六甲・摩耶山をマイナールートから登る

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読者レポーターより登山レポをお届けします。ふーちゃんさんは、六甲山地の摩耶山(まやさん、702m)へ。多彩なコースがあるなか、今回は摩耶東谷から山寺尾根、掬星台(きくせいだい)に向かうルートを登りました。踏み跡のないルートを歩いたり、岩壁をロープで登ったりしながら、初冬の摩耶山を楽しみました。

文・写真=ふーちゃん

目次

MAP&DATA

高低図
ヤマタイムで周辺の地図を見る
最適日数:日帰り
コースタイム:8時間
行程:護国神社前・・・摩耶東谷・・・掬星台・・・穂高湖・・・シェール槍・・・谷上駅
総歩行距離:約10,900m
累積標高差:上り 約1,105m 下り 約941m
コース定数:34

摩耶東谷から行者小屋跡を越え、本日のハイライト、第四堰堤へ

8時30分、摩耶観光ホテル、通称マヤカンからマイナールートを歩く予定で護国神社を出発。ところがマヤカンへの登り口が工事のため通行止めだったので、仕方なくマヤカンはスキップして摩耶東谷へ下りた。

渓谷に沿って遡上したり、堰堤を巻くために山の斜面を登ったりしながら、行者小屋跡に到着。誰も使うことのなくなった小屋は荒れ果てていたが、このコースの一つの目安である。小屋の脇を通って大きな見晴岩に到着し、毎回のことだが大岩の上で写真を撮って、岩から続く馬の背の上を歩いて次の目標点をめざす。

摩耶山 行者小屋跡
行者小屋跡

しばらくすると次の目標の「生命の木」が見えてきた。倒木に3本の若木が芽吹いて成長しているので、いつからか「生命の木」と呼ばれていて、この谷のシンボルの一つとなっている。いちばん細い木の元気がないのが気になった。

摩耶山 生命の木
生命の木

そこから少し山肌を登ったが、これが失敗。踏み跡もなく木につかまりながら苦労して登ったものの、結局谷に下りた。最初から谷を遡上すべきだったと反省した。それでもなんとか今日のハイライト、第四堤防に到着。この堰堤は真ん中が通り抜けられるので、通路の真ん中あたりで堰堤の壁に両足をかけて、お定まりのポ-ズで写真を撮った。

摩耶山 第四堰堤
本日のハイライト、第四堰堤
摩耶山 第四堰堤
堰堤の壁で、お定まりのポ-ズ

不明瞭な足跡とテープ、スマホのアプリを頼りに掬星台をめざす

さらに谷を遡上してゴルジュのようなところを抜けると、渓谷が二股に分かれている。ここは右の谷へ。突き当りに高さ5~6mもありそうな岩壁が現われた。太いロ-プが2本掛けられているので、足場を見極めながら登る。ロープが巻き付けてある太い木にたどり着いて下を見下ろすと、ゾッとするような高さだった。

摩耶山 ロ-プ場
ロ-プ場

ここからは不明瞭な足跡とたまにある赤いテープ、スマホのアプリを頼りに延々と登る。やっとのことで山寺尾根に続く水平道に登り着いた。そこを右に曲がって間もなく山寺尾根の分岐についてホッとするも、この山寺尾根の登りがなかなかの曲者。掬星台(きくせいだい)からの人の声が聞こえて安堵した。

掬星台で空腹を満たしてから、穂高湖(ほだかこ)をぐるりと回ってシェール槍へ。

摩耶山 シェール槍
シェール槍

下山は、まむし谷から炭が谷道を神戸電鉄谷上駅(たにがみえき)へ向かう。細い谷道はごろごろ石が多く難儀したが、それが終わったら足にやさしい山道。小走りでゴールの谷上駅に到着した。今日は8時間30分、10.8kmの山行だった。

(山行日程=2025年12月7日)

ふーちゃん(読者レポーター)

ふーちゃん(読者レポーター)

1946年生まれ、神戸在住。日本百名山踏破。約1000座を登頂。あと何年登れるかわかりませんが、リミットを決めないで年齢相応の山を楽しみたいです。

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この記事に登場する山

兵庫県 / 六甲山地

摩耶山 標高 702m

 摩耶山は神戸市中央区の北にあり、六甲山地の一峰だが、本峰とはかなり離れた位置にある。標高は702m。海岸から8kmの地点でのこの標高は険しい山容を表している。山頂はわずかに平坦だが、周囲はすべて切れ落ちているので、中世には山城に使われたのではないだろうか。江戸期には、名勝布引(ぬのびき)ノ滝とともに観光地や寺参りのコースになっていて、文人たちがここに遊んで俳諧や紀行文を書いている。蕪村(ぶそん)の「畑打や目にはなれずよ摩耶が岳」、「なの花や摩耶を下れば日がくるる」や、香川景周の『須磨日記』などにも摩耶山が出てくる。  山頂からの展望は絶品で、眼下に瀬戸内海淡路島、和泉山脈などが眺められる。また一千万ドルの夜景も売りものである。  コースも多彩だが、布引ノ滝を経て天狗道を登るのが一般的で、所要約3時間。

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