秋晴れの磐梯山を歩いた後は、裏磐梯ホテリ・アアルトで地元産食材のジャパニーズフレンチ
ひとり気ままに山と温泉を楽しむ温泉登山。登山前後に泊まりたい至福の温泉宿を紹介します。第43回は磐梯山に登り、下山後は裏磐梯で温泉とフレンチを堪能。
写真・文=月山もも
福島県のシンボル的な存在とも言われる標高1816mの活火山、磐梯山。
猪苗代駅に最も近い登山口である猪苗代スキー場までタクシーで向かい、夏山リフトを利用して登りました。
猪苗代湖と桧原湖を眺めつつ、紅葉散歩
リフトを2本乗り継ぎ、一気に標高1100m地点へ。
降りるとすぐに、猪苗代湖を見下ろす絶景を楽しむことができます。
ここからしばらく樹林帯の中の道を歩き、30分ほどであちこちに沼が点在する「沼ノ平」というエリアへ。
沼ノ平から先は、火山らしい荒々しい岩山を眺めつつ歩くことになりますが、道はよく整備されていて危険箇所や歩きにくいところはありません。
売店と軽食営業を行なっている2軒の山小屋を通り過ぎると、頂上まであと少しです。
紅葉した木々の中を歩いて行くと20分少々で山頂に着きました。
磐梯山にはたくさんの登山コースがあるので、別のルートから下山するのも楽しいのですが、今回は宿泊する宿の送迎に間に合わせたいので、来た道を戻ります。
下山途中、磐梯山を挟んで猪苗代湖の反対側にある湖「桧原湖」が見えました。
前回磐梯山に登ったときは桧原湖の近くにある裏磐梯登山口から登ったことを思い出します。
また裏磐梯登山口からも登ってみたいなと考えながら、猪苗代湖を眺めつつリフトでスキー場に戻り、そこから1時間ほど歩いて猪苗代駅へ。
無事に本日の宿、ホテリ・アアルトの送迎の時間に間に合いました。
北欧の家具がセンスよく配置された快適な客室
ホテリ・アアルトは全17室の宿ですが、すべての部屋の趣がそれぞれ少しずつ異なるそう。
宿泊した204号室は、クイーンサイズのベッドが設置されており、1人でゆったり泊まるのにちょうどいいお部屋です。
ライティングデスクもあり、Wi-Fiも利用できます。
北欧家具で揃えられていて雰囲気よく、椅子の座り心地もよく、寝具の寝心地もよい。見た目のよさと快適さを兼ね備えているお部屋でした。
ミニキッチンにはコーヒーメーカーがあって好きなときにコーヒーを淹れて楽しめるほか、冷蔵庫に入っているジュースやお茶、缶ビール、炭酸水はすべて無料です。
実はホテリ・アアルトは、滞在中にいただけるお酒やソフトドリンクが、一部のメニューを除いてすべて無料という「オールインクルーシブ」の宿。
お風呂上がりに一杯いただくのを楽しみに、温泉浴室に向かいます。
かけ流しの硫黄泉は肌触りも香りも柔らかい
ホテリ・アアルトには本館と別館にそれぞれ大浴場があります。
本館の大浴場は男湯と女湯があり、チェックインからチェックアウトまで夜通しの利用が可能です。
本館大浴場には雰囲気のある内湯と露天風呂があり、どちらの浴槽にも加水も加温も循環もされていない、かけ流しの源泉が惜しみなく投入されています。源泉は硫黄泉ですが、刺激は強くなくつるつるとした浴感があり、香りもマイルド。長湯しやすい優しいお湯でした。
また、本館の浴室の前には「湯上がりドリンク」が用意されており、牛乳やコーヒー牛乳やサイダーなどを自由に飲むことができます。
別館の浴室は一箇所のみで、チェックイン日の午前0時までは女湯、翌日の6時からは男湯になります。
別館の浴室は内湯のみですが、窓からは沼のある景色を眺めることができました。
お風呂上がりの一杯は、本館ロビーで飲むことにしました。 キールロワイヤルをいただきつつ、夕食の時間を待ちます。
お箸で気軽に楽しめるジャパニーズフレンチ
夕食は本館ロビー奥にあるレストランで。
地元産の食材にこだわったフレンチを、お箸でいただきます。
5種類ある前菜はどれも手が込んでいておいしく、見た目もきれいで楽しめます。
スープはいろいろなきのこが入ったコンソメスープ。
1杯目に白ワインを注文していましたが、ジャパニーズフレンチの名の通り、和の食材や和食の調理法と組み合わせた料理が多いので日本酒にも合いそうです。杯目は会津ほまれの純米大吟醸を注文しました。
メイン料理は牛ロースのポアレ。〆はなんと、イサキとバジルのかき揚げを白ワインで炊き上げたご飯にのせたミニ天丼でした。
日本酒との相性も上々で、デザートまですべておいしかったです。
朝食は、同じレストランでハーフバイキング形式でいただきます。
新鮮な野菜サラダ、きのこがいっぱい入った味噌汁、牛すじ煮込み、フレンチトーストなど、朝からお腹いっぱいにいただいた後は、チェックアウトの11時まで部屋でのんびり。
また別の季節にも訪れてみたい、すばらしい宿でした。
*紹介した食事、サービスの情報は2022年10月取材時の内容です。
ホテリ・アアルト
料金 | 1泊2食付き/1名利用50,000円~※プラン、時期によって変動 |
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住所 | 福島県耶麻郡北塩原村大字檜原字大府平1073-153 |
電話 | 0241-23-5100 |
プロフィール
月山もも
山と温泉を愛する女一人旅ブロガー。山麓の温泉宿を一人で巡るうちに「歩いてしか行けない温泉宿」に憧れを抱き、2011年から登山を始める。ゆるハイクから雪山登山まで、テントも一人で担ぐ単独登山女子。 ブログ「山と温泉のきろく」https://www.yamaonsen.com/に、温泉と登山のすばらしさについて綴っている。山と温泉に魅せられる人を増やすことが、人生のよろこび。著書に『ひとり酒、ひとり温泉、ひとり山』(KADOKAWA)。
ひとり温泉登山
山と温泉を愛する月山ももさんによる月1連載。登山前後に入りたい極上の温泉宿をご紹介します。