残雪の燕岳から槍穂高連峰を望む、日帰りアルプス登山。下山後は温泉でのんびり
読者レポーターより連休の登山レポをお届けします。寺尾雄二さんは、燕岳(つばくろだけ)を日帰りで往復し、下山後は有明荘へ。
文・写真=寺尾雄二
ゴールデンウィーク終盤の5月5日、合戦(かっせん)尾根から燕岳を日帰りで往復。中房(なかぶさ)・燕岳登山口の登山者用駐車場は第3駐車場を除いて満車でした。
燕岳からの下山後は有明荘への宿泊予約を入れていたので、自家用車は有明荘敷地内に停めさせてもらいました。
中房・燕岳登山口は朝8時半時点で天気は快晴。寒さも感じなかったので半袖Tシャツで出発、防寒着、手袋はバックパックの中にしまったまま。まだ5月ですが、木々の間から差し込む日差しは強く夏山を歩いているような感じでした。登り始めると、下山する人と頻繁にすれ違いました。
合戦尾根は登山口から急登が続くため、ペース配分を考慮して歩きます。コース途中には第一ベンチ、第二ベンチなど各所にベンチが設置されているので休憩ポイントに最適です。
第三ベンチを過ぎると登山道にも残雪が見られるようになり、本格的に雪上となる富士見ベンチから12本刃のアイゼンを装着しました。行程中に気になったのが、チェーンスパイクを装着して下山している人が散見されたことです。手軽な滑り止めとして、奥多摩や丹沢の低山ハイクでは非常に有効ですが、残雪豊富な時期のアルプスではいかがなものかと感じました。
合戦小屋前のベンチは、下山する人、これから登る人でにぎやかな雰囲気。小屋名物のスイカ販売はまだ先ですが、お汁粉を求める登山者が多いようでした。荷揚げ用ケーブルの近くでは、小屋番の方が除雪機で荷置場の場所作りの作業を行なっていました。こうした光景も残雪期ならではです。
合戦小屋から先は、サングラスを着用、雪が柔らかいのでピッケルではなくバランスのとりやすいダブルストックで歩きました。
合戦の頭を過ぎても、相変わらず天気は快晴で、雲ひとつなく南西方向には槍ヶ岳(やりがたけ)、北側には鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)方面もハッキリと望むことができました。
燕山荘(えんざんそう)に到着すると風は多少吹いているものの寒さは感じず、Tシャツのまま燕岳を往復。ここでも多くの登山者とすれ違いました。
燕山荘前のテラスでも晴天下の大展望を楽しむ登山者でにぎわっていました。燕山荘の従業員の方は、注文を受けたビールや食べ物を忙しそうに運んでいました。残雪の山々を望むテラスでの休憩は、至福のひと時です。
私も燕山荘テラスで昼食休憩をとり、眼前の大展望を満喫した後、再び中房方面へと下山しました。午前中のにぎわいとは反対に、午後の合戦尾根は静かでした。
中房・燕岳登山口には16時前に到着。宿泊先の有明荘の温泉で、山の汗を流し、夕食後はのんびりとした一夜を過ごしました。
(山行日程=2024年5月5日)
MAP&DATA
コース
中房・燕岳登山口~合戦小屋~燕山荘~燕岳・往復(参考コースタイム:7時間40分)
※ヤマタイムの夏山コースタイムです。積雪状況によって異なります

寺尾雄二(読者レポーター)
埼玉県三郷市在住。定年退職後の現在、週1回のペースで筑波山に登っています。その他、春は残雪の北アルプス、秋は日本山岳耐久レース、元日の雲取山が年間のルーティンです。体力を維持しこれからも山を楽しみたいと思います。
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