳(08:30)[休憩 10分]・・・小河内岳(09:30)[休憩 10分]・・・大日影山分岐・・・板屋岳・・・高山裏避難小屋[休憩 10分]・・・前岳(13:55)[休憩 10分]・・・荒川小屋[休憩 10分]・・・大聖寺平・・・小赤石岳(16:10)[休憩 5分]・・・赤石小屋分岐・・・赤石岳(16:40)[休憩 5分]・・・百間平・・・百間洞山の家(18:10)

【2日目】
百間洞山の家(01:30)・・・分岐[休憩 5分]・・・中盛丸山・・・小兎岳[休憩 5分]・・・兎岳避難小屋(03:30)・・・聖岳(05:30)[休憩 5分]・・・小聖岳[休憩 15分]・・・薊畑分岐[休憩 5分]・・・聖平小屋(07:10)[休憩 30分]・・・南岳[休憩 60分]・・・横窪沢分岐点(11:00)・・・茶臼小屋(11:10)・・・樺段・・・横窪沢小屋・・・ウソッコ沢小屋・・・ヤレヤレ峠[休憩 120分]・・・畑薙大吊橋・・・沼平(17:15)[休憩 10分]・・・畑薙第一ダム(17:45)

コース

総距離
約51.6km
累積標高差
上り約6,562m
下り約7,270m
コースタイム
標準31時間15
自己22時間35
倍率0.72

高低図

標準タイム比較グラフ

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 ファストハイク的な計画が間違いだったのか散々たる結果を招いた 南の南が如何に山深いかを痛感することに そんな中TJARの選手たちは台風の影響下でも進んでいく

 1日目夕刻 百閒洞から稜線に再び上がったところで日暮れとともに雨が降り始める 兔岳避難小屋まで頑張ろうか逡巡したがビバーク体勢をとることにした アルミ内装のシュラフとアルミポンチョで横になる だが遠くに稲光が 樹林帯まで降りる しばし石の上に佇む やがて一個のヘッドライトが・・・「あーびっくりした」こちらは選手が通過する可能性を予測していたが#23の選手は身構えていなかったからだろう「大丈夫?」と聞かれたが「今休憩しているところで兎岳避難小屋を目指すか百閒洞にもどるか思案しているが多分降ります」と答えた スマホは圏外で気象情報がとれずこれからどう悪化するのか読み切れない やはり最悪の状況になっても小屋に駆け込めるよう降りよう なにせ初見なのだ 選手達のようにリスク管理ができていない
 百閒洞に降りたのはちょうど21時 小屋もテン場も寝静まっている 休憩ベンチを間借りする 高度を下げたがビバーク体勢にはいるとやはり寒い 眠れる訳がない
 
 昨日はイチロー鈴木(仮名)さんと抜きつ抜かれつで最後は一緒にここまでやってきた 彼と
は「ここでテン泊後 台風が来る前に下山するため未明には出発する予定」と言葉をかわしている 小生も早出する決意を固め できるだけ体力を回復させるべく濡れたシャツを取り換えた 午前1時前月明りが通る すでに何人かのTJAR選手も通過している 台風で競技は中止になっていない 出発しよう とその時イチローさんもやってきた 一緒に出発することとなった 心強い 

 小生は夜間行動に慣れていない 彼のヘットランプは選手並みに明るく先行してもらう 明らかに彼のペースより落ちるし平衡感覚がおかしくてよろけてしまう
 兎岳に到着した時は「あのまま行動を続けていたら事故をおこしていたかもしれない」と背筋が寒くなった この山も大きく小兎岳からも遠かった 風雨も強くなったり弱くなったり断続的に続く
 やがて明るくなり聖の登りに 数名の登山者と行き交い気持ちはすこし楽になった だがガセピークに騙され続ける 頂きは風もあって寒さは夏のモノではない スマホはジップの中に水が浸入してしまいヤバくて使えず記念撮影もままならないまますぐ下降する 聖平まで一気

 時刻はまだ7時台 2人で食事をとる ここまでくれば下山できると確信し先を急ぐイチロー氏と別れることに 彼は13:10沼平を予約していたが小生は最悪白樺荘にたどり着ければよい
 だが上河内岳だって大きい 登り返している時なぜか「この景色みたことあるな」というデジャビューを感じた 上河内岳分岐に立つ あとは下降基調だしまだ13:10に間に合いそうなタイミングだ とより気分が軽くなりつつ横窪沢の下降点を目指す だが幻覚が始まったのか「分岐の指導標」だと思っていた場所は分岐点ではなく通過していくのみ 一か所思い込みでガレ場を下ってしまった 周囲を行ったり来たり 地図を取り出しリカバーできたが道迷いの一歩手前をやってしまった 小一時間のロスか
 茶臼小屋で休憩をしっかり取ればよかったのかもしれない だが14:35のバスに間に合うつもりで急ぐ 茶臼小屋からは迷うはずもなく下降すればよい しかし「なんであんな所に登山ポストがあるのだろう」と近寄ると石祠だったり「高校野球の実況が聞こえる」と思って冷静に考えるとなんと沢の音だったり と異常を感じることとなる ただ体は動く
 横窪沢小屋で休憩をしっかり取ればよかったのかもしれない だがまだ14:35のバスに間に合うつもりで急ぐ 休憩していた#23の選手を追い抜く 昨日の顛末を報告するとともに言葉を交わしたがこちらもすぐに休憩 追い越される やがて新設されていた最下流の鋼製の橋にたどりつく たもとで大休止 14:35のバスをあきらめる 沢で身繕い だが幻覚幻聴のためかヤレヤレ峠への道筋を見失う ピンクのテープがやたら目につくのだ
 沼平にどのようにたどり着いたかは想像にお任せします 冷静を装い登山連絡所の方に「スマホが水没したので白樺荘に予約の連絡をお願いできないでしょうか」と尋ねたところ「今日は団体のキャンセルが入ったから大丈夫 直接行ってみて下さい」と返答された ダムから舗装路を下っている際も何故かザックの軋み音がちゃんとした音楽に聴こえ「これを採譜できれば立派な作曲だな」などと幻聴を楽しむ余裕も出てきたが
 19時前に宿にたどり着き検温器に手を数回かざしてみた 28.8°外気を拾っていたからだろうか 震えや寒気はなかったもののゾットした 

 ということで総括すると「計画が無謀(だと思っていなかった)」「軽装備」「ルートの事前確認不足」「適時適所の休憩がとれていない」「糖質補給不足による思考能力低下」「スマホが使えなくなった際の想定不足」「総合的な力量不足(最近長距離縦走登山をしていない)」
 遭難を回避できたのは「長距離を長時間歩く『体力』ができていたこと」「混乱しつつも要所では素に戻れたこと」「イチローさんのアシストがあったから」

 13日 台風の影響でバスもタクシーも全面ストップ 連泊することに そんな中 TJARの選手たちは 入浴と食事休憩(正規営業時間のみ可)をとったら長居せず次々と出発して行かれた 長留はルール違反なのだ
 彼らの凄さ 強さをあらためて思い知った 


 
 

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装備・携行品

みんなのコメント

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  • こんにちは。
    イチロー鈴木です笑
    2日間お世話になりました。

    聖平でお別れした後、茶臼小屋から畑薙まで想像以上に長くて、ちょっと辟易しました笑
    でも、ウソッコ小屋辺りでTJARでも有名な男澤さんのグループにお会いして、畑薙まで
    引っ張ってもらいました。おかげで帰りのバスにはギリギリ間に合いました。
    TJARの選手は心身ともに本当にタフですね。
    とだボートさんも無事に?下山できて良かったです。

  • イチローさん 改めましてお世話様でした 感謝申し上げます この記事を見つけてくれてありがとうございます 白樺荘で男澤さんのグループにお会いできました そして・・・#30竹内さんとは13日お会いすることができました 白樺荘連泊後14日静鉄ジャストバスで静岡駅へ そして路線バスで大浜海岸へ 南の南パート完全制覇(笑 よろしければこちらを覗いてみて下さい https://www.facebook.com/profile.php?id=100002045157087

登った山

烏帽子岳

烏帽子岳

2,726m

小河内岳

小河内岳

2,802m

大日影山

大日影山

2,573m

板屋岳

板屋岳

2,646m

前岳

前岳

3,068m

赤石岳

赤石岳

3,121m

中盛丸山

中盛丸山

2,807m

兎岳

兎岳

2,818m

聖岳

聖岳

3,013m

上河内岳

上河内岳

2,803m

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