ロード歩きも多いけれど、気力が充実した熊野古道歩き。熊野那智大社から熊野速玉大社
読者レポーターより登山レポをお届けします。yamatsuzukiさんは熊野古道を熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)から熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)まで歩きました。ロード歩きが多いルートですが、ゆったりと歴史に浸り、達成感いっぱいの充実した一日になりました。
文・写真=yamatsuzuki
MAP&DATA
バスで熊野那智大社に行き、そこからスタート
9月に熊野古道の中辺路(なかへち、滝尻王子から本宮大社)を1泊2日で歩きました。今回は熊野那智大社(くまのなちたいしゃ)から熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)までを歩きます。コースタイムは約8時間。ルートの7~8割はロード歩きです。
途中に山道もありますが、急登や危険な箇所はないので、ソールの硬い登山靴で歩くと、下肢への負担が大きくなると予想できます。行動食などの補給についてはスーパーや自動販売機がルート上にあるので安心です。今回は、バスで熊野那智大社まで移動してそこからスタートします。
JR那智駅と隣接している道の駅なちではトイレ、自販機が24時間利用できるので、しっかりと準備して、6時53分の始発で移動します。JR那智駅の奥が海水浴場になっているので、タイミングがよければ御来光が見えると思います。
20分弱で那智の滝の前に到着。そこにもトイレや自動販売機があります。バス停に降りたときに那智の滝は見えています。少し歩いて飛瀧神社(ひろうじんじゃ)・那智の滝で安全祈願をして熊野那智大社まで少し登ります。
整備された道で気持ちよく歩けます。早朝で参拝者も少なくゆったりと那智大社を感じることができました。
天気も快晴でゆっくり参拝したい気持ちもありますが、ここがスタート地点なので大門坂(だいもんざか)に向かって歩きます。ルートは標識で確認しながら進みます。
大門坂も整備されていますが、しっかりと下ります。大門坂のクスノキの大樹や夫婦杉は有名です。直接触れると大きなエネルギーと歴史を感じることができました。しばらく下ると、ロード歩きが始まります。
ロード歩き、たまに山道、さらに海沿いのロードを歩く
多富気王子(たふけおうじ)、市野乃王子(いちののおうじ)を越えたところから山道に入って、尼将軍供養塔を経て浜の宮王子・捕陀洛山寺(ふだらくさんじ)に到着です。浜の宮王子は道の駅なちのすぐ近くです。
ここまで約2時間です。少し休憩して先を進みます。ここからしばらくロードが続きます。車道に近いルートもあるので注意が必要です。途中でトンネルの右側の階段から登って反対側に越える箇所があります。
ロードが続くので短い山道でもうれしくなります。あっという間に山道が終わって、少しロードを歩くと小狗子峠(こくじとうげ)に入ります。今度はトンネルの左側から登って越えていきます。
小狗子峠を越えると、しばらく海岸沿いのロード歩きが続きます。天気もよく、水平線を見ながら気持ちよく歩きます。
途中で大きなスーパーがあるので休憩してエネルギー補給。飲食店やフードコートもあるので、状況に合わせて利用することができます。休憩とエネルギー補給で元気になったので、軽快に歩けます。
少しわかりにくいですが、高野坂の登り口から山道が始まります。ここが最後の山道です。途中分岐があり鯨山見跡(くじらやまみあと)が展望台になっています。眺望はまずまず。
下り切るとJRの線路の近くに出ます。こんなに近い距離で電車を見るのは初めてです。たまたま特急くろしおの通過するタイミングでした。スピードは想像よりもゆっくりでしたが、かっこいい。
熊野速玉大社から神倉神社に足を延ばすと、すばらしい眺望が
いよいよ後半です。浜王子(王子神社)、阿須賀神社(あすかじんじゃ)を経て、熊野速玉大社に到着です。浜王子以降は観光地のような雰囲気になります。この日の観光客は少ないように感じました。
熊野速玉大社は思っていたよりも大きくはないですが、非常に雰囲気のある、気持ちのよい場所です。
本来はここがゴールですが、近くに神倉神社(かみくらじんじゃ)があるので行ってみます。登り口から見える石の階段が急登です。最後にすごい登りが……。ロード歩きで疲れていますが、気合で登り切ります。神倉神社からの眺望はすばらしい! がんばってよかった。
急登ということは激下りです。最後にケガしないように慎重に下ります。この後はJR新宮駅まで歩きました。
ロード歩きが大半で疲れましたが、達成感があります。9月に歩いた熊野古道の後も感じたのですが、次の日の朝の体調がかなりよいです。体は多少疲れていますが、気力が充実していることは実感できます。熊野古道がもつエネルギーを歩きながら受け取ったと勝手に思っています。いわゆる登山の山頂で感じる感覚とは違った充実感があります。非常に充実した一日になりました。次は熊野本宮大社から熊野那智大社まで歩きたいと思います。
(山行日程=2025年12月13日)

yamatsuzuki(読者レポーター)
2022年に初めての槍ヶ岳登山で、全身の細胞が震える感動とエネルギーが沸き起こる体験をして以来、山にどっぷりはまっています。細胞レベルのわっくわく!!を感じながら山を楽しんでいます。
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