圧巻の富士山と黄金のススキ原! 初冬の鉄砲木ノ頭で楽しむ癒やしの静寂ハイク

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読者レポーターより登山レポをお届けします。上町嵩広さんは山中湖畔にたたずむ鉄砲木ノ頭(てっぽうぎのあたま、1291m)へ、日帰りハイクに出かけました。黄金色に輝くススキ原を抜けた先に待っていたのは、息をのむような富士山の大展望。絶景、静寂、そして温泉と、冬の低山の魅力がぎゅっと詰まった山旅のレポートです。

文・写真=上町嵩広

目次

MAP&DATA

高低図
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最適日数:日帰り
コースタイム: 4時間10分
行程:平野・・・三国山ハイキングコース入口・・・パノラマ台・・・鉄砲木ノ頭(明神山)・・・切通峠(吉政峠)・・・高指山・・・富士岬平・・・分岐・・・石割の湯・・・分岐・・・平野
総歩行距離:約10,900m
累積標高差:上り 約590m 下り 約590m
コース定数:17

劇場の舞台のような「パノラマ台」へ

山中湖・平野から鉄砲木ノ頭を見上げる
山中湖・平野から鉄砲木ノ頭を見上げる

夏は風邪をこじらせ、秋は仕事に追われ、紅葉シーズンも完全にタイミングを失ってしまいました……。そんなわけで秋の名残を少しでも感じたいと思い、ススキ原がみごとな鉄砲木ノ頭をめざしました。

富士山と山中湖の展望
パノラマ台のウッドデッキからの富士山と山中湖の展望

バスタ新宿から高速バスに乗り込み、終点の山中湖・平野で下車。さっそく富士山の雄姿にご挨拶します。富士山を右手に山中湖沿いに道を歩くと、三国山ハイキングコースの入口です。道標に従って坂道をゆるやかに登っていくと、パノラマ台に到着しました。

広いウッドデッキはまるで劇場の舞台のよう。正面左手に富士山、そして右手に山中湖の湖面が大きく展開しています。「すばらしい!」の一言。パノラマ台は自動車でも来られるので、多くの方が眺望と撮影のためにいらっしゃっていました。

黄金色のススキの森を越え、鉄砲木ノ頭の山頂へ

鉄砲木ノ頭の山頂へ森
鉄砲木ノ頭の山頂へススキの森(?)

パノラマ台から奥に延びる鉄砲木ノ頭へ向かう登山道に入ります。この先は山頂までススキ原、というよりも「ススキの森」ともいえる景観の中を登っていきます。ほかではなかなか経験することができない風景ではないでしょうか。

鉄砲木ノ頭の山頂からの広大な展望
鉄砲木ノ頭の山頂からの広大な展望

登り続けて小一時間。山頂に到着して振り返れば、ススキ原の向こうに立つ富士山の姿にまた嘆息します。富士山の写真をひたすら撮り続けました。何枚撮影しても飽きることがない、富士山の不思議な魅力の源泉はいったいなんなのでしょうか。

鉄砲木ノ頭。この奇妙な山名の由来は、諸説あるようですが、この地域の木材運搬のために“鉄砲水”という手法を用いており、「水」が「木」の漢字にいつしか置き換わった、ともいわれているそうです。うーむ、なんだか腑に落ちない。謎です。ちなみに別名は「明神山」。

サクサクと鳴る落ち葉の絨毯と、高指山

落ち葉が厚く積み重なった登山道
落ち葉の絨毯
さまざまな種類の木々の落ち葉が絨毯のように一面に広がる

西面のススキ原から一転、北側は樹林帯です。とはいっても紅葉はすでに過ぎ去り、落ち葉が地面を覆っています。厚く積もった落ち葉を踏みしめていきます。柔らかな足裏の感触とサクサクという音が心地よい。

森の樹木たち
冬の快晴の下、葉を落とした森の樹木たち

常緑樹がほとんどないため、すっかり葉を落として幹と梢だけの林が続きます。冷たい風も吹き、一見すると殺風景ですが、その一方で澄んだ青空とひんやりとした空気のせいか、ちょっとすがすがしい気分にもなります。山頂から先の道に期待していなかっただけにうれしかったです。

いったん切通峠まで下りてから高指山(たかざすやま)に向かって登り返すと、ふたたび富士山の姿が見えてきました。空を仰ぎ見て斜面を登り切れば山頂です。高指山もススキ原となっており、視界が大きく広がり、どーん!と富士山の大きな山容を目にすることができます。

下山後は「石割の湯」で冷えた体を温める

日帰り温泉「石割の湯」
日帰り温泉「石割の湯」

さらに富士岬平まで進み下山しました。斜面に切り拓かれた別荘地の間を抜けていくと、国道413号(道志みち)に出て山中湖側へ西に。最後は日帰り温泉「石割の湯」で冷えた体を温めました。山中湖・平野に戻り、高速バスに乗り、富士山に別れを告げて帰京です。

冬の赤い実
冬の赤い実。ノイバラでしょうか

雪が本格的に降り始める前の初冬。森の静かな雰囲気、そして飽きることのない富士山の美しい姿を眺めながらの山歩きを楽しめるショートハイキング。仕事で忙しなくて心にゆとりのない日々が続いていましたが、富士山の雄姿に元気づけられ、清涼な冬の快晴に気分もリフレッシュできました。

(山行日程=2025年12月6日)

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この記事に登場する山

山梨県 神奈川県 / 富士山とその周辺

鉄砲木ノ頭 標高 1,291m

富士五湖の山中湖の東側、山梨県と神奈川県の境をなす山にあるピーク。山頂は砂礫の平坦地で広く、山頂からは山中湖を挟んで間近に富士山を望むことができる。

プロフィール

上町嵩広(読者レポーター)

登山歴は15年ほど。普段は奥多摩や丹沢周辺に出没し、八ヶ岳や北アルプスにも出張ります。好きな山は八ヶ岳の編笠山。山の抱負は「ちょっとだけ背伸びした山を登ってみる」。

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