行程・コース
天候
1日目:快晴、2日目:曇り
登山口へのアクセス
バス
その他:
(行き)小田急新松田駅から神奈川中央交通バス 西丹沢自然教室行き8:30
(帰り)山中湖平野から京王高速バスで新宿へ
この登山記録の行程
【1日目】
西丹沢自然教室(08:47)・・・ツツジ新道入口(08:54)・・・用木沢出合(09:10)・・・犬越路[休憩 10分](10:19)・・・西の肩(11:48)・・・大室山(11:53)・・・西の肩[休憩 20分](12:00)・・・前大室(馬場峠)(13:00)・・・加入道山(13:13)・・・道志温泉分岐・・・白石峠(13:28)・・・水晶沢ノ頭(13:43)・・・バン木ノ頭(14:32)・・・モロクボ沢ノ頭(14:56)・・・畦ヶ丸(15:17)
【2日目】
畦ヶ丸(05:40)・・・モロクボ沢ノ頭(06:02)・・・大界木山(06:42)・・・分岐・・・城ヶ尾峠(07:05)・・・菰釣山避難小屋[休憩 10分](08:21)・・・菰釣山[休憩 30分](08:50)・・・石保土山(西ノ丸)(10:54)・・・大棚ノ頭(11:24)・・・高指山[休憩 10分](12:13)・・・県道出合・・・平野(12:50)
高低図
標準タイム比較グラフ
登山記録
行動記録・感想・メモ
GWに普段の週末では行きにくい長いコースを計画、丹沢の大室山、加入道山から途中避難小屋に泊まり、山中湖まで甲相国境尾根を一泊二日で縦走した。初々しい新緑、咲き始めたシロヤシオやミツバツツジ、そして進むにつれて高く大きくなっていく富士山の姿を存分に楽しんだ。
<水場に乏しいロングコースで装備が重い>
今回のコースは全長30Km、コースタイム16時間超の長い道のりで、営業小屋はない。犬越路、加入道山、畦ヶ丸、菰釣山の避難小屋が利用できるが、丹沢ではどこも水場が乏しい。菰釣山避難小屋から往復1時間弱で水場(実際にはいっていない)があるようだが、ちょっとペナルティがきつい。したがって食料や寝袋、マットのほか、二日分の水(4リットル用意)も担ぎ上げねばならず、重量は普段の5-6割増し(12Kg)になった。
<快晴、新緑の中、西丹沢に残った主なピークを踏む>
初日は快晴。西丹沢に向かうバスも登山者で満員。清々しい新緑で囲まれた西丹沢自然教室で登山届けを出して、みなさん思い思いの山に向けて出発していく。用木沢を犬越路に向けて詰めていくと滴るような新緑。犬越路から大杉丸に出ると富士山の姿が展望でき、風も爽やか。標高1400mあたりでマメザクラがたくさん咲いていた。大室山は「富士隠し」という異名があるそうだが、山が大きい。鈍重なイメージがあったが、思いの外明るく清々しい印象。山頂の展望はあまりないので、休憩にはむしろ西の肩のほうがいいかもしれない。
ブナやツツジ、足元にはバイケイソウなど西丹沢らしい景観を楽しみつつ、加入道山を経て白石峠へ。大理石だろうか、なるほど白い大きな石が転がっている。途中、水晶沢ノ頭あたりで杉の植林があるが、それを除けば全コースがブナなどの素晴らしい広葉樹林帯だ。白石峠から先は、みな下山してしまったのか誰とも会わない。モロクボ沢ノ頭から甲相国境尾根を東へわずかに外れて畦ヶ丸へと進む。途中ザレた鎖場がある。畦ヶ丸ですでにシロヤシオが咲いているという記録を見ていたので、注意しながら進むと頂稜部に数株シロヤシオが開花し始めている。まだ蕾のもの、全く花芽をつけていない株など様々だが、今年もあと1-2週間で見頃になりそうだ。他にもシャガクチ丸とバン木ノ頭の間、やはり標高1200m付近でシロヤシオの開花が始まっていた。
<畦ヶ丸避難小屋で恐怖の一夜(笑)>
畦ヶ丸避難小屋に一泊。周辺の犬越路、加入道山、菰釣山避難小屋(どれも改築され新しい)よりずっと古いが、何よりトイレ付き(犬越路以外はトイレなし)。清潔でよく手入れもされていて、ありがたい。GWで避難小屋も混むかと思ったが、利用者は私一人だけ。まだ日が残っているうちに食事を済ませると、あとはもうすることもない。小屋の周囲や山頂に行ってみるが、展望が開けているわけでもない。静かで穏やかな夕暮れだが、少々心細くもある。山中で一人一晩過ごすのは、考えてみれば初めてだ(テント場だって周囲に他のテントがあったりするでしょう?)。真っ暗になり、新月で月明かりもなかったが、曇ってきたのか星もあまり見えず残念。寝袋に潜り込んでも耳が冴えてしまって、わずかな軋み(たぶん気温の変化などで音がするのだろう)にも神経を尖らせる。空っぽの小屋なので、わずかな音もかなり響く。おまけに(小さな)地震まであって驚かされる。それにしても木材が軋む音というのは、結構頻繁にするものだな。鹿だろうか、小屋のすぐ外を鋭く鳴きながら獣が通った時は、総身の毛が逆立っちゃいました。
<二日目 長大な甲相国境尾根を山中湖に下る>
4:13に最初の鳥の鳴き声。 あとは次々競い合うように鳥がさえずり始める。朝から高曇りだが、今日も富士山が見えている。徐々に風が雨気をはらんできたようだし、今日も長い歩きだ。朝食後に小屋の掃除をして、早めに出発。モロクボ沢ノ頭に下り、甲相国境尾根に戻る。シロヤシオが咲き始めていて目を楽しませてくれる。大界木山までは結構なアップダウンで、途中ザレて痩せた鞍部もあるが、城ヶ尾峠から先は緩やかになる。
<高く大きくなっていく富士山>
基本的に下りなのだが、菰釣山で標高を再び稼ぐ。ブナ沢ノ頭、ブナノ丸、油沢ノ頭、樅ノ木沢の頭、西沢ノ頭・・と小さなピークを踏み越え、踏み越え進む。いくつものアップダウンがあり、疲れも蓄積していく。道志川を挟んであちら側には御正体山が大きい。この稜線は派手な見せ場はないが、西丹沢らしいブナやツツジの木が新緑の季節であることも相まって美しい。また、GWであるにもかかわらず、マイナーなコースなので静かな山歩きを満喫できる。結局二日目は連休の谷間ということもあってか菰釣山で三人と出会っただけで、混雑や喧騒とは無縁だ。また展望もあまりないが、南西(山中湖)に向かうコース取りだと常に富士山が正面で、進むにつれてその姿が高く大きくなっていくのも魅力。逆コースだと登りは小さくなるが、モティベーションを維持するのが難しいかもしれない。
下山後に石割の湯で入浴(800円)。連休の谷間だったからだろうか、山中湖平野から新宿までの帰りの高速バスは渋滞に捕まることもなくスムースだった。
当初は残雪期の北アルプスに行くつもりで、装備の準備や交通機関の手配も済ませていた。前日の夜遅くギリギリまで天気予報とにらめっこしたが、荒れ模様との予報で最終的に八方尾根ー唐松岳行きを断念。甲相国境尾根縦走に急遽計画を変更した次第。冬山用登山靴やアイゼン、ピッケルの出番は来シーズンまでお預けかな。
*信州山のグレーディングに合わせてルート定数を算出、難易度は主観的につけてみた。7B
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