融雪に伴う雪崩のリスクを念頭に登山計画を立てて入山を 島崎三歩の「山岳通信」 第257号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2022年4月6日に配信された第257号では、融雪に伴う雪崩のリスクが高まっていることを説明。積雪量が多い今年の状況を念頭に、登山計画を立てることを促している。

 

4月6日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第257号では、期間中に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 3月24日、北アルプスの乗鞍岳で、単独で入山した61歳の男性がバックカントリーを滑走中に道に迷って、行動不能となる山岳遭難が発生。北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して男性を発見・救助した。

  • 3月24日、北アルプスの乗鞍岳で、単独で入山した61歳の男性がバックカントリーを滑走中に道に迷って、行動不能となる山岳遭難が発生。県警山遭難救助隊員、松本警察署山岳遭難救助隊員、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して男性を発見・救助した。

  • 3月27日、北アルプスの乗鞍岳で、16人パーティのツアーで入山した36歳の女性が、下山中に滑落する山岳遭難が発生。松本警察署山岳遭難救助隊員、北アルプス南部地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動し、女性を救助した。

  • 4月1日、八ヶ岳連峰の赤岳で、3人パーティで入山した65歳の男性が登山中、雪崩が発生して巻き込まれる山岳遭難が発生。2日に茅野警察署山岳遭難救助隊員、諏訪地区山岳遭難防止対策協会救助隊員が出動して男性を発見し、県警ヘリで救助したものの死亡が確認された。

 

長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

3月4週は3件、4月1週は1件の山岳遭難が発生しました。
全国的には春模様となっていますが、県内の山々の多くは雪に覆われ、標高の高い山域ではいまだ冬山と変わらない環境です。これから春に向けて標高の高い山域では日中の寒暖差がますます大きくなり、それに伴い融雪が進むなど積雪が不安定になる傾向にあり、積雪量が多い山間部では、雪崩や雪庇崩壊のリスクが高まります。
登山やバックカントリースキー等の入山には、ビーコン、エアバック等の雪崩対策装備の携行はもちろんのこと、入山前の天候状況や当日の積雪状態を確認し、無理のない安全な行動を心がけてください。

 

長野県内入山注意報発表中

新型コロナウイルス感染症拡大防止のため添付の「入山注意報(2月7日付)」を発表しています。以下の資料の通り、入山を控えていただくエリアと、入山注意区域を発表しています。「入山注意」山域へ入山する際は、「登山者への5つのお願い(PDF)」を守ってください。

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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