不安定な気象条件が続いていて県内、安全を最優先とした計画・行動を 島崎三歩の「山岳通信」 第233号

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2021年8月26日に配信された第233号では、不安定な気象条件が続いていて県内の登山道に影響が出ていることを説明。安全を最優先とした登山計画と、現地での判断・行動を呼びかけている。

 

8月26日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第233号では、期間中に起きた3件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 8月17日、北アルプス白馬岳で、54人パーティで入山した41歳の女性が、猿倉から白馬岳に向けて登山中に、疲労と体調不良により行動不能となる山岳遭難が発生。18日に、長野県山岳遭難防止常駐隊員及び大町警察署山岳遭難救助隊員が出動して救助した。

  • 8月21日、北アルプス北穂高岳で、8人パーティで入山した57歳の女性が、南岳から北穂高岳へ向けて縦走中、大キレット長谷川ピーク付近で滑落する山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員及び県警ヘリが出動して遭難者を救助したものの、搬送先の病院で死亡が確認された。

  • 8月22日、北アルプス奥穂高岳で、2人パーティで入山した56歳の男性が、ザイテングラートを下山中に転倒して負傷する山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して、遭難者を救助した。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

8月3週は、1件の死亡遭難を含む、3件の山岳遭難が発生しました。県内の山間地は連日の大雨により、登山口へ至る道路などで土砂災害の被害が出ています。登山道についても、沢の増水により橋が流されたり、土砂崩落や倒木などで、登山道が通行できない場合もあります。今週も不安定な気象条件が続くため、登山の中止・延期をするなど、安全を最優先とした判断・行動をお願いします。また、計画の際には天気予報だけでなく、必ず山小屋や役場等のホームページなどから、登山道の最新情報を確認しましょう。

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(8月25日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

⇒バックナンバーはコチラ!

島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

編集部おすすめ記事