人気の「冬の八ヶ岳」では経験・力量に見合った登山計画を。 島崎三歩の「山岳通信」 第103号

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長野県が県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。2018年2月13日に配信された第103号では、この時期に八ヶ岳での遭難事故が増加する傾向について触れ、八ヶ岳のコンディションについて説明している。

 

2月13日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第103号では、1月27日~2月4日に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。

  • 1月27日、安曇野市豊科の光城山で、62歳の男性が登山中にバランスを崩して滑落、首や腰などを骨折する重傷を負う山岳遭難が発生した。

  • 2月2日、八ヶ岳連峰の柳川北沢堰堤広場付近で、54歳の女性が登山中に体調不良を訴え行動不能となる山岳遭難が発生。茅野署員などにより発見・救助された。

  • 2月4日、八ヶ岳連峰・硫黄岳で、39歳の男性がジョウゴ沢付近で、下山中に転倒して左足首を負傷する山岳遭難が発生。茅野署員などにより救助された。

八ヶ岳連峰ジョウゴ沢での遭難現場の状況(長野県警察本部 ホームページ 山岳遭難発生状況(週報)2月6日付)
  • 2月4日、須坂市米子不動氷瀑で、36歳の男性がアイスクライミング中に滑落、左足首を負傷する山岳遭難が発生。須坂署員などにより救助された。

 

山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス

県内の山間地は大町地域、飯山中野地域を中心に1月下旬から断続的に降雪が続き積雪が増えています。標高の低い里山でも積雪や凍結により登山道の状況が変化しています。入山時は慎重な行動と判断を心がけてください。

2月1週は八ヶ岳での遭難が2件連続で発生しました。冬の八ヶ岳は山岳雑誌等で広く紹介され、登山者に人気の山域ですが、例年、遭難が後を絶ちません。西高東低の冬型の気圧配置が続くこの季節は、稜線付近では強烈な風と寒気が吹き付け非常に厳しい気象条件となります。
またコースも堅い雪壁と岩稜のミックス帯が続き、的確なアイゼン・ピッケルワークが要求されます。コースやメンバーの力量によってはロープによる確保等も必要になります。登山をする際は自分の経験・力量に見合った登山計画を行い、天候不良時は登山を中止する等、慎重な判断を心がけてください。

 

中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会からのお知らせ

中ア遭対協では、中央アルプスの最新の山岳情報を発信するために公式フェイスブックを立ち上げました。登山者の皆様に、登山計画の参考にしていただき、遭難を未然に防止することを目的としています。
中央アルプスにお越しになる前に、ぜひご覧ください。

⇒中央アルプス地区山岳遭難防止対策協会 公式Facebook

 

プロフィール

島崎三歩の「山岳通信」

信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。

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島崎三歩の「山岳通信」

長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。

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