天気や登山道の最新情報を必ず確認してから入山を! 島崎三歩の「山岳通信」第194号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年7月29日に配信された194号では、梅雨前線の影響で猛烈な風雨となっていることから、天気や登山道の最新情報の確認を促している。

 

7月29日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第194号では、期間中に起きた6件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 7月19日、中央アルプスで、7月18日に千畳敷から単独で入山していた57歳の男性と連絡が取れなくなる山岳遭難が発生。男性は熊沢岳付近で疲労により日程通りに下山できなくなっていたものの、19日に自力で下山したことが確認された。

  • 7月21日、北アルプス後立山連峰・烏帽子岳で、単独で入山した42歳の男性が、ブナ立尾根において疲労により行動不能となる山岳遭難が発生。男性は大町警察署山岳遭難救助隊員により救助された。

  • 7月21日、北アルプス後立山連峰・鹿島槍ヶ岳で、19日から仲間と3人で入山した72歳の女性が、鹿島槍ヶ岳付近を登山中に転倒して負傷、歩行困難となる山岳遭難が発生。21日に県警ヘリで救助された。

後立山連峰鹿島槍ヶ岳の遭難現場の状況/長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)7月27日付

  • 7月22日、北アルプス後立山連峰・白馬岳で、単独で入山した48歳の女性が、白馬岳大雪渓を下山中に落石を受けて負傷する山岳遭難が発生。女性は大町警察署山岳遭難救助隊員などにより救助された。

  • 7月22日、北アルプス後立山連峰・白馬岳で、家族と2人で入山した50歳の女性が、白馬岳大雪渓を登山中に疲労により行動できなくなる山岳遭難が発生。女性は大町警察署山岳遭難救助隊員などにより救助された。

  • 7月22日、金峰山で、単独で入山した50歳の男性が、登山中に道に迷い行動できなくなる山岳遭難が発生。翌23日に、南佐久地区山岳遭難防止対策協会救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

7月2週は0件、3週は1件、4週は5件の山岳遭難の発生がありました。長野県内にかかる梅雨前線の影響により、4週は各山域の稜線を中心に、猛烈な風雨となりました。このような気象状況の中で行動すると、視界不良による道迷いのほか、転倒や低体温症など、遭難のリスクが大きくなります。雨は今後もしばらく続く見込みですので、天気や登山道の最新情報を必ず確認しましょう。

長野県警では、山岳パトロールで確認した登山道の状況などを、土日祝日を含めてツイートしていますので、最新情報の一つとして参考にしてください。
また、長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、自身の体力や技量より、レベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

 

長野県内入山注意報発表中

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報」を発表しています。 6月以降、これまでの登山シーズンとの大きな違いは――

  • ①山岳における救助活動は、必要に応じて感染防止対策を講じた上で出動するため、通常より救助に向かう時間を要する。
  • ②多くの山小屋が例年より営業開始時期を遅らせているため、相談・休憩・避難・環境維持としての機能が低下する。

となっています。

また、以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

「登山者への5つのお願い」は以下の動画もご参照下さい。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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