念願かなった雪の伯耆大山登頂祝は地ビールと地元食材の料理

「伯耆富士（ほうきふじ）」とも呼ばれる、美しい山容が印象的な大山。残雪の山を歩いたあと、ビアレストランで地ビールと料理を味わった。

写真・文＝西野淑子

米子城跡から眺める大山の山容

中国山地にそびえる名山、伯耆大山（ほうきだいせん）。「伯耆富士」とも称される美しい山容の山は多くの人々を魅了する。登ってみたいとずっと思っていた山に、先輩ガイドの木元康晴さんにご案内をいただいて、今冬、登る機会を得た。

夏山登山道は、積雪期でも天気のよい日には多くの人が登るようで、踏み跡が登山道のようになっていた。6合目の避難小屋あたりで見晴らしがよくなった。同行してくださった地元山岳会の西川さんが見えている山を説明してくれてありがたい。

山頂に近づくにつれてガスに覆われ、風も強くなった。それでもなんとか山頂の看板がある弥山の山頂にたどり着く。記念写真を撮ったら、天気が悪くなる前に早々に下山開始。行者コースを下り、山麓の大神山神社で無事下山のお参りをした。大山に精通した先輩方のおかげでなんとか登頂。ほっとした。

元谷堰堤付近から大山北壁を眺める

モデルコース：　伯耆大山

コースタイム：大山寺バス停（10分）夏山登山道入口（1時間10分）六合目（1時間）頂上避難小屋（1時間30分）元谷入口（40分）大山寺バス停　合計4時間30分

アクセス：JR伯備線米子駅からバス50分、大山寺バス停下車

風味豊かなビールが心と身体に染み渡る！

下山後は、西川さんのご案内で、大山の地ビールが飲めるビアレストランへ。

私が出演した山と溪谷ch.の下山メシ動画を見てくださっていたそうで、お酒とおいしいものが好きなら案内したいとのお言葉。なじみのない山域でおいしいものにめぐり合うには地元の方の情報が大切、ありがたい。

大山Gビールの工場併設の直営レストラン「ビアホフ　ガンバリウス」

ご案内いただいた「ビアホフガンバリウス」は、地元産の原料を使い、伝統的製法を守りながら「大山ならではの味わい」を求めた『大山Gビール』の工場に併設された直営レストラン。おいしいビールや地酒とともに、地元の食材を取り入れた料理が味わえるという。

お店に少し早く到着してしまったが、中で待っていてくださいと声をかけていただいたので、店内の見学通路からビール工場を眺めてしばし待つ。ほどなく、店内に案内してもらえた。ビアホールらしい高い天井、広々とした開放的な店内。いい感じだ。

広々とした店内、天井が高くて開放的

まずはビールを注文。定番4種類のほか、限定ビールも数種類ある。定番中の定番と思われるヴァイツェンを注文。料理もビールのお供、肉、大山ハムのソーセージやベーコン、パスタ、ピッツァなど種類豊富。せっかくなら地元産の食材、ここでしか味わえないものをいただきたい。

「大山どりのローストチキンを食べましょう！1人1本で！」

あとは地元のお店の豆腐を使った豆腐サラダと、ビールに合いそうなポテトサラダをオーダーした。

まずはビールで乾杯。地ビールらしい苦味と風味がよい感じ。登山のあとのビールは染みるねえ…。木元さんの顔がほころんでいる。西川さんが飲んでいるノンアルコールのドリンクもおいしそうだ。

続いて出てきたポテトサラダはスモークチーズが混じっていて濃厚。これはビールが進んでしまう味だよ。ふんわりおぼろ豆腐サラダは、豆腐の大きさにびっくり。食べてみると豆の風味がしっかり、いいよねえ。

…あれ、ビールなくなっちゃったよ。こんどはピルスナーにしようかしら。

ふんわりおぼろ豆腐サラダ、写真では伝わらないけどかなり大きい

すっきりさわやかな味わいのピルスナーを飲んでいるうちに、大山どり骨付きもも肉のスパイシーローストが登場。アツアツの鉄板で供され、じゅわーっと焼ける音、肉のいい匂いが漂う。思っていたよりだいぶ大きい、迫力ありあり。全部食べきれるだろうか…。

大山どり骨付きもも肉のスパイシーロースト、アツアツ、ジューシーで美味！

まず一口。適度な弾力とやわらかさ、そして肉の味わいが強い！やや辛の味付けもいい感じ。これまたビールが進む味ではないか。ビールを一口、嬉しくて美味しくてニヤニヤしてしまう。目の前の木元さんも西川さんも心底幸せそうな笑顔。山行をともにした人たちと、今日の山の話をしながら、おいしいものを味わえる幸せをかみしめる。

…全部食べきれるだろうかなんて杞憂だった。おいしく味わいつくし、お腹いっぱい。