登山中は自身の登るルートをしっかりと地図で確認を 島崎三歩の「山岳通信」 第344号
長野県内で起きた山岳遭難事例について配信している「島崎三歩の山岳通信」。第344号では八ヶ岳連峰赤岳の遭難事故について言及し、自身の登るルートをしっかりと確認することの大切さを説明している。
6月6日に配信された『島崎三歩の「山岳通信」』第344号では、期間中に起きた4件の山岳遭難事例について説明。以下に抜粋・掲載する。
5月27日(月)、北アルプスの白馬鑓ヶ岳で、単独で入山した34歳の男性が、北アルプス白馬岳から白馬鑓ヶ岳方面に向かったまま行方不明となり、2日後の5月29日に遺体で発見された。
5月27日(月)、長野市鬼無里日影の八方山で、8人パーティで入山した20歳の男性が、八方沢を下山中に足を滑らせて転倒、負傷した。
5月27日(月)、上水内郡信濃町熊坂地籍の山林で、山菜採りのために単独で入山した75歳の男性が、行方不明となり、遺体で発見された。
5月31日(金)、八ヶ岳連峰の赤岳で、単独で入山した40歳の男性が、赤岳の地蔵尾根を下山中に崖に迷い込み、滑落して負傷した。
長野県警山岳安全対策課からのワンポイントアドバイス
5月27日の週は、長野県内で4件の山岳遭難が発生しました。
八ヶ岳連峰赤岳の遭難は、地蔵尾根を下山中、崖に迷い込み足を滑らせて滑落し、負傷しています。例年、沢筋や獣道などを、登山道と思い込んで迷い込んで登り続けた結果、急斜面で行動不能となる遭難や、足を滑らせて転倒・滑落するなどの遭難が発生しています。
事前の計画段階で、ルートの下調べや地図上で机上登山をするなど、入山前に準備するほか、登山中は地図や登山アプリを活用するなど、ご自身の登るルートをしっかりと確認しましょう。
長野県内では、例年この時期は、山菜採り中の道迷いや足を滑らせて滑落するといった遭難が多発します。山菜採りは、整備されていない山に入るため、一般的な登山よりも多くのリスクを伴います。山菜採り遭難のほとんどが、「知っている場所だから」「何度も入っている場所だから」「すぐに戻ってくるから」といった気持ちで入山し、結果的に遭難しています。
入山前のチェック項目として、次のものがあります。
- 入山場所と予定を家族に伝える
- 複数人で入山し、声や目の届く範囲で行動する
- 急斜面に立ち入らないようにする
- クマなどの野生動物に注意する
また、最低限の装備品として、携帯電話、雨具、ヘッドランプ、非常食・飲料、クマよけの鈴・ラジオなど音の出るものを携行して入山しましょう。
プロフィール
島崎三歩の「山岳通信」
信州の山岳遭難現場と全国の登山者をつなぐために発行。「登山用品店舗スタッフ」「登山情報サイトを利用する登山者」「長野県内の各地区山岳遭難防止対策協会」などに対して、長野県の山岳地域で発生した遭難事例を原則・1週間ごとに、「安全登山」のための情報提供をしている。
島崎三歩の「山岳通信」
長野県では、県内の山岳地域で発生した遭難事例をお伝えする「島崎三歩の山岳通信」を週刊で配信。その内容をダイジェストで紹介する。
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