日光・鳴虫山で冬の低山歩きを楽しみ、中禅寺金谷ホテルでフランス料理に舌鼓

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ひとり気ままに山と温泉を楽しむ温泉登山。登山前後に泊まりたい至福の温泉宿を紹介します。第24回は日光で鳴虫山に登り、温泉に浸かった後は、地元食材を使ったコース料理に舌鼓。

写真・文=月山もも

 

栃木県日光市内の低山「鳴虫山」は、都内から直通の特急電車が運行する東武日光駅から徒歩でアクセス可能な、交通の便が良い山です。

冬でも積雪は多くなく、無理なく日帰り登山を楽しめるため、晩秋から春先にかけて何度も足を運んでいます。

 

冬晴れの中、うっすら雪のついた登山道を歩く

東武日光駅に着くと、雪で白くなった男体山の頭の部分が、青空にくっきりと映えて見えました。

日光市内の路面には雪はありません。駅から10分ほど歩いて登山口へ向かいます。

登り始めると登山道にはうっすらと雪がついています。高度をあげていくと少しずつ雪は増えていきましたが、チェーンスパイクがあれば歩きやすい、というコンディション。

山頂までひたすら樹林帯を歩く山ですが、冬は落葉していて道が明るいので、こんな晴れた日はとても気分よく歩けます。

途中には、日光市内を見下ろせる展望のいいスポットもありました。

山頂には、登山道よりもまとまった量の雪が積もっていました。
登ってくる人は少なく、のんびりと昼食をいただいて元来た道を下山します。

日帰り温泉の「やしおの湯」の方向に下山する周回ルートでも歩けますが、この日は東武日光駅からバスにのり、宿に移動するので来た道を戻ることにしました。駅のコインロッカーに着替えやお風呂セットなどを預けて身軽に登山できるので便利です。

 

館内は雰囲気抜群、部屋から中禅寺湖が望める

日光湯元温泉行きのバスに乗り、1時間ちょっとで本日のお宿、中禅寺金谷ホテルに着きました。

エントランスから入ると、ロビーの中央に大きな暖炉が置かれ、周囲にソファが配置されています。

この空間の雰囲気がとても良くて、着いた瞬間からうっとりと眺めてしまいました。

宿泊するお部屋はツインルーム。
真冬ですが部屋の中はとても暖かく、ベランダからは中禅寺湖を眺めることができます。

泊まった日はお正月期間中ということで、お汁粉のサービスがありました。

大きなお餅が2個入った、味わいも本格的なお汁粉でお腹が満たされたところで、お風呂に向かうことにします。

 

源泉かけ流しの浴室は貸切利用も可能

露天風呂付きの大浴場、空ぶろ(そらぶろ)へ。
レストランなどの館内施設には浴衣で入ることはできないのですが、大浴場と部屋を往復する際は、浴衣とスリッパでも行き来してOKとのことでした。

内湯のお湯は鮮やかな緑色です。

日光湯元温泉から引湯してかけ流しているそうですが、熱すぎず気持ちよく入れる温度になっていました。

露天風呂は、屋根がなく開放感抜群。こちらは少し青みがかったにごり湯です。
同じお湯なのに気温などの条件でまったく違う色に見えるのが不思議ですね。
冬晴れの空を眺めながら、のんびりと湯浴みを楽しみました。

 

栃木の食材を使ったコース料理をワインと共に

夕食はダイニングルーム「みずなら」で。
お酒は、3種のグラスワインを料理に合わせて出していただけるという「ワインペアリング」をオーダーしました。

1杯目は「ロゼのシャンパーニュ」の「パイパー・エドシックロゼ・ソヴァージュ」を。

苺のような甘酸っぱい香りですが、辛口で料理の邪魔をしないお酒です。サーモンや猪肉のパテを美しく盛り合わせた前菜と一緒にいただきました。

スープはなんと「かぼちゃとコーヒー」のポタージュです。味はクリーミーなかぼちゃ味なんですが、香りはコーヒーという不思議なスープ。それでいてなめらかでものすごくおいしかったです。

魚料理と一緒に、白ワインの「農民ロッソ」が。肉料理の「栃木霧降高原牛のフィレ肉のポアレ」に合わせて赤ワインの「陽はまた昇る」が提供されました。どちらも栃木県足利市にある「ココ・ファーム・ワイナリー」のワインです。

また、料理に添えられた野菜も栃木県内で作られたものだそうで、お酒も食材も地元産にこだわって提供されているのが素敵でした。

デザートは、かぼちゃのプリンととちおとめのアイス。アイスは、とちおとめの酸味がしっかり生きた濃厚なソフトクリームです。

ダイニングで1人でフレンチは少し緊張しますが、席と席の間隔も広く、サービスも心地良いものでゆったりと楽しむことができました。

 

朝食もダイニングで。お正月期間だったのでお節とお雑煮のサービスがありました。

卵料理はオムレツを選び、焦げ目もなく中は半熟の完璧な焼き加減に感動。焼きたてのパンはおいしすぎて、思わずおかわりしてしまいました。

 

チェックアウト後は戦場ヶ原まで足を伸ばして男体山を近くで眺め、別の季節にも必ずまた来たいなと思いつつ旅をしめくくりました。

 

*紹介した食事、サービスは2021年1月取材時の内容です。
 

中禅寺金谷ホテル

料金:1泊2食付き/1室1名利用36,300円~、2名27,830円~ ※プランによって変動
住所:栃木県日光市中宮祠2482
電話:0288-51-0001
HP:https://www.kanayahotel.co.jp/ckh/

鳴虫山データ

プロフィール

月山もも

山と温泉を愛する女一人旅ブロガー。山麓の温泉宿を一人で巡るうちに「歩いてしか行けない温泉宿」に憧れを抱き、2011年から登山を始める。ゆるハイクから雪山登山まで、テントも一人で担ぐ単独登山女子。 ブログ「山と温泉のきろく」https://www.yamaonsen.com/に、温泉と登山のすばらしさについて綴っている。山と温泉に魅せられる人を増やすことが、人生のよろこび。著書に『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』(KADOKAWA)。

ひとり温泉登山

山と温泉を愛する月山ももさんによる月1連載。登山前後に入りたい極上の温泉宿をご紹介します。

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