十坊山と浮嶽をたどって玄界灘へ! 最後は温泉で締める良ルート
読者レポーターより連休の登山レポをお届けします。納豆もやしさんは脊振(せふり)山系の十坊山(とんぼやま)と浮嶽(うきだけ)を登って玄界灘(げんかいなだ)まで下るルートへ。
文・写真=納豆もやし
GW後半の5月上旬、脊振山系の西端部に位置する十坊山と浮嶽に登ってきました。実は当初、この2座に加えて女岳(めだけ)、二丈岳(にじょうだけ)を含めた糸島四座(いとしまよんざ)を縦走しようと計画していたのですが、朝9時台から国道202号が渋滞し、計画の変更を余儀なくされました(考えればわかるだろ!と自分に言いたくなります・・・)。というわけで、十坊山と浮嶽に絞り、コースタイムの短縮を図りました。結果から言うとこれが大正解!
特に浮嶽山頂から鴨川沿いに下り、玄界灘にたどり着く下山路は、奥山から里山、川、海へと続くダイナミズムを体感できるものでしたので、ご紹介します!
まむしの湯に隣接する駐車場に車を停め、11時40分に登山開始。中村登山口までは住宅地を縫うようにロードを歩きます。みかん畑を横目に中村登山口から九州自然道へ。巨岩のひしめく道から、木の根で作られた階段状の道へと変化していきます。展望はないものの、時折抜ける風が心地よい道です。
12時40分、尾根に沿って登ること50分で十坊山山頂。最後の最後に展望が開け、目の前に玄界灘が広がります。深呼吸したくなるような景色のなか、15分ほどゆっくりして白木峠(しらきとうげ)に向かいます。
白木峠に着いたのは13時10分。ここから約400mの急登です。自分のペースで、塩分と水分を取りつつ進みます。時々立ち止まって見上げると森がきれいでした。道は急になっていたり、崩れやすいところがあったりと大変でしたが、歩幅を小さくしながら確実に進みました。14時15分に浮嶽に到着。浮嶽の山頂には浮嶽神社の上宮があります。浮嶽は山岳信仰と航海の目印として海上交通安全の信仰の聖地といわれ、山そのものがご神体とされています。現在に至るまで浮嶽神社でその信仰が受け継がれているのです。お社に手を合わせたら下山開始。山頂直下には巨岩と鳥居が次々と現われ大興奮でした。ここで、ロードに下りることもできます。今回は加茂川(かもがわ)水系の沢の流れる東側に舵を切り、下っていきます。
15時10分には荒谷峠(あらたにとうげ)に到着。ここからはロードと登山道が入り組んだ下山路でした。真名子(まなご)登山口までは林道を通るルートもあるのですが、今回は伐採作業中のために通行止めとなっていました。ということで女岳北登山口まで進み、そこから真名子登山口へ下る参道に合流しました。真名子登山口からは一度ロードに入り、沢沿いの山道に入ります。遊べそうなスポットがたくさん。少し沢登りも楽しめそうでした。
ゆらりんこ橋に着くと、そこから海までロードを下ります。棚田が続き、農作業をされている方もちらほら。山頂から里山へ川沿いに降りてくると、水の源である山に信仰が集まったことも腑に落ちました。
玄界灘まで下りると、線路沿いを大入駅まで歩きました。山、川、海を楽しみ尽くした一日に大満足! 福吉駅までは電車を使い、まむしの湯にて疲れを癒しました。
MAP&DATA
コース
中村登山口~十坊山~白木峠~浮嶽~荒谷峠~女岳北登山口~真名子登山口~大入駅(参考コースタイム:7時間)

納豆もやし(読者レポーター)
コロナ禍の大学で山登りをはじめ、福岡を拠点に九州、日本アルプスなどに登る。低山から岩場まで、山を楽しみ尽くすため、目下トレーニング中。植生や麓の暮らし、歴史のことを学び、山をより深堀りしていきたい、と思うこのごろ。
この記事に登場する山
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