本格的な紅葉シーズン到来。登山前から行動中までこまめな天候チェックを! 島崎三歩の「山岳通信」第201号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2020年10月1日に配信された第201号では、本格的な紅葉シーズンの幕開けを前に、秋山の注意点を改めて説明している。

 

10月1日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第201号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 9月23日、北アルプス常念岳で、仲間と3人で入山した54歳の男性が、下山中に体調不良により行動できなくなる山岳遭難が発生。男性は岐阜県警ヘリで救助されたものの、死亡が確認された。

  • 9月26日、北佐久郡立科町の大沢山で、キノコ採りのために単独で入山した70歳の男性が、山中で道に迷い行動ができなくなる山岳遭難が発生。男性は27日に佐久警察署員により救助された。

  • 9月26日、北安曇郡小谷村の雨飾山で、仲間と2人で入山した52歳の男性が、下山中に疲労のため行動ができなくなる山岳遭難が発生。男性は北アルプス北部地区山岳遭難防止対策協会小谷班救助隊員により救助された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

9月4週は3件の山岳遭難の発生がありました。長野県内の山は紅葉が始まり本格的な秋山のシーズンを迎えています。秋山は暑すぎず、寒すぎず登山には最適ですが、その反面で、日没が早くなり、天候がひとたび崩れると冬のような寒さになり、雪が降ることもあります。登山をする前は、必ずヘッドライトや防寒具を携行するとともに、登山前から行動中まで、こまめに天候を確認し、決して無理、無謀、無茶な登山を行わないようにしてください。

また、今週は、きのこ採り中の道迷いによる遭難が発生しています。特にきのこ採りは、高齢の方が多く遭難していますが、家族の方々の一言で防げる遭難も多くあります。もし、家族できのこ採りをする方がいましたら、なるべく単独行動は控えさせるとともに、入山場所と予定を必ず確認してください。また、万が一に備えて携帯電話やヘッドライト、防寒着などは必ず携行するように伝えてください。

なお、県内では熊の目撃や負傷事案が発生しています。行動中は鈴やラジオなどを携行し、テント場では、食料やゴミなどを外に放置することのないようにしましょう。

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「長野県内入山注意報」と、「登山者への5つのお願い」を発表しています。登山者の皆さんは、十分にレベルを落とした山域を選び、感染防止対策にご協力をお願いします。

 

長野県内入山注意報発表中

長野県では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため「入山注意報」を発表しています。 6月以降、これまでの登山シーズンとの大きな違いは――

  • ①山岳における救助活動は、必要に応じて感染防止対策を講じた上で出動するため、通常より救助に向かう時間を要する。
  • ②多くの山小屋が例年より営業開始時期を遅らせているため、相談・休憩・避難・環境維持としての機能が低下する。

となっています。

また、以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

また、山小屋営業は期間短縮の場合があります。携帯トイレを持参し、山岳環境保全に御協力をお願いします。

「登山者への5つのお願い」は以下の動画もご参照下さい。

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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