早朝ハイクで楽しむ鎌倉の山。2時間で歩ける葛原岡・大仏ハイキングコースがおもしろい

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関東地方の夏は猛暑日が連続し、低山ハイクには厳しい季節だが、早朝の時間帯に短時間で歩けるコースなら、暑さのピークを迎える前に歩いて、ハイクが終わってもまだ午前中。早起きするぶん、メリットはたくさんある。そこで今回は、電車を降りたらすぐにスタートできるアクセスのよさと、歩行タイム約2時間とコンパクトながら、野趣あふれる山歩きが楽しめる葛原岡・大仏ハイキングコースを紹介しよう。

写真・文=久田一樹

スタート地点のJR北鎌倉駅。下りホームから渡り登りホーム側の改札を出る

スタート地点のJR北鎌倉駅。
下りホームから渡り上りホーム側の改札を出る


北鎌倉から葛原岡神社、源氏山を経て長谷までをつなぐハイキングコースは、それぞれ「葛原岡コース」・「大仏コース」と呼ばれ、地元でも人気の王道コースだ。

時刻はまだ7時前。ひと気の少ない北鎌倉駅を後にして、JR横須賀線の踏切手前を右手に折れて浄智寺へ。お寺の道沿いに咲くアジサイを眺めつつ進むと、石段が現れ、すぐに登山道へと変わる。

JR北鎌倉駅から徒歩5分ほど、右手に見えてくる「鎌倉江の島七福神」の看板が登山口の目印。ここから浄智寺方面に進む

JR北鎌倉駅から徒歩5分ほど、右手に見えてくる
「鎌倉江の島七福神」の看板が登山口の目印。
ここから浄智寺方面に進む

コースの途中、浄智寺や葛原岡神社などでアジサイの最後の盛りが楽しめた

コースの途中、浄智寺や葛原岡神社などで
アジサイの最後の盛りが楽しめた
(撮影は7月上旬)


葛原岡コースは木の根が張った登山道が主体。森が深く、住宅街のすぐ近くとは思えない雰囲気。朝のさわやなか空気のなか、鳥の鳴き声を楽しみながら歩けるのがいい。

住宅街から少し入っただけなのに、木の根が張った野趣溢れる登山道はうっそうとしていて、なかなか本格的。住宅街に比べると、気温もスッと下がったように感じる。やや急登となる箇所もあるが、野鳥のさえずりを楽しみながらマイペースで進んでいこう。

緑の中のコースが続く

緑の中のコースが続く

葛原岡コースの最高地点、天柱峰(97m)で小休止。昭和16年に立てられた石碑がある

葛原岡コースの最高地点、
天柱峰(97m)で小休止。
昭和16年に立てられた石碑がある


登山口から15分ほど歩くと、葛原岡コースの最高点、天柱峰(97m)に。そこから約10分で葛原岡神社に到着。境内は早朝だけに人が少なく、地元の人が犬と一緒に散歩していたりと、じつに穏やかな雰囲気。境内のこもれび広場にはテーブルとベンチがあるので、朝ご飯やおやつを食べるのにもいい場所だ。

縁結びの神様がまつられる葛原岡神社。広い境内をのんびり散策するのもおすすめ

縁結びの神様がまつられる葛原岡神社。
広い境内をのんびり散策するのもおすすめ

葛原岡神社の境内にあるこもれび広場。テーブル&ベンチがあるので朝ご飯やおやつをここで

葛原岡神社の境内にあるこもれび広場。
テーブル&ベンチがあるので
朝ご飯やおやつをここで


葛原岡神社から10分ほど歩くと源氏山公園。葛原岡神社付近から寿福寺裏にまたがり、春は桜、秋は紅葉が見事な場所。せっかくなので広場に鎮座する源頼朝像を見にいこう。

源氏山公園には源頼朝像が鎮座する

源氏山公園には源頼朝像が鎮座する


源氏山公園から折り返して「大仏コース」に入るが、化粧(けわい)坂切通や銭洗弁財天などへの分岐がいくつかあるので案内板をしっかり確認しながら進もう。銭洗弁財天へは分岐から下ってすぐなので、寄っていこう。

分岐に戻って大仏コースを進んでいくと、こぢんまりとした住宅街の道に海が見える展望スポットが出現する。森の先に広がる街と海の展望をしばし楽しみつつ、さらに山道を進む。迷いやすい場所には案内板が各所に設置されているので、細かく確認しながら歩けば大丈夫だ。

大仏コースに入ってすぐ、住宅街の道沿いにある唯一の展望スポット。由比ヶ浜や材木座、逗子マリーナ方面が望める

大仏コースに入ってすぐ、
住宅街の道沿いにある展望スポット。
由比ヶ浜や材木座、逗子マリーナ方面が望める

各所に設置されている多彩な看板

各所に設置されている多彩な看板


大仏コースも葛原岡コースと同様、木の根が張った道が続くが、森が深いので日差しが遮られ、日が高くなってきても涼やか。野鳥のさえずりの重奏と、小動物の気配を感じながら気持ちよく歩ける。

ハイカーやトレイルランナーなど、地元の人に親しまれるコースだ

ハイカーやトレイルランナーなど、
地元の人に親しまれるコースだ


時折、急な下りも出てくるので、あせらずゆっくりと進もう。「カフェテラス樹ガーデン」の看板が出てくると、ラストスパートの下りも終盤戦。最後の階段を降りたら、大仏坂トンネル脇の歩道に出て山道歩きは終了だ。

大仏コースの終盤。急な下りの箇所があるので、あせらずゆっくりと進もう

大仏コースの終盤。急な下りの箇所があるので、
あせらずゆっくりと進もう

大仏コースの起点、大仏坂トンネルの歩道に出てハイク終了

大仏コースの起点、
大仏坂トンネルの歩道に出てハイク終了


大仏のある高徳院から江ノ電長谷駅までの道中はカフェや食事処でにぎわう。大仏を参拝したり、由比ヶ浜を眺めて帰途につこう。

真夏のハイキングのシメは冷え冷えのレモンスカッシュで!

真夏のハイキングのシメは
冷え冷えのレモンスカッシュで!

*本記事掲載の写真は2022年7月撮影。

モデルコース:北鎌倉駅~葛原岡神社~源氏山~銭洗弁天~高徳院~長谷駅

葛原岡・大仏ハイキングコース地図

コースタイム:約2時間

⇒葛原岡・大仏ハイキングコースの地図を
ヤマタイムで確認する

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